女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
オレたちは急いでチャイナドレスや防具代を支払い、血だらけのウェスティリア兵に混じって国境の村へ急ぐことにした。移動手段は馬車だったが、運転手は状況を理解しているらしく、馬を駆り立てて速いペースで進んでくれた。
「らんま、いよいよだな……。絶対に倒そうな」
オレは力強くらんまに約束した。らんまは短く息を吐きながら、答えた。
「あぁ、もちろんだ。リベンジマッチだからな。オレたちの水神龍昇天波で巨人なんて、一撃だ……!」
◆◇◆◇
突然、馬車が急停止した。何が起こったのかと思って外に目を向けると、馬車の前には大量のゴーレムが立ちはだかっていた。それが原因で進めなくなってしまったのだ。
あまり強そうではないものの、数が多すぎて、馬車からウェスティリア兵たちは手こずってしまっていた。泥や土の塊から作られたゴーレムたちはその無機質な瞳でこちらを睨み、腕を振り上げて、馬車に対して攻撃の構えを見せた。そんな中、らんまが勢いよく飛び出していった。
「よーし、行くぜ!」
槍を振るい、拳や蹴りで次々と大中小、様々なゴーレムたちを倒していくらんま。
「どいた、どいた、どいたーっ」と叫びながら、らんまは華麗なジャンプを繰り出し、ゴーレムたちの頭上を踏みつけるように飛び跳ねていった。その度にゴーレムたちは激しく揺れ、泥や土の塊がバラバラに崩れ落ちていく。
らんまは地面に着地すると、すぐに槍を振り回し、ゴーレムたちに容赦なく一撃を叩き込んだ。ゴーレムたちはその攻撃に耐え切れず、次々と崩れ落ちていく。
「おぉ、すごいセクシーチャイナ武闘家さん!」
と、ウェスティリア兵はらんまのその戦いぶりに魅了されているようだった。
「うおおお!このまま全部潰してやるぜ!」
らんまは興奮気味に叫び、槍を振るい続けた。しかし、その矢先、ひときわ大きなゴーレムが現れ、らんまに向かって腕を振り下ろそうとした。
「危ない!らんま、見てろ!」
オレはすぐさま、手持ちの剣を、そのゴーレムに向かって放った。剣がゴーレムの脳天を貫き、大地に沈んだ泥や土の塊が沈んでいった。
「おお、達也!助けてくれてありがとな!」
らんまはジャンプを多用して敵を蹴散らしていた。しかし、その動きのせいで、らんまが下着をつけていないことがウェスティリア兵にバレてしまわないか、見えてしまわないかとオレは心配になった。
「くそっ、らんま! ホント、こういうとき、元男の性格は災いするぜ」
オレはずっと勇者であることを隠していたが、このままでは、なかなか終わらない。オレは空に向かって詠唱を開始した。
「天よ、我に力を貸してくれ!雷撃!」
オレの雷魔法がモンスターたちにダメージを与えていく。その光景を見て、ウェスティリア兵たちは驚きと感謝の声を上げた。
「おお、助けてくれるとは!」
「あの男、どこから来たんだ? なんだ、あの可愛い武闘家さんは彼氏持ちか」
まぁ、彼氏じゃなくて旦那なのだけど。あまり勇者であることをチヤホヤされなかったのが幸運だった。
「雷撃!」
オレの魔法がゴーレムたちにダメージを与え、らんまもゴーレムを蹴り飛ばしていった。
次第に戦況はオレたちに傾いていった。
とうとう最後のモンスターが倒れると、らんまがオレの元へ戻ってきた。
「おお、達也!助けてくれてありがとな!」
「いや、お互い様だろ。でも……、らんま、今、履いていないんだから、戦い方には気をつけろよな?見えちまうだろ?」
「あぁ、そっか。なんか、下がスースーするなって思ってんだ。ははは♪」
こいつ、確信犯なのか、どうかわからないが、ホント、男を狂わせる女だぜ。
ウェスティリア兵たちはゴーレムたちが全滅したことで、少し安堵の表情を見せた。しかし、まだ巨人との戦いが待っていたことに気づいて、再び緊張が走った。
「さあ、皆、これでモンスターたちは倒したが、まだ先には巨人が待ち受けている。立ち止まっている暇はないぞ!」
ウェスティリア兵の隊長が声を上げ、兵たちはその言葉に励まされ、再び進む気力を取り戻した。
オレたちは馬車に戻り、再び国境の村へ向かった。馬車が進むにつれ、空気がより重くなり、焼け野原になった村が見えてきた。