女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
転移ゲートへ飛び込んだオレたちは気がつくと、神社の境内に倒れていた。たしか、らんまと『さっきまでいた異世界』に転移したのは1年半前くらい。オレたちは高校1年生だったから『こっちの元の世界』では、高校3年とかになっているのだろうか?
記憶が曖昧だが、転移するときはたしか、初夏の頃だったとおもう。
「ふぅ、なんとか戻れたようだな……。達也、大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ、らんまは?」
「こっちもべつに大丈夫だ」
倒れてもオレとらんまの手を繋いだまま離れなかったようだ。
一度、手を外し、学生服についた砂を払った。らんまの服もビキニアーマーから元の赤いカンフー服に黒いズボンに戻っている。久しぶりのらんまのいつもの服。男サイズを着ているので、ぶかぶかなところが可愛らしい。
オレは勾玉を学生ズボンのポケットに仕舞いこみ、探知機を見てみた。
反応はない。ただ、異世界にいた頃に使用していたのと違うのは、魔力の充電が足りていない点だった。
「どうだ? その探知機使えるか?」
「いや……? 反応ないな」
「はやいとこ、八宝斎と楽京斎のじじぃを探さないとまずいよな」
街を隈無く探せばいいか? でも、こっちに青龍の勾玉があるなら、きっと近いうちに狙ってくるはずだ。そもそも、オレたちもこっちの元の世界に追いかけてきたことを八宝斎たちは気づくのだろうか?
「おぉ、久しぶりだな。達也にらんま、ボヤボヤしていると遅刻だぞ」
後ろから、数名のクラスメイトらが走り通り過ぎていった。風林館高校のほうへと向けて登校しているらしい。
オレとらんまが転移したときは夕方のはずだった。
「学校用の鞄もあることだし、いちおう、登校はしてみるか?」
「ま、そうするとすっか。1年半ぶりだな、勉強しないで進級できてたらいいな♪」
そんなわけないだろうと、ヤボなツッコミをする暇もなく、オレたちも走って風林館高校へと向かっていった。
らんまが陸上部、いや、日本代表選手・顔負けの速度で走る。高くジャンプすると塀の上を走っていった。
走るのが、それほど得意ではないはずのオレは1年半前まではらんまに追いつくことは不可能だったが、なんだか、今日はスピードをあげても息切れしない。むしろ、身体が軽い。オレも塀の上を走れそうだ。
試しに塀の上に向かって高くジャンプしてみた。
ぴょんっと、軽くジャンプしたつもりが塀の高さどころか、二階建ての家の屋根まで届きそうなジャンプ力だ。
「うわ?! おわ!」
いきなりのハイジャンプにびびるオレだったが、ひょいっと塀の上でバランスを取れた。
そのまま、らんまを追いかける。
まったく重力を感じない。
むしろ、走るらんまに追いつけそうだ。
どうせなら、抜いてやろうとオレはひとつの作戦を考えた。
らんまの背後まで追いつき、後ろから、むにっとらんまの大きな乳房を鷲掴みした。
「なにしやがる!? このドスケベ変態」
想定どおりの反応を見せた、らんまはエルボーをオレに喰らわそうとしてきた。
オレは想定どおりのエルボーを避け、そのまま、空中へとらんまの頭に手を置き、そこを起点として、一回転した。楽々と塀の上に着地をする。
重力の関係なのか、オレが勇者の力を「こっちの世界」でも使えるままになったのかはわからないが。とにかく、特別な人間ではなかった普通の男子高校生だったオレは、らんまと互角以上の運動神経を手に入れて戻ってきたのだった。