※この作品はR-18です。

女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き   作:RNOVEL

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15-4.強敵出現

「お、おまえは……パンスト太郎!」

 

らんまが驚くのも無理はない。

 

門がゆっくりと開いて、そこから姿を現したのは、水をかぶり、異形の姿に変貌したパンスト太郎だった。

 

その姿はまさに奇異の集合体――ウシの頭に、雪男の巨躯を備え、鶴の翼が背中から広がり、ウナギの尻尾がうねる。そして、背中からはタコの足が生えていて、指先からはタコスミを噴き出すことができるという、まさに戦闘するためのような姿。

 

オレとらんまは、すぐに戦闘態勢に入った。パンスト太郎は、らんまに恨みもあり、敵対視もしている。変身後のモンスター状態では言葉を話す能力を失う。それに、たとえ人間の姿であっても、彼は話を通じる相手ではない。

 

「ちくしょう、こんな化け物と戦わせるだなんて…でも、やるしかないか!」

 

オレは拳を握りしめ、闘志を燃やした。

 

元の世界にいた頃も、パンスト太郎はなかなかの強敵だった。変身後の姿はまさに化け物と呼んで差し支えない。人間離れした規格外のパワーには、男の姿の乱馬ですら相当手こずっていたらしい。いまやらんまは女の姿、その上『重力の手枷』を嵌められている。

 

らんまの姿で戦闘に臨むことの最大のメリットは素早さだ。男の姿よりもパワーや体力は劣る反面、身軽な女の姿は小回りがきいてとにかくすばしっこい。らんまはこの素早いというメリットを最大限に活かし、今まで数多の敵を倒してきた。そう、今までは・・・。

 

パンスト太郎はらんまを見るやいなや、鼻息を荒げて臨戦態勢に入る。

 

「ぶもおおおおお!!!」

 

「ひぇ・・・」

 

その巨体を目の当たりにして、余りの迫力に情けない声が漏れる。武器も防具も無い。頼みの剣も得意の魔法も無い。丸腰で『重力の手枷』を嵌められて、その上らんまと繋がれている。これじゃ、勝ち目なんて無い・・・。

 

「チクショウッ、最初っからオレ達を殺す気しか無ェじゃねぇかッ!」

 

らんまが腹に据えかねたように吠えた。

 

「ぶもおおおおおーーー!!!」

「来やがったっ!」

 

こちらに猛然と突っ込んでくるパンスト太郎。

 

「達也、走れっ!敵前大逆走だ!!」

「おうっ!」

 

オレとらんまは身を翻して走り出した。

 

「見ろよ、アイツら逃げ出したぞ!」

「なんて臆病な奴らなんだ!あれでも名うての冒険者かよ!」

 

アリーナの観客達からブーイングが起きる。何もわかってない奴らだ。無差別格闘早乙女流の真髄である『走・考・攻』を顕著に表している奥義、敵前大逆走。一見ただの逃亡行為に見えるが、もちろんただの敗走では無い。一言で言うと、『逃げながら反撃の手段を考える』という高難易度奥義なのだ。相手の攻撃を避けつつ適切な逃走ルートを算出して、最も効果的な相手への攻撃手段を見つけ出さなければいけない。今まで何度もお世話になってきた技だが、まさかこんな状況で逃げ回る羽目になるなんて・・・。

 

「ぶもおおおおお!!!」

 

パンスト太郎は凄い勢いで追い上げてくる。巨体ゆえスピードこそオレ達に劣るが、スタミナは無限にあるようだ。

 

「オイ達也、なんかいい考え浮かんだか!?」

「う、浮かぶワケないだろ~!!!」

 

ただでさえ負荷の高い『重力の手枷』の重い鎖を引きずりながら、3倍になった身体を引きずって怪物から逃げているのだ。この状況の打開策なんて思いつくわけが無い!

 

「よーし、それなら・・・」

 

らんまは立ち止まった。思わずオレはつんのめり、二人の間の鎖がピンと張った。

 

「おい!オレ達は逃げも隠れもしないぜ!かかってこーい!」

「らんま!何考えてるんだ!?」

 

こんな状況で挑発するなんて火に油を注ぐようなものじゃないか!

 

「ぶもおおおおお!」

 

ツノを振り立てて立ち向かってくるパンスト太郎。絶体絶命だ!

 

「なんにも浮かばねーのにただただ逃げ回ってても、スタミナを消費するだけだぜ!そんならこっちから仕掛けてやる!達也、息を合わせろよ!そらきた!」

「ぶもおおおおお!!!」

 

ドガッシャーン!!!

 

アリーナの石造りの壁に大穴が開く。らんまを狙ったパンスト太郎のパンチがヒットしたのだ。

 

「らんま!!」

「へへっ、あぶねーあぶねー。思った通りだぜ!」

 

ひらりとパンスト太郎の攻撃をかわしたらんまはニヤリと笑う。

 

「コイツでけーけど、攻撃が大味だ!こうやって挑発しつつ避けてけば、バテるかもしれねーぜ!」

 

なるほど、敵前大逆走は無駄じゃなかったみたいだ!らんまのセンスにいつも危機を救われている。

 

「達也、うまく息を合わせて避けきるぞ!足ひっぱんなよ!」

「おう、任せとけ!」

 

オレ達は矢継ぎ早に浴びせかけられるパンスト太郎の攻撃を連携プレーで回避し続けた。スタミナを悪戯に消費しないよう、なるべく最小限の動きで攻撃をいなしていく。剥き出しの地面、石造りの壁にクレーターのような大穴が開いていく。あんなパンチを生身で受けようものなら、きっとひとたまりもないだろう。

 

「ぶもっ、ぶもー!!!」

 

苛立っている様子のパンスト太郎。

 

「お前の動きはバレバレだぜ、パンスト太郎!」

 

【挿絵表示】

 

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