女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
オレとらんまで茶番をしている間に猿たちの中でもひときわ目立つボス猿が、頭にかぶったらんまのブラジャーを揺らしながら、どこからともなくウェディングドレスを持ってきた。その様子を見て、オレは思わず目を見開く。
「なんだよ、今度は花嫁衣装か?!」
らんまもその異様な光景に驚き、怒りを露わにする。ボス猿はウェディングドレスをらんまに差し出し、まるで「これを着ろ」と言わんばかりの仕草をする。
「げっ?!花嫁衣装?誰が、スケベ猿の嫁になるかよ!!オレは達也の嫁だ!!」
らんまは拳を振り上げ、ボス猿に向かって突進する。その勢いに押され、ボス猿は後ずさりしながらも、必死にウェディングドレスをらんまに押し付けようとしている。
「おい、らんま、こいつら本当に頭おかしいんじゃねえか?」
「そりゃそうだろ!こんなことする猿なんか見たことねえよ!」
オレも猿たちを殴り飛ばしながら、らんまの怒りを感じ取っていた。猿たちは全員、らんまを狙い続け、しつこくまとわりついてくる。
「オレはお前の嫁だ、猿の嫁になるわけねえだろ!」らんまは叫びながら、ボス猿を蹴り飛ばす。ボス猿は地面に倒れ、ウェディングドレスが宙を舞う。
しかし、猿たちは、しぶとい。倒されても何度でも立ち直り、こちらに向かってくる。まるでゾンビのようでもある。
数十のオス猿。この島でかつて起きた男性従業員の反乱。アロハ病原体。
「よし、らんま!もう、この先が温泉だ。あそこまで、まず、逃げよう」
「わ、わかった!けど、逃げた後、どうするんだ?こいつら、しつこいぞ。ダンジョンに入られたらまずいだろ」
「温泉についたら、こいつら、全員、湯に突き落とすんだ」
「……なるほどな、よーし、やってみるか、一か八か」
らんまとオレは、猿たちの奇声を背に受けながら温泉へと駆け出した。足元のぬかるみに注意しながらも、猿たちの執拗な追撃をかわし、ついに温泉にたどり着く。らんまは肩で息をしながら、オレに頷いてみせた。
「準備はいいか、らんま?」
「ああ、猿ども全員湯に突っ込んでやる!」
らんまは拳を握りしめ、迫ってくる猿たちに向かって突進した。オレもその横で、猿たちを次々と温泉に投げ込んでいく。らんまの強烈な蹴りとオレの投げ技で、猿たちは次々と湯の中へ放り込まれる。抵抗するものもいるが、オレたちは素早い連携で次々と猿たちを湯に放り込んでいった。
「よし、全員入ったな!」
らんまがそう叫び、オレも一息ついたところで、湯に入った猿たちの様子が変わり始める。やはり、予想どおりだ。毛が抜け落ち、猿たちの体がみるみるうちに人間の姿に戻っていく。次第に男たちの姿が現れ、オレたちを見上げている。
「くそっ、なんだこれ……」
驚きの声が湯船から上がると、男たちは口々にオレたちに向かって謝り始めた。
「すまない!オレたちは、ここの従業員なんだが、アロハ病原体に感染してしまって……」
「それであんなことに……。本当に申し訳ない……」
「くそっ、まったく厄介な病原体にかかっちまったな。もう何が起きてるのか、わからなかったんだ……」
らんまが腕を組みながら、湯船に浮かぶ男たちに鋭い視線を投げかける。
「ったく、こいつらには手を焼いたぜ。でも、戻ったなら、きちんと自分で責任取れよな?」
「その通りだ。迷惑かけたんだからな」
男たちは深く頭を下げる。再び正常に戻った男たちは、しばらく湯に浸かりながら、ようやく正気を取り戻した。オレたちも彼らが落ち着くのを見て、ほっとしたように肩を並べて立ち尽くす。
従業員たちが深々と頭を下げる中、オレとらんまは湯船にいる猿…いや、元猿たちを見渡した。らんまが鋭い目で、ブラジャーを頭にかぶっていた従業員を指差す。
「おい、そこのおまえ。オレのブラ、返せよな。」
従業員はビクッとしながらも、頭からブラジャーを外し、恐る恐るらんまに差し出した。
「す、すみません。これをどうぞ…」
らんまはそれをひったくるように取り戻し、湯船から上がってさっさと身につけた。
「ふう、やっぱしっくりくるな。おまえら、反省してちゃんとやってけよな?」
従業員たちは再び頭を下げ、その後一人ずつ湯船から出て立ち去った。オレたちは彼らが去るのを見届け、周囲を警戒しながら偶像の近くに歩み寄った。オレがらんまに問いかける。
「さて、らんま。どうする、こいつを動かしてみるか?」
「ああ。ギルドマスターに聞いたとおりだ。こいつを動かせば、ダンジョンへの道が開くってさ、やってみようぜ」
オレたちは偶像に手をかけてゆっくりと押し動かす。すると、ゴゴゴと重々しい音を立てて、地面が開いていく。深い闇の奥から、ひんやりとした空気が吹き上げてきた。
「やっぱりな、ここにダンジョンが隠れてたってわけだ」