女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
地図を片手に熱帯雨林を進む、気温が高く、蒸し暑い。北西に位置するはずだが、この世界の緯度は北に位置しているのかもしれない。まぁ、異世界(ゲーム世界)だから、ご都合主義な設定だろうけど。
持っている地図によるとこのまま、北へ進み。河にあたったら、川沿いに南西に進むのが間違いなさそうだ。しかし、一向に河は見当たらない、元気いっぱいに茂るジャングルを進むだけだ。道中は雑魚モンスターと遭遇(エンカウント)したが、どれもバーサク(狂戦士化)するほどの相手はいなかった。そもそも、剣さえも通さない鋼鉄のバーサーカーと『あぶない水着』を着衣して魔法攻撃を無効化にするらんまだと、この世界には敵はいないのかもしれないとも思っている。まぁ、らんまは一度は着てくれたものの『あぶない水着』はリュックにしまったままだけども。
「達也〜、ぜんぜん河見えてこないぜ」
「おかしいな、そろそろなはずだけど。相当広大なんだろうな」
「一度、休もうぜ」
幻獣ピクシーの光があるから、進む事はできるが、体力のためには夜はしっかりと休む必要がある。らんまとリュックから固いパンを取り出し、食べる。ゴールドは持っているものの、また、初期のサバイバル生活だ。
「その神斧のラビュルルだっけ?それをゲットした後は旅、どうするんだ」
「神斧ラブリュスな?」
何度、教えても正しい名称を覚えないらんま。でも、その言い間違え方もおもしろ可愛いけど。
「そうだなぁ、強くなればなるほど、いつかは倒さなければいけない魔王?とかそういうやつが現れたときに困らないしな。だから、ラブリュスの次はらんまの最強武器を探すってのはどうだ?」
「お?!それ、いいな。大賛成」
剣の扱いよりも拳や蹴りを使った武道家タイプのらんまの最強武器はなにかなと妄想を働かせる。腕や足に付けて、すばやさが倍増するような武具とかだろうか。考えるほどにオレの大好きならんまが最強になるのも楽しみになってくる。防具は『あぶない水着』が最強なわけだし、ふふ。
あとは回復の術を持たないオレたちにとって、無敵とはいえ、体力を削られる事は敗北の可能性を少しでも敵に与える事になる。この世界に魔法はあるようだが、術師はまだ、水門のサハギンしか遭遇していない。
翌朝、オレたちは日が登ると同時に先を急いだ。密林が揺れ、鳥たちが空へと羽ばたいた。強敵モンスターの気配がする。
「らんま、くるぞ」
「おう!」
眠気が一瞬にして冴えるほどの強敵感。オレたちの前に現れたのは大型のマンティス型モンスターだった。攻殻な鎧を着けていて見かけ的にはかなりカッコイイ。おそらくモンスター人気投票では上位に入るだろう。
—バーサク!(狂戦士化)
最初はバーサクする事に手こずっていたが、今では、このとおり、一瞬で自在にバーサーカーへと変身できるようになってた。白髪となり鋼鉄の肉体となったオレはマンティスと組み合う。まるで力負けする気がしない。マンティスを投げ飛ばした。一方のらんまも、マンティスと同時に現れた羽の生えた悪魔フェイスのモンスターを相手している。ロッドを持っている。魔法を使う可能性が高い。
「だから、らんま、あぶない水着を着て歩けっていってたじゃないか」
「うるせー、あんな変態水着にたよらなくても、こいつくらい」
悪魔顔が空中で詠唱を唱え始めた。ロッドの先に炎が現れる。炎がらんまを狙った。まずい!
オレは咄嗟に拳圧で疾風を起こし、放たれた炎を打ち消しあった。
「ふぅ、間に合ったか」
「おい、達也!なんか、また、術を唱え始めたぜ」
再び、空中で詠唱をはじめる悪魔顔。今度はロッドの先に白く柔らかい光が現れた。その光はオレが先ほど、倒したマンティスを包み込むと、マンティスが起き上がりはじめた。
「やっぱ、あったか。回復魔法か蘇生魔法、らんま、あのロッドだ、ロッドを奪うぞ」
マンティスを何度、倒しても、あの悪魔顔が蘇生させてしまう。その間にオレたちの体力がなくなったらアウトだ。
「んなこと、言ったって、あいつ飛んでるから、ぜんぜん近づけね−よ」
らんまの跳躍力はかなりのもんだが、それでも、空中を飛んでいる悪魔顔にはとどかない。
オレはマンティスの身体を大きく拳で削り、動きを止めた。
「よし、それなら、これだ」
肩を地面につけ、仰向けとなったオレは足を曲げた。らんまを飛ばす発射台の体制となる。
「らんま、オレの足を踏み出いに高く飛べ!スカイラブハリケーンだ」
「よし、わかった、いくぜ!これもRPGの技なのか?」
らんまの両足がオレの足裏に乗っかれば、オレが曲げた足を伸ばし、らんまを空中へと発射させる。
「RPGの技じゃない、サッカー漫画の技だ!いっけえええ!!らんまぁああー!」
「どわーーー!!?」
オレがおもいっきり力の限り飛ばしたものだから、らんまの身体は悪魔顔よりも高く飛んだ。
「ちと、やりすぎたか?」
空中で悪魔顔と対峙するらんま。
「見せてやるぜ、無差別格闘早乙女流奥義!スカイラブハリケーン」
色々と勘違いしたままのらんまが空中で回し蹴りを行い、悪魔顔のロッドに命中させた。ロッドは折れ、悪魔顔が困惑している。
「もういっちょ、いくぜ、らんま。スカイラブハリケーン!」
調子づいたオレは落下してきたらんまを足で受けとめて、二度目の発射を行う。
「ぶちかませー!」
「でやぁぁ!たああー!無差別格闘空中殺法奥義・スカイラブ拳!」
二度目はらんまも体制を崩すことなく、悪魔顔に一直線に向かっていく。そして、らんまの拳が見事、悪魔顔の身体を貫いた。
空中から、ゆっくりと降りてきたらんまとハイタッチ。幻獣姫フレイヤ様が予言してたとおり、オレとらんまのコンビネーションは最強かもしれない。
オレたちが悪魔顔とマンティスを倒すと、密林の影から、数名の人間たちが現れた。現地の村の人たちのようだ。
「旅の方ですか?ありがとうございます。村の男たちがもう、何年、戦い続けても倒せなかったビックマンティスとウィングサタンを倒してくださってありがとうございます。私たちの村でおもてなしさせてください」
「お・も・て・な・し?」
らんまと二人で顔を見合わせた。