女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
翌日、コンパスだけを頼りに砂漠をひたすら歩き続けていると、遠くの彼方についにピラミッドらしき建造物が見えてきた。
「やったぁ!ようやく見えてきたぞ」
オレとらんまは喜びの声を上げた。砂漠の中にぽつんと立つその巨大な建造物は、古代からの時間を超えてオレたちという冒険者を待っていたかのようだった。
「らんま、あれだ! ピラミッドだ!」
オレが指差した方向を見たらんまは、興奮して跳ねるようにしてその場を動き回った。
「やったな、達也! ついに見つけたな!」
ピラミッドに近づくにつれて、オレたちはその壮大さと、時間を超えた美しさに圧倒された。夕日がピラミッドをオレンジ色に染め上げる中、その入口を見つけた。かもしだす古代の神秘に新たな冒険の始まりを感じずにはいられなかった。
「よし、入ろうか。でも、気をつけて。中には何があるかわからないからな」
「あぁ、わかってる……」
オレたちは衣服や装備を直して、ピラミッドダンジョンへ足を踏み入れた。中は薄暗く、壁や床には装飾が施されているようだ。
今回、オレとらんまは、それぞれ、旅人の服とビキニアーマー、それにマントを羽織っただけの姿で旅に出ていた。砂漠の長旅では剣や斧、槍などはそれだけで運ぶのも面倒だし、そもそも、伝説の武器を手にすれば、無双してしまうくらいにオレたちは強くなりすぎていた。だからこそ、武器を含めた装備やアイテムなどは現地で調達しようと決めたのだった。
ゲームでいえば、ハック&スラッシュ、またはトレハン系という事になる。どんな武器やアイテムに出会えるか、とても楽しみだ。
しばらく進むと、足元に白い液体が入った瓶がいくつか置かれていた。モンスターと遭遇する前に、さっそくアイテムの一つ目をゲットした。
「なんだこれ?」
オレが手に取ると、らんまもそれを覗き込んできた。
「なんか……変な匂いしないか?」
「確かに……」
オレはその瓶を地面に置くと、さらに奥へと進んでいった。すると今度は壁に取り付けられた松明に火が灯った。そして、目の前に大きな階段が現れる。どうやら下へと続くらしい。オレとらんまはその階段を下がっていった。
オレは緊張していた。今までいくつものダンジョンを制覇してきたとはいえ、ピラミッドのダンジョンは初めてだ。オレはもちろん、らんまも十分に強い。並みのモンスターには負ける気がしない。とはいえ、慣れないダンジョンで不意を打たれたらどうなるかわかったもんじゃない。まだ武器も防具もひとつも手に入れてない。一階層目で何か見つかれば良いのだが……。兎に角、慎重に行動すべきだ。にしても……。
「……ずいぶん暗いフロアだな」
上階には灯っていた松明がこのフロアには無い。正確には燃えさしのような薪は石造りの壁に取り付けられているのだが、火が消えている。何かの仕掛けを作動させたら灯りの点く仕掛けだろうか。目が慣れてきたとはいえ、ほぼ真っ暗と言っていい。らんまの姿もよく見えないくらいだ。
こんなところで敵に襲撃されたら……。
「らんま、オレから離れるなよ」
「おう、わかってる。こんなに暗いと、1回はぐれるとシャレになんねぇぜ。達也こそ勝手にどっか行くなよな」
いつも通り元気ならんまの声がすぐそばの暗闇から返ってきた。オレはホッと安堵する。実際、女の姿でありながらそこら辺の男よりもはるかに強いらんまの存在は頼もしい。不慣れなダンジョン内部では、明るく気丈ならんまの存在がいつもに輪をかけて心の支えとなっていた。でも、万一何かあったらオレがらんまを守らないといけない。
「らんま、こっち来い」
オレは隣にいるらんまを引き寄せる。すぐとなりでらんまの息遣いが聞こえる。むちっとした柔らかいらんまの胸が腕にあたる。歩くたびに弾むらんまのデカパイ……。いけない、いけない。オレは頭を振って邪な考えを追い払った。ただでさえ真っ暗なダンジョン内、スケベなことを考えて気を緩ませるわけにはいかないんだ……!オレは何を考えてるんだ。らんまだって緊張している筈だ。
ごきゅごきゅ
「らんま?」
「ん?なんだ?」
「なんか飲んでないか?」
ごきゅごきゅっ
「さっきのドリンクだよ」
それが何か?というような、事も無げならんまの声。ドリンクなんかあったっけ?そんなもんをもし持ってたなら、あの時砂漠で飲んでたはず。二人とも暑さと運動でヘトヘトになって、あわや脱水一歩手前までいったからな……。
オレはふと、上層階でのアイテムに思い当たる。瓶に入った白い液体……!まさか……!