女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
翌朝、早くも予想通り平穏な日々には陰りが見え始めた。
「なんだか騒がしいな。」
オレは朝食のテーブルでらんまに話しかけた。
「うーん、なんか商人たちが怒ってるみたいだぜ。」
らんまが、窓の外を指差して言った。
オレたちは急いで外に出てみると、商人たちが集まって大声で言い争っていた。どうやら、食糧の大半を供給しているレスランドからの取引条件が厳しすぎるという不満が募っていたようだ。
商人たちがどんどん声をあげる中、らんまが訪ねてきた。
「レスランドってどんな国なんだ?」
オレは昨夜、収集した知識から掻い摘んで、らんまに説明した。
「聞いた話じゃ、広大な農牧地を持ってて、世界中に食料を輸出してる国らしいよ。ただ、そのせいで周辺国との摩擦が絶えないとか」
「そうか…。」
オレは考え込んでいたが、その時、突然街に警報が鳴り響いた。
「なんだ、これは!?」オレとらんまは驚いた顔で見つめ合った。
「達也、これはグランゼンの軍隊が来襲してるってことじゃないのか? 戦いの準備をしろ!」らんまがオレに言い放つと、慌てて武器を手に取った。
オレもすぐに剣を手に取り、らんまと共にウェスティリアの人々を守るために戦いに向かった。
空は曇りがちで、暗い海から何隻もの船が港へと進入してきている。船には国旗が掲げられていた。それは、グランゼンの国旗だとすぐにわかった。
街の入り口に着くと、すでにグランゼンの兵士たちが押し寄せてきていた。オレはらんまに言った。
「グランゼンとはいえ、モンスターじゃなくて人だ。命だけは奪わないようにしよう。」
「分かってるぜ、達也。」
らんまは槍を構え、戦いの準備が整った様子だった。
戦いが始まると、オレは剣を振り回しながら、ウェスティリアの民間兵たちと共にグランゼンの兵士たちと戦った。しかし、オレはらんまとの約束を守り、敵兵の命を奪わないよう、彼らを無力化することに専念した。
モンスターとの戦いに比べ、人間同士の戦闘は疲れがたまる。というのも、爆撃系の魔法を使えば一挙に敵を倒せるけれど、そんなやり方では死者が出てしまうだろう。ウェスティリアとグランゼンの両国から、一人たりとも犠牲者を出さずに戦いを終わらせることは、どんな獰猛なモンスターとの戦いよりも困難だった。
オレたちの目的はウェスティリアの人々を守ることだ。それができれば、敵兵たちの命を奪う必要はない。
一方、らんまも素晴らしい槍さばきで敵兵たちを手玉に取っていた。彼女の身のこなしは軽快で、まるで舞うような姿。その美しい動きに、周囲の戦士たちも見とれていた。
「あの娘、すごいね……。男顔負けの戦闘技術だ」
と、戦士たちの声が聞こえてきた。
「まぁ、元々は男だったんだけどね……」とオレは心の中でつぶやいた。
オレたちは少しずつ敵兵たちを押し返し始め、ウェスティリアの兵士たちも勇気を取り戻して戦いに加わった。たまに、オレはらんまと目が合い、互いに無言で励まし合った。
戦いが進むにつれ、徐々に敵兵たちの勢いが衰え始めた。オレは息を切らしながららんまに声をかけた。
「らんま、そろそろ終わりが見えてきたな。」
「ああ、達也。あと少しだ。ウェスティリアの人々を守るために、最後まで戦い抜こうぜ!」らんまはやや疲れた顔で答えたが、その瞳には炎が燃えていた。
オレたちは力を振り絞り、最後の敵兵たちに立ち向かった。そして、ついにグランゼンの軍隊は撤退を始めた。
「よし、なんとかなったな……」
オレは防衛を確信し、らんまに声をかけた。
「達也、よくやったぜ。ウェスティリアの人々も無事でよかった。」
らんまも笑顔でオレに言った。
戦いが終わった後、ウェスティリアの人々はオレたちに感謝の言葉をかけてくれた。だが、商人たちがレスランドとの取引問題を抱えるなど、この世界では問題が山のように積み重なっていた。まるで、四カ国間の関係はオレが想像していた以上に複雑に絡み合っていたのだ。