女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
開店わずか2分前、ウェスティリアのグルメストリートには、あたり一面に熱気に満ちた期待感が漂っていた。空は朝焼けに染まり、オレの心は緊張ながらも、モンスターとのバトルとは違ったやり甲斐を感じていた。多勢の人々が、目の前で繰り広げられるであろうスイーツウォーズを待ち望んで、目を輝かせていた。
勝負はオレたちと紅つばさの店だけのつもりだったが、その噂をかけつけ、他の店らのショップオーナーやスタッフたちも、気合い十分にそれぞれの店舗の入り口で最後の準備を整えていた。彼らの顔には緊張感が見て取れたが、同時に自信に満ちた笑顔もあった。店の中からは、甘い香りが立ち込め、それが人々の期待をさらに高めていた。
「オレの美貌と達也の美味しいパフェの味で売りまくって、二度とブスなんて言わせねーからなっ」
そう言って、隣のらんまは気合い十分だった。オレもエプロンの紐を結び直した。いっちょまえにパティシエらしく、コック帽を被ってみた。料理なんて、ほとんどしないオレが今日は、このスイーツウォーズの大事な役割を担うなんて不思議な気分だ。
いよいよ開店時間だ! オレたちは互いに目配せしてうなずき合うと、勢いよく店の扉を開いた。店内からは、甘美なる誘惑の匂いが溢れ出し、人々を包み込んだ。
さあ……スイーツウォーズの始まりだ!!
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スイーツウォーズが始まると、らんまはすぐに元気な声で客を迎えた。「いらっしゃーい!」と、彼女の可愛い声が店内に響いていた。だが、多くの客が押し寄せたのは、紅つばさのクレープ屋だった。オレたちのパフェ屋はガラガラのまま。らんまとオレは、重たい空気の中で落ち込んでいた。
らんまは突然、「そ…そんな」とつぶやいた。彼女はくらっと立ち崩れ、ヘナヘナと両膝をついてしまい落ち込んでいた。オレは彼女の横に座って、励ます言葉を探していたが、どうしても言葉が出てこなかった。
「けっこう、自信あったのに、オレって本当にブスなのか?!」
らんまは自分に問いかけるように呟いていた。
その言葉に、オレも胸が痛んだ。らんまは決してブスじゃない。彼女は素晴らしい人だし、見た目だって美しい。それを伝えるために、オレは何か言わなくてはいけないと思った。
その様子を見て、紅つばさは、「勝負あったわね!ブス! ざまーみやがれ。はっはははーはあ!」とクレープを食べながら、クレープ屋へと戻っていった。その言葉に、らんまの目にはさらに涙が溢れていた。
なにか対策を練らなければ、敗北は決定的だった。
そのとき、店先でクレープを食べながら、男たちが会話をしていた。
「だいたい、ウェスティリアの街でも、らんまが達也の嫁だって事はみんな、知ってるしな」
「そそ、いかに可愛くても、人妻、独身の水着ギャルやつばさちゃんに張り合ったって勝ち目ないよな」
この会話を聞いて、オレはふと閃いた。もしかしたら、勝利の鍵はらんまだけではなく、オレ自身にもあるのかもしれない。オレはらんまに手を差し伸べ、「立ち上がれ、らんま。オレたちにはまだチャンスがある。」
彼女は涙を拭い、疑問そうにオレを見た。「どういうこと?」
オレは決意を固めて言った。「オレたちの勝負はまだ終わっていない。紅つばさのクレープ屋に勝つために、オレたちも戦術を変える必要がある。」
らんまは「それなら、どうすればいいんだ?」と尋ねた。
オレは答えた。「らんまが可愛いのは事実だが、オレたちの店の売り上げを伸ばすには、もっと大胆な戦術が必要だ。オレたちもパフォーマンスを取り入れて、客を引き付けよう。」
らんまは納得して、うなずいた。「いいアイデアだ。じゃあ、どんなパフォーマンスをすればいいんだ?」
しかし、オレはそこで言葉が詰まってしまった。戦術を変えようと言ったが、まったくの博士だった。
「うっ……それは……」
「よし、仕方ねえ、こーなりゃ、奥の手だ。勝負はこれからだ、見てろよ〜!わははははは!!」
らんまは、奥の手がなにかもオレに教えないまま、店舗に併設された自宅部分へと、すたたたたと、走っていった。
それから、数分後、戻ってきたのは……。