女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
その攻撃にダメージを受け、ドクロ顔のオレたちへの攻撃は回避された。
「待たせたわね……!」
炎が宿る魔法剣を手にしたパラムと、かしの杖(ゴッドロッド)を手に構えたアム姫だ。
「お待たせしました……! フォウ・ザ・フィアル・フィール・ヒアル・ヒール!」
アム姫が治療魔法を唱え、オレとらんまの傷口を塞いでゆく。
「カイは……!?」
カイの姿はそこにはなかった。パラムが目を伏せる、頰には涙が落ちている。
「この日が来るのはわかっていたけど、やっぱり、いざ来るとね……でも、今、できる事を私たちはしましょう」
「賢者カイ様の力は、このレムール王国・第一王女のアムが受け継ぎました」
気丈に振る舞うアムの目も真っ赤に腫れている。
「でも、これで、もう一度、伝説のパーティが4人揃ったわ」
のらんまが構え、賢者アムが杖を構え、魔法剣士パラムが構え。そして、この勇者の力を継いだオレが揃った。
「伝説のパーティの初陣。快勝といこーぜ!」
らんまが皆を奮い立たせた。
「ふふふ……もちろんよ」
らんま、パラム、オレの順番でドクロ顔に向かって走っていく。
「援護します!らんまさん、いきますよ……ディアナ・フレア・ファイヒ・フィァガ!炎極烈風呪文・ファイアストーム! 受け取ってください」
アムが後方から、炎をらんまに向けて飛ばした。
「任せろぉお!!」
空中でアムが放った炎を両手の神獣のツメに宿したらんま。そのままの勢いでドクロ顔に攻撃を放つ。
「無差別格闘早乙女流奥義!火中天津甘・炎極烈風拳っ」
ボァ!ズザ!ボズ!ザザザ!
炎の攻撃がドクロ顔にヒットしていく。
「今日の私はとことん、機嫌悪いわよ、覚悟しなさい。魔法剣!フレイムソード」
ダモクレスの長剣に炎を自ら宿し、斬りかかっていくパラム。とてつもないスピードでドクロ顔を撃ち抜いた。らんまもアムもパラムも、カッコ良すぎだろ……!でも、オレだって。
「炎の精霊よ、我の聖剣に煉獄の炎を宿したまえ……」
オレが残された魔力をすべて炎に変え、それを聖剣に宿した。
「ブレイブ・ファイアーストラッシュ!!」
煉獄の炎が宿った聖剣をオレは力の限り、振り抜いた。ドクロ顔は身動きも取れないまま、灰となって姿を消していた。
ボスであるドクロ顔を失えば、モンスターの増援は途絶え、オレたちは残された雑魚モンスターを一掃した。
モンスターの大群を処理した後に残ったのは焼け跡となったソイツェスト。建物はボロボロに破壊されている。オレの喫茶店PANDも、オレとらんまがはじめて泊まった宿屋も……。
「なんてことしやがるんだ」
「ってか、カイさんは?」
「カイは……」
「パラムさん、私が達也さんたちに伝えます」
「アム姫いいのです……私の口からちゃんと言いますので……」
一呼吸終えて、パラムが話はじめた。
「カイは……賢者カイ……いえ、私の夫のカイはその生涯を今日、終えました。魔力と知識をすべて、このアム姫に受け渡しました。カイといた時間は私の財産です。でも、やっぱり、私のワガママでカイに無理させていました。カイ、ごめんなさい……ごめん……ごめんね」
パラムが泣いている。元気だしましょうなんて気軽に言える雰囲気ではない。
カイは言っていた。元々長寿のエルフと違って人間で長年生きていると記憶の混濁が起きる。
『年の数茸』で若返りを繰り返す事は人間では無理な事だったのだろう。
◆◇◆◇
オレたちはアムが開いてくれたゲートでカイの遺体を運び、4人だけで土葬した。場所はアムの国であるレムール王国近くの丘の上だ。そこにカイの墓を建てた。
オレとらんまは元の世界からの風習で両手を合わせて、祈った。
「無口なやつだったけど……ほんとに無口になっちまったな」
「おい!らんま、なんて事いうんだ、失礼だぞ」
「いいのよ、達也くん、らんまちゃん。カイが無口なのは、そのとおりだから。でも、あの人はあなたたちのことをすごく気に入ってたわよ。あなたたちに出会ってから、カイは表情が柔らかくなった。私が無理させていたのも事実。やっぱりエルフと人間は一緒にはいられないのよ」
らんまがパラムの手を握った。そして泣いている。
「なに言ってんだよ、パラム。めちゃくちゃカイのことを愛してたんだろ、なんで後悔するんだよ。そんなんじゃカイが悲しむだけだ、そんな事言っちゃいけない。言うな!」
「うぅ……うぅ、ごめんなさい……」
伝説の魔法剣士でありエルフのパラムが人間と変わらない表情を見せた。
「私もカイさんからたくさんのことを学びましたが、まだまだ足りていません」
カイの死で塞ぎこんでいる場合じゃないのに、オレはどうやって二人を元気づければいいかわからなかった。
◆◇◆◇
その夜、オレたちはレムール王国の城に泊まらせてもらう事になった。明日にはベリーヌも、この城に来てもらって、今後のことを話し合わなければならない。
らんまと部屋でベッドに入った。
「らんま……」
「どうした、達也」
「オレもいつかは、らんまと別れる日が来るのかな。どっちかが死んだりして」
「…………」
「カイさんが若返りを繰り返して、パラムさんとずっと一緒にいたこと、羨ましいって思ってたんだ」
「…………オレも」
「らんまも……?」
天井を見上げながら、オレたちは話を続けた。
「だって、そうすれば、ずっと達也と一緒にいられるし」
「…………でも、いつかは終わりがくる。だからこそ、オレ、らんまと過ごす、この時間を大切にしなきゃって思ったんだ」
「ふふ、それも……オレも思った」
気づいたときには、オレたちは互いの唇を重ねていた。寂しさと孤独を埋め合わせるように裸で抱き合った。
「らんま!らんま!らんま!がいなきゃダメなんだ、オレはひとりじゃ生きていけない、らんま、愛してる!大好き!愛してる!大好き!」
この孤独は何万回、気持ちを伝えても埋められない。らんまから、何万回、気持ちを伝えられても、埋められない孤独に苦しめられた。
「達也ぁ!達也ぁ!達也ぁあ!チュっチュ、ンムチュ、れろれろぉぉっ。はぁはぁっ…じゅるる、ンチュパ、チュパチュバァ、んちゅはぁはぁっはぁはぁっ」
らんまの中にペニスを挿入して、二人で一つになる。孤独を共有しあうように愛し合った。同じ気持ちになるように同時に真っ白な世界を見た。
「らんま……はやくゼノリスを倒してさ、らんまと気が済むまでセックスし続けたい……らんまの足腰が立たなくなるくらい」
「だったら、オレは、また、達也の大好きなレオタードでも、バニーガールでも、スリングショット水着でもセックスしたい。また、メモリーアルバムアタックで骨抜きにしたい」
「ふふ、それはすごく楽しみだな。絶対に倒そうな、ゼノリス」
「だな♪オレたちが負けるわけねーよ」
「おやすみ……らんま」
「おやすみ……達也」
魔王軍だろうがゼノリス討伐だろうが、オレは明日もらんまと同じ時間を過ごせることに感謝しながら眠りについた。
◆◇伝説のパーティ編—完—◆◇