女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
女傑族の長であり、シャンプーの曽祖母であるコロンとオレたちのスイカ割り勝負がはじまった。
「いくぞぉ、クソばばぁ!」
ダダダダっとコロンに向かって走り込んでいくらんま。スイカを左腰脇に抱えて、絶対に割られまいと守りながら、棒を振り回した。スイカを簡単におとすまいと、左足をあげて、太ももと左手で挟んでいる。
コロンの長杖とらんまの棒が打ち合う。
「この勝負、簡単そうだな。コロンさん、覚悟っ!」
オレがスイカをバランスよく頭に乗せ、両手で棒を握り、垂直に振り抜く。開始早々、一発で割らせてもらうべく、狙っていった。
「でぇええいい!」
スパーンっとコロンのスイカを真っ二つに割るつもりだったが。
「女傑族の長を甘くみるでない!」
コロンがスイカを持ったまま、風圧を起こし、オレを後方へと飛ばした。
「ちぃ……でも、まだまだぁあ!」
「勝てばいいんだろー、勝てば!」
今度はらんまと二人でコロンのスイカを棒で狙い撃つ。二人がかりなら絶対に!
カカカカカ、カカカカ、カカカカカッ!
オレとらんまの棒がコロンの長杖と激しく打ち合った。らんまはオレの横で大股を広げて、踏ん張っている。ハイレグ水着の食い込みがよく見えるくらいの大股だ。
「ほれほれ、二人がかりでもこんなもんかのぉー!」
オレもらんまも一般人では太刀打ちできないほどのスピードなはずなのに、コロンの実力はそれを上回っていた。
「まさか、これほどまでとは……! でも、わかれば、手加減しない」
—パラディアム!
らんまのおさげを結わいている髪飾りに触れ、オレは勇者の力を解放した。先代の勇者から受けついだ光の宝玉がオレの勇者としての能力を解放していく。
「でゃぁああっ! 雷鳴呪文・ライトニングボルト!」
竜宮城の天井を壊さない程度に無数の雷鳴をコロンに向けて放っていく。
「よし、いいぞ! 達也ぁ」
らんまがコロンと距離を保ち、隙を窺った。
「むんっ……伝説の勇者のみが使える呪文。しかし、まだまだじゃな!」
コロンはオレが放った雷鳴を長杖を避雷針代わりにしていなしていく。
「ちぃい! ライトニングボルトも効かないとは」
「ほーーれ、お返しじゃぁ」
受け止め、十分に充雷できたところで、杖をくるっと回した。
放たれた雷鳴はオレの全身にズギャァアーーンッっと命中した。
「だぁあーー?! ぎひぃ、ぎひいひ、ひぃいぎい!!?」
まるでギャグ漫画のようにオレの髪の毛は逆立ち、電気ショックで痺れる。まさか、自分の呪文が、そのまま返ってくるとは思わなかった。
「ふわっはっは! まだ、若い者には負けんよ」
目尻にたくさんのシワを寄せ、得意毛に笑うコロン。しかし、らんまはそのチャンスを逃していなかった。余裕の笑みを浮かべているコロンのスイカに向かって、強烈な一打を放った。
「でぇえやぁあ、ばばぁああっ!」
「そうはさせるか!」
ブンっ、大きく長杖を振り回し、らんまの身体を弾き飛ばした。
「うわぁあっぁあーーー!?」
らんまの身体がオレのほうに向かって、一直線に飛んでくる。しかも、ハイレグの股間部分がズームアップしてきて……。
「ぶわぁあーっ?! ふんぎぃい!?」
倒れていたオレの顔面にヒットしてしまう。絵に書いたようなラッキースケベな出来事と蒸れたらんまの股間の匂いを嗅いだことでオレの男根は元気に固くなってしまった。
「だぁあ、クソばばぁ、もう許さねえっ!」
そんなアクシデントにもめげずに闘志満々でコロンへと立ち向かうらんまにオレも続いていく。
「おぬしらにワシのスイカが割れるかな。ワシも倒せぬようじゃ、四聖獣は倒せんぞ。ほれ、いくぞ。おとなしく負けて、シャンプーの婿になれぃ!」
「くっそ、ばばあ、速いっ!無差別格闘早乙女流奥義!火中天津甘栗拳っ」
らんまが棒での攻撃回数を増やした。これなら、上回れる。
「その技はワシが婿殿に教えた技、女傑族奥義!元祖・火中天津甘栗拳じゃ」
コロンの攻撃がオレとらんまの手数を上回った。
「し、しまったぁ、まずい!らんまぁああ!」
らんまの左脇のスイカに確実にコロンの長杖がヒットしはじめた。亀裂が入っていく。
中からスイカの赤い果実が見えはじめた。
そして、ついには。
「まずい、逃げろぉ! らんま、危ない」
パッカーーン!
らんまが持ったスイカが割れてしまった。
「ほっほっほっほ、まだまだじゃな」
「くぅっそ、すまねえ、達也……」
「大丈夫、あと、一個、オレのが残っている」
とは言ったものの、実力差がある。かなり強くなったはずなのにコロンの実力はその上をいっているというか。
なにか、弱点はないかと探しはじめる。技量は八宝斎に負けず劣らず高く、その気になれば相手をいともたやすく一蹴するほどの実力。過剰な女好きという明確な弱点を突かれることの多い八宝斉とは対称的にこれと言った弱点がない。らんまとの勝負で明確に「敗北」と言えるのは一度あったかどうかだ。
そんな最強の女傑族の長を相手に、オレは絶対にスイカを割られないと守りを固めた。
「ほれ、婿殿はもう、失格じゃ。ここからはワシと達也の戦い、しっかり見ておけい」
コロンに忠告されたらんまが悔しがりながら、サハギンの元へと引き下がった。
「ちぃっ……達也、頼むぜ」
「わかった。任せておけ……」
オレは強がることで精一杯だった。このままだと負ける。オレの大好きな「女のらんま」がいなくなってしまう。絶対に守らないと。