女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
51.特命係、出陣せよ
次の日、どうすればいいか迷ったがベリーヌにだけは素直に話しておくべきかと思い、オレらんま、ベリーヌの三人だけで話す事となった。こういうときに、ちゃんと話さないのは良くない。自分の過ちは言いにくい事でも、ちゃんと言っておかないと。
「はっはははは!とんだドスケベ野郎だったんだな、面白い、面白い。久しぶりに楽しい試合を見せてもらったよ」
いけ好かない金髪野郎がさらにいけ好かなくなったが悪いのはオレだ。受け止めなければ。
「まあ、でも、あのムースを一瞬にして部屋に閉じ込める。つまりは達也は僕が思うよりも、けっこう強いんだね。いいよ、僕が知っている事は全部、話してあげよう。ただし…」
「ただし…?」
まさか、らんまを嫁にくれとか、また言い出すんじゃないのか?こいつ。
「そうだね、キミたち二人をこのベリーヌ騎士団の特命係に任命する。今日から、僕の手足となり働くのだ」
特命係って相棒かよ?らんまが右京さんで、オレが代わる代わるの相棒役?
ベリーヌは知っている事を包み隠さずに教えてくれた。ベリーヌから宝玉を盗んだのは、どうやら八宝斎で色は橙とのことだった。オレたちを捉えたのは宝玉を持っていたからであり、少々、無礼なことをしてすまなかったと謝られてしまった。
七つの宝玉はベリーヌの先祖が魔王を倒した後に、その力を封印したものとのことだった。つまりはベリーヌの先祖は勇者であり、今の地位は公爵。
どれだけ、この世界でチートな設定なのだとツッコミ入れたくなった。ベリーヌとしても八宝斎に魔王を復活させられると困るわけで、七つの宝玉を手に入れ、再び、封印させたいとのことだった。それはオレたちの意思とも合致した。
そこでベリーヌ騎士団「特命係」に任命されたオレたちの役目は宝玉を手に入れたら、この屋敷へと持って帰る事となった。ベリーヌの手足となって行動するのは気に食わないがしょうがない。そもそも、オレは今、いろいろとワガママを言える身分ではないし……。
「まぁ、キミたちの旅も僕の助力があれば楽になるとおもうよ、はい、これ」
ベリーヌはオレになにかの証明書のようなものを渡してきた。
「それは、どこの宿屋でも無料で泊まれるパスだ。気にせずに使ってくれ。僕の大事なお嫁さんに野宿は似合わないからね」
金髪いけ好かない野郎は、まだ、らんまのことは諦めていなかったようだ。
「それから、屋敷の装備庫で好きなものを持っていくがいい」
いちおうは素直にありがとうございますとは言っておいた。小声で。
「それで、宝玉なんですけど、残りの宝玉はどこにあるんですか?」
「それがね、騎士団が総力をあげて調べているんだけど、まだわからないんだよ。宝玉はどこか強力なモンスターや妖魔の力へと変わっているはずなんだけどね。そうそう、キミたちが持っている二つの宝玉のどちらかは、僕に渡しておいてくれ。リスクは分散しておかなければね」
ベリーヌの言うとおり、それは賛成だった。もしも、八宝斎がオレたちから奪われると七つ揃ってしまう可能性は高いから。金髪いけ好かない野郎だけど、勇者の血筋なだけあって、少しは考えられるみたいだな。言われるままに青い宝玉をベリーヌに渡した。赤い宝玉はらんまが引き続き、持つ事となった。
「では、ベリーヌ騎士団・特命係出陣せよ!」
やっぱり、金髪いけ好かない野郎だ。
オレとらんまはベリーヌ騎士団の装備庫に行き、装備を整える事にした。バーサーカー化すれば鋼鉄の肉体となるし、らんまには魔法攻撃を無効化するあぶない水着があるが、ベリーヌ直属の特命係という事でプラチナメイル(白金素材の鎧)を着る事となった。らんまは下着がわりに中にあぶない水着を着た。長らくビキニアーマー姿であったが、オレと同じ鎧装備になった。
鏡で見合わせるとお揃いの鎧姿が映り、少しは嬉しい。ただ、胸当てについたベリーヌ(Verrine)のイニシャルマークであろう「V」のデザインは最高にダサかった。
神斧ラブリュスがあるのでスケルトンの剣はこの装備庫に保管してもらう事にした。オークを倒したナイフは引き続き、腰に付けたままにした。
装備を整え終われば、これだけ大勢の騎士団と八宝斎に対抗できる事が少しは心強かった。そういえば、この街の名前を聞いていなかったなと騎士団の人に聞いてみた。
「ここですか? ベリーヌランドと言います」
オレはそのまま過ぎる名前に笑いがこみあげてきた。でも、吹いたら、まずいと必死に堪える。でも、金髪いけ好かない野郎がつけたんじゃなくて勇者様が付けたのかな。どっちにしろ、最高にダサい名前だった。
でも、一発で覚えた。