女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
「これは、もしかすると玄武から倒したのはまずかったんじゃないか?」
「そうかもしれない……すまないな。らんま」
「まぁ、でも、しょうがねえ。朱雀が近いなら、そっち行こうぜ」
「たしかに青龍探しはかなり難しそうだな」
らんまと岸を歩き、ドラゴットの海を眺めた。
砂浜に腰をつけて、座っていると、1匹の小さな亀がのっそのっそと歩く。
「助けた亀に連れられてか……」
らんまが砂浜に緑の勾玉を置くと、小さな亀がその周りをクルクルと周りはじめている。
「なにやってんだよ、らんま」
「亀を遊ばせてんだよ……竜宮城あるなら行ってみたかったぜ」
「あるなら、そりゃ、オレだって行きたいよ。でも、帰ってきたら、じいちゃんばあちゃんになっちゃったりしてな」
ここは異世界。竜宮城が存在している可能性だってあるだろう。しかし、行けたとしても長居するのは危険かもしれない。
◆◇◆◇
小さな亀を遊ばせていると、そのとき、海岸沿いに悲鳴が聞こえた。
「きゃぁあーーっ! 誰か助けてぇえ」
らんまと二人で顔を見合わせて、すぐに立ち上がり、声の元へ直行する。
数名の水着美女たちがサハギンに襲われていた。
「でやがったなぁ! モンスター、オレたちが相手だ」
「ちょっと待て、らんま! このサハギン、前にチッタソラーレの水門のところにいたサハギンと同種に見えるぞ?」
この世界に来てから、2ヶ月程度経ったころだろうか。旦那様から頼まれたオレとらんまは屋敷の水門に棲みついているという化け物退治を行なった。その化け物というのはサハギンのことであったわけだが、サハギンはリヴァイアサンの稚魚を取り戻しに来ただけであった。
「よぉ、お久しぶり……?」
あのときのサハギンたちと同じ顔には見えるが、同じやつという保証もない。しかし、らんまは気さくに声をかけていた。
水着美女たちはオレたちと入れ替わりで、その場から去っていった。
「らんま、同じやつかどうかはわからないぞ」
とは言いながらも、ダメ元でオレもサハギンに聞いてみる。
「オレたちさ、このドラゴットの海の底にいるはずの青龍を探しているんだけど知らないか?」
サハギンが頷いた。
「えっ……?! 知ってるのかよ」
らんまがサハギンの肩を持ち、揺さぶるように問いただした。
サハギンの濡れたべちょべちょの肩からオレの顔に水が飛び散る。ぬるっと冷たい……。
「連れていってもらえるのか?」
サハギンは笑顔を作るのは苦手なようだが、笑っているように見えた。
ちょっと離れててとジェスチャーをしたサハギンは泡のようなものを作り出した。直径3メール程度の球体の泡だ。
その中に入れとジェスチャーを続ける。オレとらんまはそのしゃぼん玉みたいな泡に入ると、ゆっくりと海に向けて進み始めた。
「うわ?! すげえーな! これ」
「あぁ、まったくだ」
はじめての体験。これを使った海底ツアーをやったら、一儲けどころか、この世界での億万長者になれるんじゃないかというくらいの最高の海水探検だ。
オレたちを包んだ泡がそのまま、海底に沈んでいく。暗いはずの海底が泡の光によって照らされている。
「まさか、亀を助けるんじゃなくて、サハギンを助けた恩返しで……」
「このまま、竜宮城へ行くのか、めちゃくちゃ楽しみだぜ♪」
サハギンはまだ、オレたちになにかを伝えたかったようだ。
わかりにくいジェスチャーで懸命に伝えてくる。
「なになに? ついこないだ、別の者も竜宮城へ連れていった? 今もいる?」
どうやら、竜宮城には先客もいるらしい。
そして、その先客は意外な人物だった。