女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
火の怪物はゴブリンを1匹、2匹とどんどん炎の触手で捕らえて、地面の割れ目のマグマに溶かしていった。どう見ても熱い。地獄絵図だ。
ゲームの世界じゃ、見慣れた光景ではあるけど、いざ、リアルな視界で見ると本当に恐ろしいな。
「らんま、まじでヤバいやつだ」
「くっ…、湯太郎、出ろ!」
らんまが湯太郎と名付けた幻獣・アーヴァンクがらんまの手元の小瓶から現れた。飼い主のらんまに命令された湯太郎は勢いよく、口から水を火の怪物へと放出するがまるで効果がない。
「ちぃ、ダメかー」
自慢のペット(使役)の水鉄砲が効かないと悟れば、らんまは湯太郎の背中に乗った。
「達也!乗れ、逃げるぞ、敵前大逆走だ」
オレはらんまの後ろ側に飛び乗る。落ちないようにらんまの腰に手を回した。らんまの腰に手を回せば、指を通して、らんまの素肌を感じる。またしても、勃起してしまったオレを湯太郎が睨んでくるようだった。悪い、悪いと手で謝るオレ。
ニケツ状態で山間の谷間を駆け抜けていく湯太郎バイク。飼い主のらんまを乗せているせいなのか湯太郎は元気良く、スピードを上げていった。オレは落ちそうになり、必死に再び、らんまの腰に手を回したつもりだったのだが…
なにか、柔らかいものをオレの両手は捕らえ、しっかりと掴んでいた。手に余るくらいの大きさで丸いものを掴んでいる。ほのかに暖かくて…、触っているとすごくエッチな気分に…って
「うわーー!!らんまのおっぱいだー!」
オレの手は思わずに、ぐにぐにと揉んでしまう。
「この状況で乙女の胸を、なに揉み回してるんだ」
らんまにエルボーされ、顔の形が変形するオレ。必死に謝ったが、らんまは目線を合わせてくれないまま、湯太郎バイクは山間の谷間を進んでいった。
しかし、ついに『らんまの巨乳おっぱい』を触っちまったぜ。
この感触、絶対に忘れない。
無言のオレたちは山間の谷間を抜けたところでドワーフたちと合流した。湯太郎から降りるとらんまは湯太郎を小瓶に戻す。
「湯太郎、サンキュウな♪助かったぜ」
らんまにナデナデされれば、湯太郎は喜んで小瓶の中に入っていた。
「達也も、こうやって、小瓶の中に入ればいいのにな!」
らんまがムスっと怒りながら、オレに嫌味を言ってくる。さっきのアクシデントを怒っているのだろう。オレは静かに頭を下げた。
「らんまさんに達也さん、フレイヤ様の湖はもう少しです。急ぎましょう」
ドワーフたちが先頭を歩き、その後ろをらんまが続いて歩く、最後方にオレの集団が火山の麓を進んでいった。さっきの火の怪物も幻獣の類だったりするのかな、だとしたら、
「先ほどの幻獣はアーヴァンクですね、あれほどの凶暴な幻獣を手懐けているとはすごい」
「ま、手懐けたのは達也じゃなくて、このオレだけどな♪」
らんまが自分のペットだと、小瓶をアピールした。らんまのペットである事が嬉しいかのように小瓶が小さく揺れる。きっと中の湯太郎が元気よく跳ねたのだろう。
「じつは、これから、お会いするフレイヤ様も幻獣なのですよ。正確には『
「フレイヤ様も?」
さすが、ドワーフ。街の人らが知らない事もよく知っている。というか、オレたちはこの世界の事をもっと知らなければいけない。ある意味、人間側についていると面倒な事も多い。人間には裏表がある。街にたどり着いたときに最初に親切にしてくれた武器屋にも裏の顔があった。そういう意味では人間たちよりもドワーフや幻獣側にいるほうが安全だったりするのかな。
火山を越えて、暗い洞窟をぬけると、そこには、この世のものとは思えない美しい湖と草原、青い空が広がっていた。
「うひゃぁー、こりゃ絶景だな」
らんまが大喜びで、その光景を目のあたりにしている。このまま、さっきの乳揉みの件も水にながしてくれるといいんだけど。
湖の前にたどり着くと白いローブを着た金髪の美しい女性が待っていた。
「フレイヤ様、お久しぶりです」
ドワーフ一行が頭を下げる。オレもらんまと一緒にお辞儀をした。
見上げたフレイヤ様は美しい。美と愛の女神と呼ばれる美しさだった。
ドワーフは
「まぁ、綺麗、最高の出来ね。私の想像以上だわ」
フレイヤ様はそのまま、4人のドワーフ、ひとりずつの頰に首飾りのお礼のキスをしていく。オレとらんまはその光景を眺めていた。
らんまが小声で囁く。
「おい、達也、オマエもフレイヤ様にキスされたら承知しねえからな、ちゃんと拒め」
「えっ…、あ、わ、わかった」
ドワーフに続いて、フレイヤ様はらんまの頰にもキスをされた。ほのかに赤くなるらんま。
続いてはオレの番なわけだが…。
「あ、その…オレは大丈夫です」
「ふふふ、わかったわ。あなたにはお嫁さんがいるのね…ふふ」
フレイヤ様は横にいるらんまのことを薄く開いた目で見つめた。
「なんで、オレがこんなドスケベ男の嫁なんだよ、勘弁してくれ」
らんまが必死に訂正する横でオレも同調してみた。本音ではない。やっぱり人間って裏表がある。
「そうです、オレとらんまは旅仲間で、その友達っていうか」
「こら、オマエたち、フレイヤ様の前で頭が高いぞ」
ドワーフがオレとらんまを制した。
その先を要約するとこうだ、ある日、フレイヤ様がこのドワーフたちの岩屋の前を通りかかると、入口が開いており、ドワーフ達が首飾りを造っているのが見えた。フレイヤ様は首飾りが気に入って買い取りをもちかけたが、ドワーフ達は金銭よりもフレイヤ様の身体を希望したため、フレイヤ様は彼らのそれぞれと一夜を共にするしかなかった。その代償としてドワーフたちが、完成した
口髭が生えたドワーフたちを相手するフレイヤ様を想像すまいとオレの想像はそこでストップさせた。
「達也とらんま、ドワーフたちの護衛をしてくれたのね。心から礼を言うわ、どうもありがとう」
フレイヤ様はオレとらんまの顔を見比べながら、言葉を続けた。
「あなたたち二人は運命の絆で結ばれている。しかし、まだ、その結びつきは弱い、それはきっと本当に二人が結ばれたときに強固な絆となるでしょう。」
生と死、愛情と戦いを司るフレイヤだからこそ、この言葉はただの忠告ではないのだろう。らんまもその言葉を受け止めて、強く頷いていた。
オレたちはフレイヤ様とドワーフたちと別れて、歩きはじめた。
あんな美しい幻獣姫に小瓶の中に入ってくれだなんて、とてもじゃないけど頼めなかった。なにか困ったときにはいつでも力になってくれるとは言ってくれたけど。
「達也…、さっきはフレイヤ様のキスを断ってくれて…ありがとうな」
らんまが小声で話すなんて珍しい。そりゃ、フレイヤ様からキスはされてみたかったけど。
「これは、いつも一緒に冒険してくれているお礼だ、チュ…」
「え…っ?」
信じられない事にあのらんまがオレの頰に唇をつけていた。夕日に照らされた湖の草原で初めて、らんまにキスされた。