女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
オレたちが水の神殿に到着した時、目の前には美しい石造りの建物がそびえ立っていた。神殿の中に入ると、高い天井には魚や水の精霊が描かれており、壁には滝が流れている。そのさらさらとした音に、どこか神聖な雰囲気が漂っていた。
中央の泉の真ん中に祀られていた水神の盾は、青く輝く神秘的な光を放っていた。オレたちはその盾に手を伸ばし、触れようとした瞬間、突如モンスターが湧き上がった。
「な、何だ!? どこから出てきたんだ、こんなモンスター!」
「気を付けろ、らんま! こいつはハイドロ・デビルだ!」
湧き上がったモンスター、ハイドロ・デビルは強力な水属性の悪魔だった。高い耐久力と攻撃力を持つ悪魔系のモンスターだ。
見た目は、その名前が示すように、水属性の悪魔を思わせる独特の特徴を持っていた。身長は約2メートルで、筋肉質ながらも流れるような曲線を描く体つきをしている。頭部には大きな角が二本生えており、顔立ちは悪魔そのものだった。黒い翼を背中から生えていた。
「くそっ、こいつは手ごわいぞ!」
魔法を使って周囲の水分を操り、水の槍や氷の刃でオレたちを襲ってきた。さらに、湿気を利用して自己回復能力を発揮し、オレたちのダメージを無効化も行なってきた。
オレは雷撃魔法を駆使し、らんまは槍と蹴りを駆使して戦った。しかし、ハイドロ・デビルの回復能力に手こずってしまい、なかなかダメージを与えられなかった。
「達也、何かいい方法はないか? このままじゃ倒せないぞ!」
「分かってる! でも、どうすれば……」
オレは必死に考えた。ハイドロ・デビルの回復能力は湿気によるものだ。だとしたら、湿気を奪えば弱点を突けるはずだ。
「らんま、聞いてくれ! こいつの回復能力は湿気によるものだ。だから、湿気を奪えば弱点を突けるはずだ!」
「なるほど! じゃあ、どうやって湿気を奪うんだ?」
「オレが火属性の魔法で湿気を減らす。その隙に、お前が一気に攻撃してやるんだ!」
「了解! やってみよう!」
オレは火属性の魔法を詠唱え、ハイドロ・デビルの周りの湿気を減らし始めた。炎が舞い上がり、湿気を追い払うように熱を放つ。ハイドロ・デビルは苦しそうな表情を浮かべ、その回復能力が弱まっているのがわかった。
「今だ、らんま!」
オレが火属性の魔法で湿気を奪う間に、らんまは槍を構え、突撃の準備をしていた。そして、オレの合図で、彼は猛スピードでハイドロ・デビルに向かって突進した。
「くらえっ!」
らんまの槍がハイドロ・デビルの体に突き刺さる。その瞬間、モンスターは悲鳴を上げ、痛みに苛まれていた。しかし、まだ倒れない。オレは魔法で攻撃を続け、らんまも槍と蹴りを駆使してハイドロ・デビルにダメージを与え続けた。
「達也、もう少し! このまま突っ走ってやろう!」
「おう!」
オレたちの連携攻撃が功を奏し、ついにハイドロ・デビルの動きが鈍くなりつつもあったが、決定的なダメージを出せないままだった。
そのとき、オレの目に映ったのは、ハイドロ・デビルの水魔法を跳ね返すらんまだった。
時折、らんまの拳には水魔法が蓄積されているようにも見える。
そして、そのパンチではダメージが入っていない。
オレはらんまに向かって、叫んだ。こうなれば、いちかばちかだ!
「らんま、槍を捨てろ!」
オレの咄嗟の判断に驚いたらんまに、さらに叫んだ。
「オレに考えがある。槍を捨てて、拳に意識を集中させてくれ」
「拳に意識を集中……? わかった!」
らんまは槍を投げ捨て、拳に意識を集中させた。
オレは最後の力を振り絞り、強力な火属性の魔法を放った。ただし、ハイドロ・デビルではなく、らんまにだが。
「らんまぁあーー、これを拳に秘めろ! 熱く燃え盛る業火よよ、我が手に集い、らんまの拳に宿れ!」
オレが放った業火はらんまの拳にめがけて、うなりをあげて飛んでいった。
それが、らんまの拳に宿った。
「それで、ハイドロ・デビルに圧倒的なダメージを出せ!らんまぁあー!」
「うおおぉおーーーっ!!!!」
らんまとしても、かなり意識を集中させる必要があったのだろう。燃え盛る拳を一撃、襲いかかってきたハイドロ・デビルにぶち込んだ!
らんまの拳から離れた炎がハイドロ・デビルに襲いかかり、その身体が焼け焦げていくのが見えた。やがて、ハイドロ・デビルは力尽き、倒れ伏して消滅した。
「やった……やった……やった……」
その場でヘナヘナと崩れ落ちるらんま。あまりの威力に本人が一番、驚いているようだった。
「やったな!らんま」
しばしの沈黙の後。
「うおぉおい!!達也。いきなり、あんな技、あぶねえじゃねーか、一歩間違えば、オレが死ぬとこだったぞ」
「いや、ごめんごめん。でも、らんまのそのあぶない水着なら、オレの呪文も受け付けないとおもってさ?」
「そ、そうか……、で。でも、やったな!すげえ威力だった」
オレたちは互いに笑顔で拳をぶつけ合った。
水神の盾を無事に入手したオレたちは、水の神殿を後にした。