女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
4-1.ジャマールの霊魂石
〜これまでのあらすじ〜
達也は平凡な学生生活を送っていたが、同級生の早乙女らんまと共に突如ファンタジー異世界に転移する。異世界では、達也とらんまは数々の危険や試練に遭遇する。しかし、勇者となった達也の知恵と勇気によって、魔王を倒し、闇の魔術師を討伐することに成功する。
女神フレイヤからの依頼を受け、達也とらんまは現代日本と異世界を行き来しながら四聖獣の封印を解く任務にも挑む。最終的には異世界が平和になり、達也は港町ソイツェストでパフェメインの喫茶店を経営することになる。達也はらんまと結婚し、二人で幸せに暮らすことを決めたのであった。
そして、また、達也とらんまの冒険が始まる……。
■短編小説:南東の街アッサラーム
四聖獣や、そのボスである麒麟との戦いには、さすがに大変だったが、なんとか倒して、オレはらんまと再び、この異世界で暮らすことにしたのだった。
とは言っても、異世界での暮らしは、パフェ専門店の喫茶店のマスターとしての暮らしで、退屈そのものだった。もちろん、自分たちで決めたことだから、悪くはないが、同じ日々を繰り返していれば、退屈さは増すばかり。それはウェイトレスとして一緒に働くらんまも同じだった。この世界では、オレはらんまと結婚して、夫婦として暮らしている。
そこでオレから、らんまに新魔法を覚えるために、必要となる素材『ジャマールの霊魂石』を探しにアッサラーム への旅を提案したのだった。
港町ソイツェストからアッサラームへは船で2日間、その後に陸路で馬車で1日だった。ちょうど、日が落ち始めたころにアッサラームに着いた。
らんまとアッサラームの門をくぐると、新しい冒険の始まりを感じられずにはいられなかった。きっと、横にいるらんまも同じだろう。
なんせ、オレとらんまの旅はハプニング続きだ。
そう、横にいるらんまは、ファンタジー世界での定番である「女戦士のビキニアーマー」を着用している。
らんまのウエストは細く、ヒップは丸く、そして胸元は高く、ボリューム感がある。ビキニアーマーは、そんならんまのエッチな身体をさらに引き立たせていた。
わざわざ、この世界での寒い国を旅しようとは思わない、寒い国だったら、らんまのこのような露出度の高いものは着てもらえないからな。
「さてと、アッサラームの街を観光する前に、お目当ての物がこの街にあるか、探さないとな」
「んじゃ、さっそく市場から、観に行くとするか♪」
砂漠の中に建ち、褐色の壁と平らな屋根を持つ建物が立ち並ぶアッサラーム。狭い路地が入り組んでおり、人々はラクダや馬に乗って移動している。港町ではない事から、閉ざされたフリーマーケットと世界では呼ばれているそうだ。
街の中心には、大きな市場があり、そこではさまざまな品物が売られている。また、アッサラームには錬金術師の集まる地区もあり、錬金術に関する様々な品物や薬品が取引されている。
街の外側には、壁で囲まれた砂漠が広がっており、街を守るための防衛施設もある。アッサラームは、商人たちが行き交う中継点であり、複数の交易路が交差しているため、多くの冒険者たちが集まる町でもある。
比較的、気温も湿度も高い街。アッサラーム 。夕方になると気温が下がり、街は少し落ち着いた雰囲気になっていた。市場を訪れると、ジャマールの霊魂石はこの街で一番、大きい武器防具屋に置いてあるそうだった。
静かな雰囲気が漂っていた。街灯の明かりが街を照らしており、遠くには聞こえる風の音が心地よかった。店に入ると、そこには多くのアイテムや武器防具が陳列されていた。オレたちが拠点としているソイツェストの港町では見かけない物ばかりだった。その中に、俺たちが探している「ジャマールの霊魂石」があった。しかし、値段が非常に高く、手が出ない値段だった。
「うわっ、高いなぁ……」
オレは思わず声に出してしまった。店主に失礼にならないようにと口をつぐんでいたところ、らんまが横で大声を出し始めた。
「なんだよ、武器や防具もいいものあったら買おうと思ってたけど、この店の値段高すぎるぜ。ぼったくりじゃねぇか?」
「おい、らんま、ぼったくりとか言うなよ。失礼だろうが」
ぼったくりと大声で店に並ぶ装備品を品定めするらんまに、店主が声をかけた。
「こりゃこりゃ、旅人さん。この値段は、このアッサラームでは正規の価格ですよ。他の店も大体同じです。この砂漠の周辺にいるモンスターは強いから、ちょっとぼったくっても、仕方がないんですよ。ふふふ」
「へえ、そうなんだ」
伝説の勇者と、その武闘家の力を受け継いだオレたちにとっては、あばれザル、キャットフライ、バリィドックといったモンスターは雑魚クラスで、それらには苦戦することもなかった。らんまに至っては、この世界に来てからも日々のトレーニングを欠かさずに行い、俊敏性や槍術は、さらに磨きかかっていた。
「旅の者なら、お目当てのものがあることでしょう?今なら値引きしますよ」
「ああ、それなら、ぜひお願いします。私たちは港町ソイツェストから、このジャマールの霊魂石を買いに来たのです」
「それも、よりによって一級品のジャマールの霊魂石ですか。これを値引くのは難しいですね。なにしろ、このジャマールの霊魂石はレアモンスターのジャマールからしか取れない、貴重な宝石ですから」
「そうですよね……らんま、仕方ないか。諦めるか?」
「なんでだよ、ここまで来たんだろう。じゃあ、そのレアモンスターのジャマールを倒せばいいんじゃねえか」
店主はそう言うと、何やら地図で近くの洞窟ダンジョンの場所を教えてくれた。
「最近の冒険者たちの噂では、南東の洞窟でジャマールの姿を見かけたと持ちきりらしいです。どう?腕に覚えがあるのだったら、チャレンジしてみますか?」
「へぇ、いるんだ、チャレンジする!」
戦闘狂、冒険好きならんまは、私の同意を確認することもなく、身を乗り出した。が、私にとってもレアモンスター探しは面白そうだった。
「ふふふ、それじゃあ、この武器や防具なんか、オススメですよ。この剣はジャマールの急所を探しやすく、この大盾はジャマールの魔法を跳ね返せます」
店主はそう言うと、ディスプレイに並べられた武器や防具を勧めてきた。どれも値段は桁違いの品だった。
しかし、私には伝説の剣エクスカリバーがあり、らんまにはロンギヌスの槍があった。
「ああ、大丈夫です」
店を出ると、すっかり夜になっていた。オレたちは明日の朝にレアモンスター探しに挑戦することにした。
夜のアッサラームはにぎわっていた。オレたちが店を営む港町ソイツェストも、時折祭りが開かれるが、アッサラームの活気には敵わなかった。本来、今日は祭りの日ではないはずだが。
オレは、らんまとアッサラームの街のにぎわいを見ながら歩いていると、ピンクと緑の光る看板が目に入った。「ぱふぱふ小屋」と書かれている。この小屋は、現実世界で言うキャバレーや、夜のお店のようで、少々卑猥な雰囲気が漂っている。