女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
クラスの男子らに活躍を褒められながら、クラスに戻り、帰りのホームルームを終え、らんまと下駄箱へと歩いていった。
「ちょっとやりすぎちゃったかな? サッカー」
「べつにいいんじゃねーの? みんな、楽しそうだったしさ♪」
手をかけると、オレの下駄箱からどっさりと手紙が落ちた。
「うわ?! なんだ、これ……」
「ラブレターじゃねーの? ひっひっひ♪」
揶揄うらんまを横目にオレはいくつかの手紙を封から開けると、内容はサッカーの試合、かっこよかったです。付き合ってくださいとかそういった内容のものだった。
その場で捨てるのもマズイと思ったオレは学生鞄の中に押し込んだ。
「へぇー、モテモテだねぇ、達也くん」
あまりの周囲の急激な変化に戸惑いながらも歩いていると、校門の前に森川さんがいた。
森川さんとは中学のときに喋ったことは1度もない。ただ、見た目がちょっと可愛いから好きと思ってただけだ。その一方的な片思いも陽太と付き合いだしたという噂を聞けば、粉々に砕かれる前に気持ちを閉ざした。
「達也……くん。家、同じ方向でしょ?一緒に帰ろうよ」
森川さんはオレの帰りを待っていたようだった。
「あ、いや……」
オレがきっぱりと断れる前に、さらに言葉を強めてきた。
「ねぇ、今、彼女とかいないんでしょ? 好きになりました。付き合ってください。恋人じゃなくて友達からでもいいんで」
「森川さんは陽太……、陽太くんと付き合っているんじゃないの?」
「あぁ、アイツね。さっきの試合で無様な姿を学校中に晒したから別れた」
森川さん、いや、森川の返答にオレは言葉を失った。たかだがサッカーの試合でボロ負けしたからって、こうも手のひらを返すのか。
幻滅とはこの事だったのか。こんな女を少しでも好きと思った自分を恥じたい。
「森川さん、オレ、今付き合っている人がいるから、ごめんなさい。あと、陽太のこともちょっとは大事にしてあげて」
オレはそういうと、らんまの手を引っ張って、校門から学校を出ていった。
八宝斎と楽京斎の居場所は学校が休みとなる明日の土曜日から行うとして、らんまと別れた後、また、オレが過去に好きだった子が現れた。
あの子は森川さんの後に好きだった三浦理恵さんだ。ショートカットで健康的なスポーツウーマンタイプ。三浦さんとは家も近く、街の本屋で見かけたこともあった。
しかし、あぁ、久しぶり~。と陽気に挨拶をする場合ではないようだ。三浦さんは不良男子高校生、3人組に囲まれて、イチャモンをつけられていた。
「なんだよ、つれねぇなー、ちょっとオレたちとカラオケ行こうって誘ってるんだからさぁ」
「そうだ、そうだ。兄貴がこうして頭を下げてるんだから、ちょっとくらいオレたちと遊ぼうぜ」
「やめて、離して。警察呼びますよ!」
正直なところ、オレは不良が嫌いだ。オレの通ってた中学は少々、荒れていた。前時代的な不良はいないものの、教師らに刃向かうような不良生徒。いわゆるヤンキーが多かった。
中3の初め頃から無免許のバイクに乗り出すやつらが現れはじめた。コンビニの前や道の真ん中など、公共の場かつ迷惑になる場所でたむろしはじめたりして。そういう奴らは中3の最後のイベントである卒業式の練習を邪魔したりとやりたい放題だった。そんなように大人に逆らうやつらを馬鹿馬鹿しいとは思いつつもオレには、不良たちを止める力もなかった。
不良が一番、カッコ悪かったのは、卒業式の練習は邪魔したくせに、いざ、卒業式の本番になると親たちの目の前であるから大人しくしていた。本当にカッコ悪い。おかげで、そういうカッコ悪いやつらのせいで、感動的な卒業式を過ごせなかった覚えがある。
よく見ると、そのときの奴らだ。
昔のオレなら三浦さんを助けれる力はなかった。
でも、異世界帰りの今のオレなら。
勇者となったオレなら……。