女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
元の世界へ戻った初日の夜にオレの部屋を訪れてきたのはらんまだった。明日の朝には待ち合わせて、八宝斎や楽京斎を探しに行こうと約束していたが、眠れなくてという理由でオレの部屋を訪れた。窓から入ってきたらんまを勉強机に備えられた椅子に座らせた。
「ごめんな、いきなり来ちまってさ?」
「べ、べつに大丈夫だけどさ」
あっちの世界(異世界)じゃ、さんざん寝泊まりを一緒にしていたというのに、こっちの世界で、しかもオレが16年間過ごしてきた部屋にらんまがいるというのも妙な気分だ。異世界に転移される日、一緒にゲームしようって誘って、そのままだったら、このようにらんまがオレの部屋に来ていたのかと思うと、なんだか感慨深い。
らんまとの間に沈黙の空気が流れる。
なにを緊張しているんだとオレは振り払った。異世界では結婚して夫婦となっているけど、こっちの世界だったらどうなんだろうか。やはり確かめるべきだと思い、オレはらんまに聞いてみた。
「あのさ、らんま……オレたち、向こうの世界じゃ夫婦だったよな?」
「そ、そうだな」
「こっちの世界での関係ってどうなるんだ?」
「…………」
らんまが口を塞いだ。なにか迷うことでもあるのだろうか。
「こっちの世界じゃ結婚式してないから夫婦じゃないかもだけどさ。達也はどうしたいんだよ? オレとのこと」
「えっ? どうって」
「だから、どうなんだってんだよ? なんかさ、こっちの世界に戻ってきてから、達也、モテちまってるみたいだしさ~?」
そうか。ヤキモチ妬いているのか。オレは異世界での冒険や生活を通じて学んだことがある。それは自分の気持ちには素直になり、ハッキリ伝えることだ。
「オレが好きなのはらんまだよ。好きなのはらんまだけだよ、そりゃ、昔好きだった子にああやって言い寄られれば、戸惑ってしまうけど……。オレが好きなのはらんまだけなんだ。こっちの世界でも結婚したいと思ってる……」
少し頼りない口調だったかもしれないが、オレはハッキリとらんまに意思を伝えた。オレがモテるようになっても、男のときも女のときもらんまはモテモテなんだから。悪い虫がつかないように、オレのものにしなければいけない。変な言い方だけど、マーキングも必要だとおもう。
「そっか……ありがと、その言葉聞けて嬉しいぜ。オレも達也のこと好きだ。他の女なんかに目移りするんじゃねえぞ」
そう言い残すと、らんまが椅子から立ち上がり、来た窓へと足をかけた。
「らんま……」
オレの呼びかけにらんまの足が止まった。
「泊まってけよ、オレの部屋にさ……」