女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
助けたサハギンに連れられて~♪というわけで、泡は竜宮城に入っていく。サンゴに囲まれた海底の都。まさに絵に書いたような美しさの竜宮城だ。エメラルドリーンの屋根、柱は朱色でできている神社と日本家屋を足したような城の中を案内された。
「ほえー、ホントにあったんだな。竜宮城って」
「竜宮城といえば、乙姫さんだっけか? いるんだよな」
「乙姫さんか、美人だったりして……」
らんまという最高に可愛い娘(まぁ、元男だけど)と結婚しているオレだが、レムール王国の賢者アムも魔法剣士パラムも美人だし、この世界じゃ、どういうわけかブスは存在していないくらい美人揃いだった。つい、乙姫のルックスを想像して、鼻の下が伸ばしているとらんまから頰をつねられた。
「おい、ドスケベが。乙姫に惚れたらしょうちしねーぞ」
「痛ててて……っ」
らんまが怖い顔で睨みつけてきた。らんまはいつも、こうやってオレの浮気を心配するが、その必要はない。オレはらんまに出会ったから、一筋なんだから。むしろ、らんま以外の女性を好きにならないから、困るくらいだ。
「そーいえば、先客がいるって言ってたな」
らんまの問いかけに頷くサハギン。先客は青龍のことなのだろうか。それとも、はたまた、他の冒険者だったりするのだろうか。
通されると、宴が行われていて、サハギンら半魚人に囲まれた老婆がいた。
「うわ?!ばあさん」
「シャンプーのひぃばあさんのコロンさん?」
竜宮城の先客はシャンプーの曾祖母で、武闘民族・女傑族の総帥であるコロンだった。シャンプーの再来日時に一緒についてきて、乱馬とシャンプーの結婚の為にあらゆる策を講じていたこともある。たしか、らんまに熱い湯に触れられなくする『総身猫舌のツボ』を打って、しばらくの間、男に戻れなくさせたんだっけ。
「ほっほっほほ、こりゃ、婿殿。こんなところで会うとは奇遇じゃな」
「なんだ、先客って婆さんのことかよ」
話がわからない人ではない。らんまとオレはコロンの隣の席に腰かけた。目の前にはテーブルいっぱいに海の幸がたくさん並んでいる。
サハギンのジェスチャーから察すると、ここはサハギンを助けた人間をもてなすための部屋だそうだ。たしかに亀を助けるよりも、完全にモンスターな見た目のサハギンを助けるのなんて、珍しいのだろう。先ほどの浜での美女が良い例だ。危害を加えられていなくても、きゃーきゃーと喚いた。たしかに、そこそこの美女ではあったが、群れをなすと非モテ男子など他者を廃絶するところは異世界も元の世界も変わりない。
腹に背は変えられないという事でオレたちも遠慮なく、竜宮城のシーフード料理をいただくこととした。らんまも、これだけのご馳走をいただかずには帰れない。
「ひゃぁ、めちゃくちゃ上手いな、これぇ」
「あぁ、めっちゃ美味だな」
はしたなく料理を貪るらんま。オレも行儀は良いほうではないが、らんまと旅を続けるうちに食べ方はさらに汚くなった気がする。まぁ、腹が減ってるのだからしょうがない。競争するつもりもないのに、まるで早食い競争のように食べてしまった。
一瞬でテーブルの上の食事がオレたちの胃袋の中へと移動した。
あいかわらず、らんまの腹は四次元だ。まったく膨れていない。くびれを保ったままだ。しかも、今回はハイレグ水着姿だからこそ、余計に保ったくびれが目立った。
美味しそうに食べきったオレたちにサハギンも喜んでいるようだった。
そして、ひとしきり、サハギンたちの宴を楽しんだ後、本題を切り出した。
「ばぁさん、ここに青龍いるはずなんだけど、知っているか?」
「知ってるぞい」
肩透かしを食らうくらいに簡単に居場所がわかりそうだ。
「オレとらんまは幻獣姫フレイヤ様からの任をうけて四聖獣討伐の旅をはじめているんです」
「ほぉ、青龍様を討伐と……たしかに普段はおとなしいものの災いを起こす存在だとワシも聞いたことがある」
コロンが丸い目を細めた。その目はなにか計略にかけているようだ。
「知っているなら、はやく教えてくれよ! 四聖獣を野放しにしておくとマズイんだろ?」
「そうじゃな、教えないこともない。というか、奥の部屋におられるぞ」
「なるほど、奥の部屋か……」
気が早いらんまが立ち上がって、奥の部屋へと向かおうとした。
「婿殿待てぃ!」
らんまの勇み足をけん制するようにコロンが口を挟んだ。
「なんだって、言うんだよ、ばあさん!」
「ワシと勝負してからにせんか……?」