※この作品はR-18です。

女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き   作:RNOVEL

396 / 480
16-9.特別公演

 

【挿絵表示】

 

 

らんまはオレが席から立ち上がろうとするのを見て、急いでスイーツポテトをフォークで刺し、オレの方へと向けた。

 

「待てよ、達也。まだ食事終わってないだろ?ちょっと、これ食べてみな。」

 

その表情は真剣そのもので、瞳はオレをじっと見つめていた。らんまの手がフォークを持ってオレの口元へと近づける。そのフォークに刺されたスイーツポテトが、ほのかに甘い香りを放っている。

 

「あーんして。」

 

やんわりと強制される形で、オレは口を開けた。らんまがフォークをオレの口に入れ、スイーツポテトが舌に触れると、甘さがじわりと広がった。それは予想以上に美味しく、少し心が和んだ。

 

「どうだい?美味いだろ?」

 

らんまが笑いながら言った。

 

オレは無言で頷く。それは確かに美味しかった。らんまの行動が、少しオレを落ち着かせてくれたような気がした。

 

店内の他の客たちも、らんまとオレのやり取りを見ていたようで、突然その声が聞こえてきた。一人の客が興奮しながら言い放った。

 

「らんまさんと達也さんは、舞台を降りて、プライベートでも、こんな熱々なカップルなんだー!」

 

その言葉に続いて、別の女性客が感嘆の声を上げた。

 

「ほんと、理想の二人って感じ!」

 

その会話が耳に入ると、隣のテーブルの男性がさらに加えて言った。

 

「おい、お前たち知らなかったのか?二人は夫婦なんだよ」

 

その言葉には少し驚きの声が上がり、一部の客たちがこちらを改めて見つめた。その視線に、オレは少しばかり戸惑いを感じつつも、何とか平静を保とうとした。

 

らんまはそれを聞いても特に動じることなく、ただニッコリと笑い、周りに向けて手を振った。

 

「そうなんだよ、達也とオレは夫婦なんだ。この通り、毎日、舞台以外でも愛し合いまくりなんだぜ」

 

ケチャップやステーキソースで汚れた口元のらんまがオレにキスをしてきた。

 

オレはらんまの突然のキスに完全にとらわれてしまった。驚きで体が固まり、一瞬、周りのざわめきが耳に入らなくなった。ケチャップとステーキソースが混じった味が口に広がり、それが現実を思い出させた。

 

らんまのその行動は、まるでオレたちが何も気にしないような自由さを象徴しているようだった。しかしその一方で、オレは内心、戸惑いと照れくささでいっぱいだった。あんなに舞台上ではセックスしまくっているというのに。オレたちのプライベートな関係をこんなに公然と示されるとは思っていなかったし、それが少し恥ずかしく感じてしまった。

 

店内の視線が集まる中、らんまは何事もなかったかのようにオレから離れて、再び周囲に愛想笑いを振りまいていた。らんまのその無邪気さと大胆さが、時としてオレを圧倒させる。

 

「らんま……」

 

らんまは少し申し訳なさそうに笑った。

 

「悪い悪い、ついノリでな。でも、オレは達也が好きでたまらないんだ。達也と一緒に生きていくって決めたんだ。それをみんなにも知ってほしくてさ」

 

その言葉に、オレは複雑な感情のままで何を返すべきか一瞬戸惑った。しかしながら、らんまのストレートな愛情表現は、らんまの長所であり、それがらんまを特別な存在にしていることも確かだ。

 

周囲の客たちも、初めの驚きを乗り越えると、次第に笑顔を見せ、「いいなあ」「羨ましい!」といった声が上がり始めた。

 

らんまの行動に、店内からは「すげー、舞台を降りても二人はロミオとジュリエットだ」「素敵ーー!」といった声が聞こえてきた。

 

その一方で、オレはらんまの大胆な行動が、改めて愛おしく感じられた。らんまいつもストレートで、オレたちの関係をありのままに受け入れ、表現してくれる。

 

その後、食事が続きながらも、周囲の視線が時々感じられた。それでも、らんまの隣で、この街でオレたち二人が、少しずつ認知され、受け入れられていくことが、不思議と心地よかった。食事を終えたとき、オレはらんまに向かって、小さく感謝の言葉を口にした。

 

「今日はありがとう、らんま。たまにはこんな風に話題になるのも、悪くないな」

 

らんまはオレの感謝の言葉を受けて、いたずらっぽく笑いながら応じた。

 

「なんだよ、達也もたまにはこういうの楽しむんじゃないのか? でもな、オレもお前がそばにいてくれてうれしいぜ。こんなに公然と愛されてるって感じがしてな。」

 

その言葉にはいつもの無邪気さと、一緒にいることへの純粋な喜びが込められていた。らんまの隣で、オレも自分の心が少しずつ開放されていくのを感じた。

 

そして、オレの頭にふとアイディアが浮かんだ。ここでの一件で盛り上がる客たちを見て、何か特別なことをしてみたくなったのだ。

 

「らんま、料理をご馳走になったお礼に、今から、ここで特別公演を行うのはどうだ?」

 

特別公演という言葉を口にすると、オレの股間がムクっと起き上がった。

 

「特別公演~??それっていつも、劇場でやってみたいにか?達也がしたいっていうなら……いいぜ」

 

オレは周りを見渡し、レストランのオーナーに向かって大きな声で呼びかけた。

 

「オーナー! ここでロミオジュリエットの特別公演をやらせてもらってもいいかな? 」

 

オーナーもその場の雰囲気に流されて、快く承諾した。

 

「もちろんです、らんまさん、達也さん! お二人の公演なら、お客さんもきっと喜びますよ。こちらで準備するものがあれば言ってくださいね」

 

レストランの中央に設置された特設ステージの前では、興奮した客たちが次々と席を取り、期待に胸を膨らませていた。オレとらんまが即席の舞台で公演を行うなんて、誰もが特別な一日となることを感じていた。

 

レストランの空気は一変し、周りの客やウェイターたちがわくわくした様子でステージの準備をはじめていた。誰が従業員で客なのか、境目がない。全員が期待に胸を膨らませている中、即席で設置された小さな舞台には、急遽持ち込まれたベッドが並べられた。

 

その興奮も束の間、一人の男が立ち上がり、オレとらんまの方を真っ直ぐに見つめながら冷ややかな声を投げかけた。

 

「なんだよ、特別公演って……。ほんと、変態だな、オマエたちって演劇がなにかわかっていない。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。