※この作品はR-18です。

女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き   作:RNOVEL

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第二部・アマゾネス編
2-3.年の数茸


■女らんまと異世界冒険記・第二部『THE REUNION OF LEGENDS』

~アマゾネス編~

 

 今日は珍しい客が喫茶店PANDに訪れていた。客というには取り巻きが多すぎだが。15時の閉店後に話をさせてほしいとの事で閉店後に店の一番大きいテーブルをらんまも含めて、囲んだ。

 

「いきなり来て、驚かせてすまない。今日はらんまちゃんと達也くんにお願いがあって来たんだ」

 

 金髪の男がサングラスを取り、青い瞳をきらっと輝かせた。このグレス大陸で有名な貴族でもあり、伝説の勇者の末裔でもあるベリーヌ公爵だ。勇者の末裔としては物足りない戦闘力ではあるが、先の魔王島での戦闘ではオレたちを攻撃魔法で援護してくれた男だ。

 

 見た目は少女漫画の憧れの人といった金髪に青い瞳、長い睫毛、長い手足の容姿。オレにとっては、とてもイケ好かない野郎だ。とは言っても話がわからない男ではない。

 

 その男が直々に相談後があって訪ねてきたので聞かないわけにはいかなかった。この喫茶店の建築や開業費用も融資してもらったわけだし。

 

「次はもうちょっと、取り巻きの数は減らしてきてくれると有難いんだけどな♪」

 

 らんまが冗談交じりに取り巻きの騎士団の連中の数を指摘する。普段は鎧姿で過ごしている騎士団の連中の黒スーツ姿が、とてもぎこちない。

 

「それで、今日は直々にどんな用事で来たのですか? 公爵自らが出向くなんて余程のことでしょう」

 

 敬語を使わないといけない間柄でもないのだが、取り巻きの数の多さと有名人具合に丁寧な言葉で聞いてみた。

 

「世界地図で南方に位置する諸島の島に女性だけの戦闘部族・アマゾネスがいる島、アマゾネス島があるのは知ってるかね?」

「あ、はい。名前とおおよその位置くらいは……」

 

【挿絵表示】

 

 この世界での暮らしも長くなってきたので世界地図に記されている島や街の位置関係、それと国の名前くらいはオレも把握していた。店の壁にも大きな世界地図を飾ってある。

 

「そこのアマゾネスの村がモンスターに襲われたとの情報が入り、至急、支援の部隊を送ることになったんだ」

「ん? アマゾネスの部族といえば屈強な女戦士や高い魔力を持つ女魔術師で構成されていると聞きましたが。それがモンスターに襲われたと?」

 

 これも魔王討伐後にオレが得た知識のひとつ。アマゾネスは高い戦闘力を持っている。並のモンスターに苦戦するような戦士たちではない。その村が襲われたという事はかなり強力なモンスターなのであろう。

 

「そうなんだ。かなり強力なモンスター軍のようだ。まだ確定ではないが、もともと島にいたモンスターたちではなく、魔王軍の可能性もあると僕は睨んでいるんだ」

「魔王軍……」

 

 オレとらんまにも緊張が走る。数ヶ月前の魔王との戦いでは島で、その魔王軍のモンスターらと交戦した事も記憶に新しい。通常のモンスターとは違って、目が血走り、同種のモンスターよりも跳ね上がった戦闘力を持つ魔物、それが魔王軍のモンスターだ。

 

「宝玉の在り処も含め、再確認したところね……どうやら、アマゾネスと交戦している、そのモンスターたちにあるようなのだよね」

 

 オレたちが苦労に苦労を重ね、集めた宝玉は魔王サキュバスを討伐した後、再び、世界に散らばった。モンスターがそれを手に入れれば、強大なエネルギーが加わる。すべての宝玉を集め直してしまえばいいのだが、それだと、もう一度、魔王が復活してしまう危険性が上がるため、宝玉は野放しにしなければいけないのが現状だ。ただ、ベリーヌ騎士団には宝玉の在り処を占える術を使える術師がいるため、宝玉を誰かが集めはじめたりすれば、オレたちも動く取り決めとなっていた。

 

「急なお願いで済まないのだが、明日、この港町ソイツェストにアマゾネス島からの定期交流船が来航するから、その船に乗って、アマゾネスの戦闘に加わってほしい。それで、モンスター討伐後には、極秘任務として宝玉を持ち帰ってきてほしいんだ。アマゾネスには話はつけてある。」

「ふーーん、じゃあ、このクエストはらんまだけだな。」

「へっ? なんで? オレだけ?」

「だって、アマゾネス島には男は入れないもん、その掟をもう何百年も守ってきてる部族だぜ? いくら、モンスターに襲われているからといって、男の戦士を島に入れるとは思えないな」

「そう、達也くんの言うとおりだ」

「ちぇっ、また、達也と冒険ができると思ったのな〜」

 

 またオレと冒険したいと言ってくれる、それだけで十分な言葉だった。オレはこの喫茶店PANDがあるから、らんまの帰りの無事を待ってるよ。

 

「ただね……宝玉を持ったモンスターの討伐にはらんまちゃんだけでは、とは僕らも思ったので、こんなアイテムを用意したんだ」

 

 ベリーヌの青い瞳がキランと光る。なにを用意したんだろうか。

 

「それではアレを出してくれ」

 

 ベリーヌが団員に合図すると団員がテーブルの上に、4つのキノコを広げた。指の爪サイズの小さなキノコとオレの手の平よりも大きいサイズのキノコが2つづつ。はて、なんだ、これ。

 

「あー、これ、知ってるぜ。昔にオレも食ったことある『年の数茸』だ」

 

 このキノコに見覚えがあったらんまは指を指して、キノコの名称を口にした。

 

 年の数茸……思い出した! 食べた大きさによって年齢が変わるキノコ。5センチのサイズを食べれば5歳に、10センチのサイズを食べれば10歳の年齢の姿に変わる。元に戻るには自分の本当の年齢のサイズを食べるしかないというキノコ。身体の大きさは子供になっても精神年齢はそのままという代物だ。

 

 らんまが食べた事あるのは、元の世界にいた頃の話だと思う。あのときに、らんまによく似た可愛い少女に道ですれ違った。後で話を聞くと、この『年の数茸』で小さくなっていたんだと聞いたんだっけ。

 

「これはね、僕が苦労して、隠居生活を送っている山奥の賢者さんからもらってきた貴重なものなんだ。この『年の数茸』を食べて、達也くんにもアマゾネスの島へ同行してもらいたいん。やってくれるかな?」

「んぅう? オレが『年の数茸』を食べて同行する? まだ話が読めないんですけど」

「勘の良い達也くんなら気づくと思ったんだけど、そこまではアマゾネスの部族に対して知識はなかったかな?」

 

 こういう口の聞き方が勇者の末裔と言えども、イケ好かないのだが、無知は無知なのでオレは大人しくベリーヌの説明に耳を傾けた。

 

「アマゾネスたちは島で生まれた子が女の子なら、そのまま、島で戦士として育てるのだけど、男の子が生まれたら、2歳までは育てて、それ以降は他の国や街の孤児院に送るという事になっているんだ。つまりは2歳までなら、男の子がアマゾネスの島にいても問題はないってことさ。この『年の数茸』も貴重で4つしか手に入らなかったから、男の戦士を一人送り込むなら、達也くん以外いないという事になったのだよ」

「オレが2歳未満の子供の姿になって、アマゾネス島に行く〜?」

 

 あまりの要求に目を丸くして驚いた。驚いているオレの前で、また、なにやら珍しいアイテムをテーブルに並べはじめた。

 

「ま、そういうだろうと思って、この旅にはこんなアイテムも用意させてもらった」

 

 ベリーヌが並べはじめたのは200mlサイズの牛乳パック、2つ。パックには『健康母乳促進剤』と書かれている。

 

「子供の身体だと、固い食べ物は食べれないからね、この『健康母乳促進剤』でらんまちゃんに母乳を出してもらうが良いよ」

 

 オレはテーブルから立ち上がった。もちろん、アソコもビンビンに立ち上がっている。立ち上がって、ベリーヌに握手をした。

 

「お任せを! この任務お任せを。必ずやこの勇者・達也がアマゾネス島をモンスターから守って、見事、宝玉を公爵の元へと持ち帰ります」

「ちょっと待て、オレこんなの飲まねえぞー、だいたい、妊娠してないんだから母乳でるわけないだろーが」

「ふふふ、大丈夫、大丈夫。それは妊娠していなくても飲んだ数分後には母乳がちゃんと出るドリンクなんだ。それに二人はもう夫婦なんだから、別に変な事でもないだろ?」

「んぅ、こいつらめぇ……」

 

 ベリーヌのやつ、オレの扱いがうまくなったな。

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