女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
無事にらんまの武器『神獣の爪』が手に入った事でオレたちは密林の村を経由して、ホログラード地方へと向かっていた。長老曰く、村から北に進んだ後に大きな河を川沿いに北西へと進み、砂漠を抜けた後がホログラード地方とのことだった。まずは河に向かって北へ進んでいる。
「ひひひー、達也よりも先に強い武器が手に入っちゃったもんね」
「良かったな、らんま。気に入ってるみたいだし、手にもしっくりのサイズのようだな」
三本の爪が伸びたナックル型の武器を眺めながら満足気に歩くらんま。よほど気に入ったようだ。神殿に祀られていたというのに錆び一つない歯をしていた。その光る刃にニヤけ顔が止まらないらんま。試し斬りならぬ、試し掻きは罪のないモンスターにはやめておけよと忠告はしておいた。
半日かけて、北へ進むと長老の話どおり、河に出会した。河は泥や土が混ざり込んでいるせいで茶色がかった色をしている。このノードヴェスト大陸(北西の大陸)を東から西へと流れる河らしく大きな河だった。その河を右手にオレたちは進んだ。
景色が熱帯雨林を抜け、大きな街に変わっていく。
「えっと、あの街は……『大都アヴェン』って書いてあるな」
オレは地図を広げながら位置を確認する、ざっくりとした地図ではあるが、河沿いの街なので間違いない。
「ソイツエスト(港町)よりも大きそうだな、寄っていこうぜ」
もちろん、神斧ラブリュスは1日でも早く欲しいが、旅の寄り道に反対する気もなかった。多少はギルドで仕事を行い、旅の資金も得なければいけないし。
最初の大陸や別の大陸からの冒険者もいるのだろうか、この街の住民ではない冒険者。強そうな装備品を身につけた様々な冒険者らが大都アヴェンの通りには行き交っていた。オレたちも装備品を整えたい気持ちはあるものの、航海中の食料にあててしまったので所持ゴールドに余裕はなかった。バーサーカー時の斧を買ったとしても、神斧ラブリュスが手に入れば、用無しになってしまうのも勿体ないと思った。
術師を連れたパーティや男3女1のパーティがオレの目の前を通り過ぎた。パーティの人数は多くても4人パーティ。5人以上がつるんで歩いているようには見えなかった。ギルドで受注するクエストの報酬は人数分ではなく、あくまで1パーティにつきの報酬であるから、あまり大人数でパーティを組むと割りが合わないのだろう。比較的、男性が多いが女性も多いようだ。まだ、夕暮れまでも時間があるから、ギルドに行って、オレとらんまも仕事を探すことにした。
「あのー、オレたち、南東の大陸から来たんですけど、仕事とかありますか? なんでもやります」
「いらっしゃい。南東の大陸ね、珍しいわね、それじゃ、この大陸で倒したモンスターの名前を書いてもらっていいかしら?」
ギルドの受付のお姉さんに渡された紙に名前や年齢を記入する、職業欄にはいちおう戦士と武術家と書いておいた。続けて、討伐したモンスターの名前を書き込む、ビックマンティスとウィングサタンっと。猫魔鈴はそもそも、この世界の魔物でもなんでもないので書かない事にした。
書いた紙を渡すと、受付のお姉さんが笑った。
「ちょっと、冗談は書かないでくださいよー、困っちゃうな。あの密林の最強のコンビ・ビックマンティスとウィングサタンを倒せる冒険者がいるわけないでしょ」
「えっ……? たしかに倒しましたけど……なぁ? らんま」
「おう、たしかにオレと達也で倒したぜ、スカイラブハリケーンでな♪」
ギルド内がざわつきはじめる。オレの耳に他の冒険者らの声が聞こえてくる。
—そういえば、こないだ密林の村に行ったやつもビックマンティスとウィングサタンが南東からの冒険者に倒されたって話を耳にしたって言ってたな。
話が長引くのもアレだなとオレは早いとこ、クエストを受注してギルドから出たかったので受付のお姉さんを急かした。
「あ、それで、クエストなんですけど、どんなのがあります?」
「失礼しました。はい、どーぞ、どーぞ。どれでも好きなのを選んでください」
難易度、モンスター名、報酬ゴールドが書かれたリストからサクっと決めようとしているとカップル冒険者専用の窓口に3組ほどの男女が並んでいるのが見えた。
「カップル専用クエスト……?」
「あー、はい、あちらの窓口で発注しております。男女2人組のみでの受注となります」
「へー、面白そうじゃねーか、達也。あっちのクエストにしてみようぜ」
「さすが、ノードヴェスト大陸だな……カップル向けのクエストなんてのもあるのか」