女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
無事に青龍を討伐し、二つ目となる青い勾玉も手に入れたオレたちは、いつものビキニアーマーと旅人の服に着替え、竜宮城の広間へと戻った。
「さすがは、達也殿とらんま殿じゃな。青龍様も倒してしまうとは」
コロンもオレたちの勝利を讃えてくれた。どうやら、四聖獣は殺したことにはならずに勾玉に封印したことになるようだ。
しかしながら、フレイヤには世界の東西南北に復活した四聖獣を討伐してきてほしいとしか言われていなかったので、改めて、四聖獣についての情報を聞く必要がありそうだ。
「さてと、次の四聖獣はっと……」
また、世界地図を広げて、端から端までの移動する事になるのだろう。
オレは探知機を荷物から取り出して、四聖獣の反応を確かめてみる。
「おかしいなぁ、反応がないな」
「どうした? 達也」
隣にいたらんまが探知機を覗き込んだ。
「ここに来るまでは反応があったんだけど、朱雀と白虎の反応が見えないんだ」
竜宮城に来るまでの間に濡れてしまったので壊れてしまったのかもしれない。というか、このマジックアイテムは電子機器ではないだろ。と、ひとりツッコミを入れてみた。
「海底だから反応がわからないとかあるのかな。ひとまずは地上に戻ろうぜ」
竜宮城は長居できる場所ではない。ここから地上に戻れば、オレとらんまがじいちゃんばあちゃんになるかもしれないんだ。
コロンは昔はかなりの美女だったと聞いた。らんまも年をとると、こんなサルの干物みたいな婆さんになってしまうのだろうか? 失礼ながらも、そんなことを気にしながら、オレたちとコロンはサハギンの泡で地上に帰っていった。
とくにお土産の玉手箱もなかったので地上に戻っても、老いたりする事態はなかった。らんまの婆さん化は無事に防げたわけだ。良かった。
「それじゃ、ワシはこのへんで帰ろうとしようかのぅ。そろそろ、元の世界も恋しいからな」
「そうですか、元の世界に帰られるんですか」
「うむ……猫飯店もシャンプーとムースに任せっきりだしのぅ」
オレとらんま以外は、こちらの世界に来ても、結局は元の世界に帰っていっている。コロンの言葉にオレも少しだけ元の世界が恋しくなった。
「婆さん、いろいろとありがとうな♪」
オレたちが数週間前にゼノリスを倒したため、元の世界へのゲートが魔王の島に開かれている。今回で元の世界に戻るためのゲートが開かれるのは二度目だ。そこからコロンも帰るつもりだろう。
「オレたちも四聖獣の討伐が終わったら、一度、帰るか?」
らんまがオレに聞いた。オレは正直、言えば、元の世界には帰りたくない。元の世界に帰れば、らんまとは夫婦ではなくなるし、つまらない高校生活がまた始まるだけだ。この世界にいれば、勇者の力でチンピラは指ひとつで倒せるし、強大なモンスターも倒せる。ついでに言えば、喫茶店経営という商売もこなしているし。
ただ、らんまに元の世界に帰りたいという気持ちがあるのだったら、それは尊重しないといけない。らんまが帰るなら、至極当然、オレも一緒に帰ろう。
「そうだな……四聖獣倒したら、一度、帰ってみるか」
そして、その四聖獣討伐の手がかりである探知機は地上に戻ってきても、竜宮城にいるときと変わらず、朱雀と白虎の反応は見せないままだった。
「ダメだな、壊れているのかもしれない」
「もしかすると、誰かに倒されちゃったりして?」
こういうときのらんまの勘は当たるから怖い。たしかに他の冒険者でも実力の高い4人パーティが2組とかで戦えば、倒せない相手ではないかもしれない。
4000年前には恐れられていた四聖獣も、この時代だと倒しやすくなっている場合もあるだろう。
「ひとまずはフレイヤ様に元に戻るとしよっか、反応がなければ、これ以上は探せないしな」
「んじゃ、フレイヤ様の元へ行くとするか。あとさ……」
らんまには、なにか言いにくそうな事があるようだ。
「どうした? らんま、なにか言いたいことあるなら教えてくれ」
「……こっからフレイヤ様のところは遠いだろ? でも、ここからアムの国は近いよな」
言いにくいことをオレは察した。
この四聖獣討伐は世界各地を巡る旅になることは予測できた。それならば、賢者カイの力を受け継いだレムール王国のアム姫に協力をお願いするべきだったのだ。なぜなら、アムは一度、行った場所に行く転移ゲートの賢者魔法を使えるから。
ただし、らんまが二人旅を希望したので、今回の旅のパーティは二人だけとなった。
女神フレイヤは現在、魔王の島近くの孤島に住んでいる。幻獣姫として魔王軍の動向をチェックするためだ。
そこの島へ行くには、また、船に乗る必要がある。湯太郎が引っ張っても陸路と合わせて最低3日はかかるだろう。
それなら、このキサラズから、そう遠くはないレムール王国へ行き、アムに転移ゲートを出してもらうべきだろう。しかし、あのおてんばのアムは転移ゲートを出すだけでは終わらない。
「レムールに行くことはかまわないけどさ、あの姫さまのことだ。たぶん、旅に同行させろというと思うよ」
「それなら、それでいいよ。オレはもう、達也と二人旅できて十分だからさ♪」
明るい素ぶりを見せるらんまだが、もしかすると、アムを同行していれば、他のやつに四聖獣を倒されずに済んだと後悔しているのかもしれない。まだ、四聖獣が倒されていると考えるのは時期早々だが。
もしくは探知機の故障だとしても、早めにフレイヤ様の元へ行くのが良いだろう。
オレはらんまの意見に賛同した。
「よし、じゃあ、次の目的地はレムール王国だ」
オレたちはコロンと別れ、陸路でレムール王国へ向けて出発した。