女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
オレたちはエルフェアルの森の奥にある妖精たちの住む集落を訪れていた。遠隔会議で話をしたエルフェアルの王も、すでにそこへいた。
「お待ちしておりました、らんま様と勇者達也様。今回、こんな危険な任務を引き受けていただき、本当に感謝しております。魔皇軍がいつエルフェアルを襲撃するかも、時間の問題です。それに、空も徐々に曇ってきております……」
確かに、あれほど晴れていた空が、オレたちがエルフェアルに到着してから、すぐに曇り空へと変わっていたのだった。
魔皇軍は曇り空の日に攻めてくる。何らかの理由があるのだろう。
「王から事情は聞きました。勇者様、これが妖精の粉です。半日だけですが、これを使えばお前様は親指ほどの大きさになれます。どうか、エルフェアルのみならず、サラトバを魔皇軍から救ってください」
エルフェアルの長老が妖精の粉を手渡してくれた。
彼らから妖精の粉を手に入れることができた。オレは、これを使って魔皇軍に潜入する準備を始めた。
「よし、じゃあ、いよいよ妖精の粉を使って、オレが小さくなるぞ」
オレは妖精の粉を取り出し、らんまに見せると、「大丈夫か?」と心配そうな顔をした。オレは大丈夫だと言って笑顔で頷き、勇気を振り絞って粉を振りかけた。
すると、驚くほど速く、オレの体は親指程度の大きさになっていく。らんまも目を丸くして、オレの変化を見つめていた。
「うわ、まじで小さくなっちまったぜ」
オレが本当に親指程度の大きさになった。まさに一寸法師状態。服はそのまま、小さくならずに素っ裸のままだ。エルフェアルの長老が小さな妖精用の緑の服を渡してくれた。
でも、これって、半日経って、元の大きさに戻るときは、また、裸じゃないか?
雨がパラパラと降り始めた。これは、ますます、魔皇軍が現れそうだと思った。
その瞬間、魔皇軍の一団が突如エルフェアルに攻め込んできた。森の静けさが一変し、魔物たちの叫びやエルフェアルの住民たちの悲鳴が響く。
「さぁ、らんま。ドレスに着替えてエルフェアルの姫になってきてくれ」
しかし、らんまはそこにいなかった。どこだ?どこだ?とキョロキョロしていると、すでにエルフェアルの姫と同様のプリンセスなドレスに着替えたらんまが現れた。
「待たせたな。こんなドレス着るなんて恥ずかしいけど、ま、任務のためだ、しょうがない」
「らんま、すまない。これで魔皇軍に潜入できるよう、作戦を成功させよう」
らんまは乗り気じゃなさそうに首をかしげたが、オレたちの目的のために協力してくれることになった。
オレはひょいっと、らんまに摘まれ、腰の部分に開いたポケット部分に入れられた、そこから、顔を出した。
エルフェアルの軍は四カ国の中でも、一番弱い。
被害を最小限にし、らんまが誘拐されなければならない。
「それじゃ、頼みますよ。お二人……! サラトバの運命はあなたたちにかかっています」
らんまは頷いて、魔皇軍の魔物の群れのほうへとドレスの裾をあげて走っていった。
同様に、腰のポケットにいるオレもめちゃくちゃ揺れる。
オレは、らんまのポケットの中で必死にしがみついていた。なんとか転げ落ちずに済んでいる。魔物たちがらんまを見つけると、すぐさま彼女を捕らえようと襲いかかった。
「きゃぁーー、魔皇軍怖いわぁあーー、でも、連れていくなら、このわたしだけでおねがい〜!」
らんまは、エルフェアルの姫になりきり、魔物たちを挑発するような口調で言った。魔物たちは彼女を見て、一瞬戸惑ったような表情を見せる。
「ほう、これがエルフェアルの姫か。我々魔皇軍のもとに連れて行くと、我が魔皇様や八宝斎様も喜ばれるだろう」
魔物たちは、らんまに近づき、彼女を捕らえようとした。らんまはおとなしく、魔物たちに連れ去られていった。
そして、先ほどの会話で八宝斎様とか言ってたな。やはり、八宝斎がこの魔皇軍の侵略に関わっているのか。らんまと会話したいが、今、ここだと魔物たちに聞かれる。
静かに過ごして、魔物たちがいなくなり次第、作戦を練る必要があるか。
森を進むと、そこには紫色の魔法陣があった。そこに乗せられると、らんまの身体がふわっと浮かび、空の雲に吸い込まれていった。
吸い込まれた先の通路を歩かされていくと、暗い部屋に閉じ込められた。どうやら、牢獄のようだ。しかし、他の娘たちはいない。
ついに潜入成功だ。