女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
42☆.服がない?!砂漠のオアシス
「おい、達也、まだ、ホログラードには着かねぇのかよ……」
大都アヴェンから、ホログラード地方へと再び旅を開始してから一週間が過ぎようとしていた。
右も左も前も後ろも一面の砂漠を歩くオレとらんま。全身びっしょりの汗だく、喉もカラカラに乾きながら、神斧ラブリュスが祀られているという岩溶けの洞窟があるホログラード地方を目指していた。もう2日間も歩き続けている。さすがのオレたちの体力も底を尽きそうだ。
「この砂漠を抜ければ、ホログラード地方なはずなんだが…」
歩けど、歩けど、砂漠の終わりが見えてこない。
ノードヴェスト大陸(北西の大陸)は広い。最初にいた大陸の3倍以上の広大な大陸だ。砂漠を通り抜けるのにも、苦労が絶えない。4日歩けば、砂漠を抜けると教えられていたのだが。らんまが水筒に残った僅かな水を口にする。こんなに広い砂漠だったならラクダの一頭くらい手前の街で買っておけば良かったと後悔した。
「だぁー、ほんと、ノードヴェストは広いよな」
さすがのらんまもギブアップしたのか、砂丘で腰を下ろしてしまった。オレも隣に腰を下ろす。
「まぁ、あと、ちょっとのはずだからさ。がんばろうや…、それに歩く速度を落とすと余計に時間かかるだけだし」
幸いな事に砂漠の夜は短く、身体を鍛えているオレたちだからこそ、睡眠と食事以外は歩くという無茶な旅ができていた。食事といっても、この旅で何度も口にしてきた固いパンだが。飲み水も少なくなってきた状態ではリュックの荷物となっていた。
「あぁー、腹減った〜、アイスクリーム食べたいよ〜、かき氷どこ〜?」
「コンビニがあるわけないだろ?しっかりしろ、らんま」
意識が朦朧としているらんまの頰をペチペチと叩く。
「うひぃ、でも、あそこにオシアスが見えるぜ?あれも幻か」
「オアシス?そんなのあるわけ…って、あった!?」
オレとらんまはオアシスが幻でも良いと、カラカラの身体を立ち上がらせ、一目散に走りはじめた。蜃気楼のような幻のオアシスに近づくたびに、その姿がはっきりと見えてくる。
「うっひゃぁー!やったぜ、これで久しぶりに水浴びができる。ひゃっはー!」
砂丘の谷間にできたオアシスの入り口に差し掛かれば、らんまはマントとビキニアーマーを脱ぎ捨て、素っ裸になってオアシス中央の泉へと走っていく。
「らんま、ちょ、待てって」
「達也、おっ先ぃ♪」
乳をぶるんぶるんと豪快に揺らしながら走るらんまが脱ぎ散らかしたビキニアーマーやマント、荷物を拾い集めながら追いかけた。
「やれやれ……ホント、この世界でずっと女の姿なのに男のときの癖って抜けないもんだな」
と言いながらも、その恥じらいのない無防備ならんまを好きな事は否定できない。オレも泉の横で脱衣すれば、らんまに続いて泉に飛び込んだ。
「おっわー!冷たい、気持ちいい」
乾いた身体にオアシスの冷たい水が心地よい、最高にととのう瞬間。オレは腹一杯、泉の水を体内に入れる。泉の水深は2メートルほどのようだ。立ち泳ぎしていると、らんまが近づいてきた。
「こんなところ地図に載ってないからさ、書き足すべきだよな」
「それそれ。このオアシスがあるんだったら、もっと早く歩きゃ良かったぜ」
「あはははー、よく言うよ」
ただの水がこんなにも気持ちいいだなんて思わなかった。オレとらんまは潜ったりしながら、久しぶりの水浴びで爽快にリフレッシュした。
—ガサッ
「なぁ?今、あっちのほうで音しなかったか?」
「オアシスに住む小動物かなんかだろ、気にするな」
オレはそんな事は気にせずにらんまの顔に水鉄砲をかけて、この最高の水浴びを楽しんだ。
泉からあがり、水辺の荷物のところへ戻ろうとすると…。
荷物が見当たらない……。
ここに鎧やビキニアーマーと一緒に置いておいたはずなのに...ない。どこにもない!
「らんま…聞いてくれ。荷物が全部、見当たらないんだが…」
「は?! ……そんなわけねーだろ、よく探せよ」
泉の周囲をくるりと一周、見回ったが、どこにもオレたちの荷物は見当たらなかった。
考えられるのは荷物の重さによって砂の中に埋まってしまったか、盗まれたか。
そもそも砂の上に置いた記憶はなかったので、盗まれた可能性が高い。
「らんま! 盗まれたかもしれねー。泥棒はまだ、その辺にいるかもだ、探そう」
「了解だ!」
らんまはオアシスに生えていた一番、背の高いヤシの木に登る。登りきった後に周囲を見渡せば、大きい声を出した。
「あぁあーー!!あそこにラクダに乗った男どもがいる、あいつらか」
断定するのは早いが、少なくとも、人やモンスターとは遭遇もしていないので追いかける必要は大アリだった。
「待ちやがれぇええ!泥棒野郎」
素っ裸で全力疾走で追いかけるらんまに続いて、オレも走る。
なんとか、ラクダを乗った男たちに追いついた。
「やい!てめえら、オレたちの荷物、取っていっただろ」
「ふふふ…なんのことかな?」
「こいつら、オアシスで呑気に水浴びしてたバカップルですよ」
3人の男がそれぞれ、1頭ずつラクダに乗っている。頭にはターバンを巻いた浅黒い肌の男がオレたちを笑っている。態度が察するにリーダーのようだ。そのリーダーに向かって交渉してみた。
「いろいろと大事なものが入ってるんです、返してくれませんか?非常に困るんです」
「嫌だね。ははは、オマエたち、見ろよ。こいつ、勃起してるぞ」
「わはっははー、ホントだ、ホントだ。ドスケベな野郎だ」
ったく、しょうがないだろ、さっきから裸のらんまとずっと一緒にるんだから。オレは必死に両手で勃起したチンポを隠すが収まりがきかずに、この盗人たちに見られてしまう。
「おい、裸の女。オマエはエロい身体してっからさ、そんな彼氏と別れてオレたちとエッチな事して遊ぼうぜ」
「へん、断る。なぁ?達也、もう、やっちゃっていいか?オレ、我慢できないんだけど」
らんまの言うとおり、盗人、時間切れだ。
—バーサク!(狂戦士化)
瞬時にオレはバーサーカーへと姿を変えた。姿が変わった事に驚いた盗人の1人が驚いて袋をどさっと落とした。オレたちの荷物だ。オレは瞬時に袋を取り返し、中から武器・神獣のツメを取り出しらんまに投げた。
「らんま!」
「おう」
受け取ったらんまは両手に神獣のツメを装備し、全裸のまま、リーダーの男を引っ掻いていく。ラクダから落ちたリーダーの男を見下し、爪を喉元に向けるらんま。その間にオレは手下二人を片手で持ち上げ、砂面へと叩きつけた。
「兄貴ぃ!こいつら、強すぎます…」
「ははは、相手が悪かったな、オレたちは最強のバカップルだ」
「しゃーねー、奥の手だ」
リーダーの男が懐から小瓶を取り出す。
「幻獣持っているのか?らんま、気をつけろ」
らんまが小瓶を奪おうとするも、一瞬、遅れてしまった。男の小瓶からは大型のモンスターが現れていく。巨大なサンドワームだ。サンドワームは機嫌良く、砂上に飛び出した後に砂の中に隠れてしまった。全長は数十メートル級に見える。
「もう少し、オマエたちには裸のまま戦ってもらうぜ?」
「この盗人ども、幻獣持っていやがったか…油断したぜ」