女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
翌朝、オレとらんまは早起きして、再び古い建物を訪れた。昨日発見した日誌の情報を頭に置きながら、何か他の手がかりがないかを探すためだ。朝日が建物の壊れた窓ガラスを通して中に差し込み、埃っぽい空気の中で光が輝いていた。
「昨日見落としたところがないか、もう一度よく探そう」
らんまがそう言いながら、早速昨日調べた書類の山に再び手を付け始めた。オレもらんまの隣で、開けていなかった引き出しやロッカーを開けてみる。古い書類や記録がいくつか出てきたが、昨日見たものと同じような内容ばかりだった。
「なんだか、全部が全部、昔の観光案内ばっかりだな」
「うん、それに何か変なの。ここに隠された情報がある気がしてならないんだ。」
探索を続けていると、らんまが奥の部屋の隅にある古い木箱を見つけた。箱はかなり古く、蓋が固く閉じられていたが、らんまは手近にあった棒を使って無理やり開けようとしはじめた。
しかし、蓋はビクともしなかった。顔に苛立ちが浮かび、汗が額に滲んでいるのが見えた。
「んぎぎぎぎ……はぁはぁ、ダメだ。ちくしょう、全然動かねぇ……おい、達也、ちょっと変わってくれ」
らんまが放り投げた棒を受け取るオレ。女の姿のときのらんまは男のときの乱馬に比べて貧力だ。バトルのときは俊敏性や持ち前の格闘センスでカバーしてはいるものの。腕力そのものは、一般的な女性とはそれほど大差はない。もう、男に戻らなくなって、ずいぶんと日が経っているが、自分の腕力のなさに時折、苛立っている様子が見て取れる。
オレがその棒を受け取ると、らんまの試みを参考にしながらもう一度同じ方法で蓋をこじ開けようとした。けれど、どうやっても蓋は微動だにしなかった。力を入れすぎて、棒が少し曲がってしまったくらいだ。
「くそっ、固すぎるな、これ……!」
オレが力を込めても、蓋はまるで鉄壁のように閉ざされている。オレたちは互いに顔を見合わせ、短い息をついた。
「どうする、らんま?これ、普通の方法じゃ開かないみたいだぞ」
らんまは考え込むように眉を寄せた後、ふと何かを思いついたように目を輝かせた。
「達也が久しぶりにバーサーカーになって開ければいいんじゃないか?」
「えっ?!バーサーカー?」
そう、狂戦士(バーサーカー)は、この異世界にらんまと転移してきたときに、最初にオレが変身できるようになった姿だ。髪が白くなり、体毛が伸び、身体も大きくなる。勇者の力を手に入れてからは魔法と剣技中心で戦えるようになったため、しばらく、あの姿にはなっていなかった。
「いいけどよ、あんまり、あの姿、好きじゃないんだよな……」
「ま、つべこべ言わずに、やってみろよ」
らんまがニヤリと笑い、まるで大事件の前触れのように、その場でブラジャーを外した。大胆な行動に、オレは目を丸くする。突然の展開に、反応する間もなく、らんまの生乳が目の前に露わになった。ぷるんっと現れるらんまの生乳。
「わぉおーーん!」
思わず、狼のような雄叫びを上げてしまうオレ。その声と同時に、体が熱くなり、感じる力が急激に増していくのを感じた。髪が一瞬にして白くなり、体中の毛が伸び、筋肉が膨張していく。
「へっへへ。大成功だぜ。達也はオレの乳見ただけで、ビンビンに勃起して欲情しちゃうもんな」
らんまがオレの変化を確認すると、満足げに笑った。バーサーカーとしてのオレは、通常時の何倍もの力を持ち、肌は青白く光り、目は赤く燃えるように輝いている。
「久しぶりの変身なんだから、もっと、格好よく変身したかったぜ。まぁ、しょうがない。いくぜ、らんま!」
バーサーカー化したオレは、もはや何の躊躇もなく、力強く木箱に手をかけた。普通の時には全く動かなかった蓋が、今度は音を立てて簡単に開いた。さすがだ。これぞ、狂戦士の力。普段のときの腕力の何倍にもなっている。
「やったな、達也! これで何か手がかりが見つかるかもしれない!」
「おう、任せろ!」
バーサーカーの力を解放して、オレは再び普通の姿に戻った。らんまがブラジャーを手に取り、また着けると、らんまはクスッと笑いながらオレを見た。
「達也、たまにはあんな姿もいいじゃないか?」
「はは、お前のそういうところがたまには……な。」
箱の中には、島の歴史に関する書籍や古い写真、そしていくつかの個人の日記が入っていた。らんまが一冊の日記を手に取り、ページをめくり始めた。その日記には、島の日常や事件、さらには病原体の発生に関する詳細な記述があった。
「これ、見てみて、達也。ここに『アロハ病原体による集団感染、そしてその奇妙な症状』って書いてある」
「え、本当か?どんな症状が書いてあるんだ?」
らんまはその部分を読み上げた。
「感染した者は異常なまでに陽気で、恋愛感情が高まる。現実感が低下し、ただただ幸せな気分に浸ってしまうと…」
「それって、まさにオレたちが感じてることじゃないか…」
「だな。これは……」
らんまも顔をしかめてオレを見た。
顔を見合わせたまま沈黙するオレたち。この島の病原体が、まるでオレたちを別世界に引き込んでいるような感覚。それが恐怖とともに現実味を帯びてきた。たしかに、無人島でサバイバル生活を送っているのに、不思議と不安感はなくなっていた。不安感がなくなったのは、この島のフルーツを食べてからだ。
「達也、これは…オレたち、本当にこのままでいいのかな?」
「わからない…でも、とりあえずこの情報を元に、どう対処すればいいのか考えるしかないな。」
二人は決意を新たにし、さらに情報を集めるために建物の残りの部分を調べ続けた。この症状が進行するとどうなるのか、そして何より、この島から脱出する方法がないかを探し続けるのだった。
「やっぱり、この島に居続けるのは危ない。とにかく、脱出できる手段を探そう!」