※この作品はR-18です。

女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き   作:RNOVEL

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17-2.Welcome 羽和井島(後編)

「羽和井島って、聞いたことないな、地図に載っていたっけかな、そんな島」

 

オレは首を傾げながら、島の名前を口にした。しかし、止まってはいられない、先になにがあっても、更に前進するしかない。

 

道は小さな広場に通じており、そこには「売店」と書かれた古めかしい看板が掛けられた小さな建物があった。「観光案内所」と書かれた建物もある。木製の建物はやや古びているものの、かつては賑わっていたことを物語っていた。扉は開いたまま。

 

「よし、物色させてもらおうぜ。なにか食べ物があるといいな」

 

「人が住んでた気配がある?」

 

俺が軽く問いかけると、らんまは辺りを見渡しながら、手を顎に当てて遠くをじっと眺めた。

 

「あぁ、無人島だとばかり思ってたけどな」

 

「なるほど」と付け加えると、らんまはさらに話し続けた。

 

「観光地だったらしいな。なんでさびれたんだろう……」

 

「地図にもないような島だしな、観光地だったら地図に載っているはずだよ、なにかおかしいな、この島」

 

「それより、なんか食い物をはやく探そうぜ……三日間、飲まず食わずだもんな」

 

オレも無意識のうちにお腹を抑えてしまった。ぐうっと、我慢できないほどの空腹の音が、周囲の静けさを破る。

 

「あぁ、そうだな、それが最優先だ」

 

「あれ、もしかして、食いもんじゃねーか?!」

 

「うおっ、ちょっとらんま、いきなり大きな声出すなよ、ビックリするだろ」

 

「ごめんごめん、ほら、あそこの木を見てみろよ!」

 

らんまが指差した先。

 

様々な色のフルーツが実った木々があった。

 

建物の横には南国特有の木々が並び、グァバ、バナナ、パパイヤが豊富に実っていた。それらのフルーツは熟していて、色鮮やかで誘惑的だった。

 

オレとらんまは、飢えを感じていたため、見つけたフルーツを夢中になって食べ始めた。らんまは、その女らしい外見とは裏腹に、元男だけあって、食べ方がかなり大胆だ。らんまは手にしたバナナを一心不乱にかじり、グァバは半分に割ってその果肉をごろごろと口に放り込んでいた。ジュースが顎を伝って落ちるが、それすら気にせずに食べ続ける。

 

「これ、うまいぞ!達也も食えよ」

 

らんまがパパイヤを手に取り、その種と果肉を掬うようにして食べている。甘くて柔らかい果肉が手にべったりとついているが、気にする様子もなく、ただひたすらに味わっている。

 

オレもらんまに負けじとバナナを何本も食べ、その甘さに顔をほころばせた。グァバの果汁が手から滴り、地面に小さな水たまりを作っていたが、そのことも忘れるほどフルーツの味に夢中だった。

 

「たしかに甘くて美味いけどさ、そんなに食べたらお腹壊すぞ」

 

冗談を言いながらも、オレはらんまが楽しそうに食べるのを見て嬉しく思った。らんまも笑いながら、もう一つのパパイヤを手に取る。

 

「大丈夫だって、ここはフルーツの天国みたいなもんだから」

 

果実で腹を満たし、少し落ち着いたところで、互いに顔を見合わせて笑った。

 

「ま、この場所を見つけたから、当分の間、飢えに苦しむことはなさそうだな」

 

南に流されてよかった。もしも、北にでも流されていれば、こんな果実が豊富な島にはこれなかっただろう。まぁ、そもそも、寒い地方に流されれば、海の中で凍死しているだろうけど。

 

「まあ、そうだな。ある意味で新婚旅行みたいだよな」

 

オレが冗談めかして言った。らんまはクスッと笑いながら、果肉が手についたままオレに近づいてきた。

 

「ははは、達也。こんな場所で新婚旅行だなんて、夢にも思わなかったぜ」

 

そう、らんまが言いながら、オレの頬に果汁のついた手を軽く触れさせた。その行動が何とも愛らしく、自然体の魅力に改めて心が引かれる。

 

オレはらんまの手を取り、そっとその果汁を舐め取りながら、らんまの目を見つめた。

 

「そうだな、普通のカップルが新婚旅行で訪れるリゾートとは違うけど、ここはここで、オレたちだけの特別な場所だからな」

 

らんまの顔がほころび、オレの腕を引いて、もっと果実の木が茂る方へと導いた。

 

「それじゃあ、もっと探検してみようぜ。この島にはまだまだ美味いもんがたくさんあるかもしれないし、二人だけの秘密の場所をもっと見つけるんだ。新婚旅行の冒険へ出発ーっ!」

 

そうして、オレたちは手をつなぎながら木々の間を歩いていった。途中で見つけた一本の木には、黄色い花が咲いており、その下でらんまはオレを引き止めた。

 

どちらからともなく「ここでちょっと休もう」と提案し、二人で小休憩を取ることにした。風が吹くたびに花の甘い香りが空気に混じり、それがなんとも言えないロマンティックな雰囲気を醸し出していた。

 

周りは高くそびえる木々に囲まれ、黄色い花が点在する緑豊かなこの場所は、まるで絵画のように美しい。太陽は木々の間から差し込む光を地面に散りばめ、その一つ一つがキラキラと輝いている。空は青く澄み渡り、白い雲がゆっくりと天を舞っていた。ここはまさに隠れた楽園のようで、オレたち二人だけの特別な場所に思えた。

 

らんまと手をつなぎながら木の根元に腰を下ろすと、ふわっと花の香りが風に乗ってオレたちの元へと届いた。その香りは甘く、心地よいリラックス感を与えてくれる。木の根はしっかりと地面に根を張り、その大きな木の安定感が、どこか心を落ち着かせる。らんまはオレの隣に寄り添い、その頭をオレの肩に乗せた。

 

【挿絵表示】

 

「こうやって自然の中でゆっくりするのも久しぶりだな」

 

らんまの声は穏やかで、その音色には柔らかさがあった。

 

オレはうなずきながら、周りを見渡した。ここは本当に美しく、静かで、時が止まったような感覚にさせられる。木々の間から聞こえる鳥の声、遠くで聞こえる海の波の音、そして風が木々を通り抜けるささやき声が、すべてが調和している。

 

オレはらんまの手を握りしめ、静かにうなずいた。

 

「うん、俺もだよ。らんまと一緒にこうしていられるだけで、全てが報われる気がする」

 

そう、オレが答えると、らんまはゆっくりと目を閉じ、その手を強く握り返してきた。こうしてオレたちは、新婚のような甘い気分を味わいながら、無人島での一時を心から楽しんだ。

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