女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
島に漂流されてから数週間後のある日。オレとらんまは島の朝の光を浴びながら、手をつないでフルーツを摘みに行った。島には様々なフルーツが自生しており、その色とりどりの実たちは、まるで宝石のように輝いていた。
「達也、見てくれよ!このパパイヤ、めちゃくちゃ大きいな?」
らんまが大きなパパイヤを指差しながら言った。その顔には冒険に出た子供のような無邪気な笑顔が広がっていた。
「おう、そうだな。ジューシーで美味そう。朝食にぴったりかも」
オレは笑いながら応じ、そのパパイヤを丁寧に摘んだ。
摘んだフルーツを籠に入れながら、二人で島を散策する。朝の柔らかい日差しの中、さわやかな風が海から吹いてきて、オレたちの髪を優しく撫でた。
この島で暮らし始めてから、もう数週間になる。下手すると、一ヶ月経っているかもしれない、さすがに二ヶ月はないだろうけど。それくらい日付の感覚がなくなっていた。毎日、らんまと太陽を目覚ましに起きて、新婚気分のまま、セックスをする。今日のようにフルーツ狩に出かけたり、魚を捕まえたり、山菜や獣肉を食べることもある。夜は当然のように星空の下でセックスをしまくっている。
助けがこないとはいえ、どこかで、このまま、らんまと人生を終わらせても良い。そんな気分になってしまっていた。
それは、らんまも同じで、二人の会話にソイツェストの家に帰ろうという話も出なくなっていた。
「達也、あそこの建物の中、また、物色してみるか。昔、観光地だったって話だろ?」
らんまが指さす方を見ると、かつてはきっと賑わっていたであろう、古びた建物が見えた。それは島の中でも一際大きく、荒れ果ててはいたが、どこか威厳を感じさせる佇まいだった。サンオイルや櫓を作るときに使ったスコップなど、様々なものを見つけた場所だ。まぁ、見つけたというよりも借りたというのが健全だろうが。
「ああ、行ってみようか。何か面白いものが残っているかもしれないしな」
オレは提案に賛成し、らんまの後を追い、その方向へと歩き始めた。
「すごいな、達也。この島も昔、人でいっぱいだったと思うとワクワクしないか?」
「おう、そうだな。今はもう誰もいないけど、この建物にはたくさんの思い出が詰まってるんだろうな」
建物の中を入念に探索したが、新しいものや、島での暮らしに必要なものは特に見つからなかった。ほこりまみれの本棚を手で払いながら、らんまが何かを見つけたようだった。
「ん?日誌……?」
らんまが手に取ったのは、古びた日誌だった。表紙はボロボロで、中身もかなり傷んでいたが、まだ読むことができる状態にあった。
オレが近づきながら見守る中、らんまはページをめくり、ある記録に目を留めた。
「達也、これ聞いてくれよ……」
一九九〇年七月二十三日、快晴と書かれていたページから、らんまは読み始める。
「男子従業員の反乱──この羽和井島はいよいよ終わりだ。この島のすべての食べ物は汚染されている。この熱病の原因はアロハ病原体だって……」
らんまが読み上げるたびに、オレの背筋が寒くなる。島全体が汚染されているなんて、まさにサバイバルの悪夢だ。
「熱病……」
「アロハ病原体?!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。それ本当か?アロハ病原体って何だ?」
オレは日誌をらんまから受け取り、その部分を自分の目で確かめた。
その文字は、確かにそこに書かれていた。食べ物が汚染され、病原体が原因であるという記述。しかし、具体的な説明は何も記されていなかった。
「なんだよこれ……マジでか?じゃあ、オレたちが食べてるフルーツも、魚も……全部アウトってことか?」
「どうすんだよこれ。でもさ、今のところオレたち、何ともないよな?」
「ああ、でも、何かおかしいと思ってたんだ。最近、体調がちょっと変だと思ってたんだよな……」
らんまがそう言うと、オレも自分の体を意識的に感じてみた。確かに、些細なことかもしれないが、少し熱っぽさを感じることがあった。
「オレもなにか、この島に来て変わったことあるか?」
らんまがオレを見つめ、その目には不安があふれていた。
「そういえば……」