女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
3-4.漁師の港
次のターゲットとした青龍の場所を探るべく、探知機を再度、始動させ、世界地図と照らし合わせる。
フレイヤ様から渡された探知機には世界地図の機能はない。あくまでも大雑把な方向と位置しか示してくれない。なので、世界地図と睨めっこしながら、場所を特定する必要がある。探知機は地図上では東の大陸の外れのほうに青龍の反応を示した。ここの場所は、以前にらんまとレムール王国へと向かったときに経由した港町だ。レムール王国にはオレたちの仲間の賢者アムや魔法剣士パラムもいる。
「えっと、ここの東の街の名前はっと、あ、キサラズだ」
「木更津? それ、オレたちの世界にもあるような名前だな」
「はは、そうだな」
あのときはベリーヌが港に馬車を用意していたため、街には立ち寄ることはなかったがネーミングが日本風なので記憶には残っていた。
「そうと、決まれば出発だな」
オレたちは、目的地をキサラズに定め、今いる地点から一番近い港へと向かうことにした。
正直、移動は面倒臭いが、それも旅の醍醐味ではある。らんまと海を左手に北の浜辺から南下した。日が沈み海が暗くなる頃、遠くに明かりが見えた。目的の港のようだ。
そこは街というよりも簡易的な魚港だった。
世界の貿易港として盛んなソイツェストに住み慣れてしまっているから、この港がずいぶんと簡素に見える。しかし、なんだか、港に灯った明かりは暖かい。その暖かいオレンジ色に吸い込まれるように建て物に入っていった。そこは酒場風の店だった。中では男らが酒盛りをしていた。リーダー格の横には物静かな美熟女も座っている。
「こんにちは、あ、いや、こんばんは~」
オレは男らに恐る恐る話しかけた。正直、あまり社交的な性格ではないが、明日の朝には船に乗らせてもらわないといけないしな。
「おうぅ、若いの。こんな田舎の港になんのようだ?」
「あ、ちょっと妻と二人で旅をしていまして……」
らんまに手を出されないように妻である事実を先早に伝えた。
「へぇー、お若いのに。二人旅ねぇ」
「明日の朝に船を出してもらいたいんだけど、お願いできるか?」
口が悪いらんまが先に交渉役を名乗り出てしまった。旅の交渉役はオレに任せておけと、あれほど、言っておいたのに……。
「ほぉ、明日に船ねぇ。ま、金があれば船は出してやらないこともないがな」
リーダー格らしき中年の男がらんまの交渉に乗ってきた。
手でらんまを制して、乗船料の交渉はオレがするとアイコンタクトを送った。
「東のキサラズまでお願いしたいんですけど、おいくらになりますか?」
「キサラズか。そうだな、これくらいでどうだ?」
中年の男が指を二本立ててきた。
「200ゴールドですか、それくらいなら」
「いや、2千ゴールドだ」
「2千ゴールド?! いくらなんでも、それは高すぎだろうが!」
男が提示した料金にらんまが目をパチクリさせた。
この世界での2千ゴールドといえば、3ヶ月は食事付きの宿屋に泊まり続けられる金額だ。
「お嬢ちゃんよぉ、キサラズといえば、そんなに近くはない。それくらい払って当然だろ。いいんだぜ、こっちは払わなくても。それにキサラズまでの往復には3、4日かかるからな。その間、漁業ができないんなら、それくらい払ってもらわないとこっちも困るんだ。がっはっはっは」
中年の男はジョッキを高々と上げ、テーブルを囲んでいた左右の男らと乾杯して、ビールを飲み干した。
「達也、どうするよ……」
「払えない金額ではないが、ちょっと高すぎるよな」
思えば、ノープラン過ぎた。そもそもはフレイヤから旅費も工面してもらうべきだった。今回はいつものベリーヌのバックアップもない事だし、ゴールドのやりくりは必然だ。
「じゃぁ、こうするのはどうよ?」
男が頰を赤らめて、オレの目を見てきた。
「ワシたちと勝負しよーや」
「勝負?」
男の言葉に横のらんまもピクっと反応した。持ち込まれれば、どんな勝負でも引き受けてしまうのが、らんまの悪いところでもある。オレは注意深く、男の話を聞くことにした。
「もしも勝てたら、キサラズまでの船代はタダにしてやる。その代り、オマエが負けたら、船代は4千ゴールド払ってもらう。どっちにしろ、目的地であるキサラズに行けるのだから悪い条件じゃないだろ?」
「…………」
オレに考え込む暇を与えずに男が喋り進めた。
「早抜き対決でワシと勝負しよう」
「早抜き対決?」
早抜き対決……。いったいなにを早く抜く対決なのだろうか。
男の口から説明された勝負内容は驚くべき内容だった。
「あぁ、フェラでの早抜き対決だ」