女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
翌日もその翌日も、オレは託児所で留守番。らんまたちはアマゾネス軍に加わり、モンスター軍との戦闘を繰り広げていた。このアマゾネスの島へ来てから、ホントにオレは役立たずだ。こうやって朝は託児所に送られて、1日の半分を寝て過ごす。身体の小ささのせいか、すぐに眠くなるのでそこは困らないのだが、正直、居た堪れない気分になっていた。いい加減、モンスターと戦いたくなってくる。
しかし、その日は昼頃に託児所内でも珍しく係の人らの会話の中にモンスター軍との戦闘の話が含まれていた。片一方のメガネをかけたアマゾネスは受付のお姉さんだ。たしか、名前はソーニャ。
「グレス大陸からの援軍からの戦士たちはぜんぜん使いものになる戦士はいないのですが。ただ、ひとり、らんまという女戦士の戦闘力が頭ひとつ抜けておりまして、もしかすると、将軍の強さをも越えているかもしれません」
「将軍の強さを? そんなバカな。男の戦士なら、まだしも、女の戦士でこの世界で将軍以上の強さを持つ女などもいないはずです」
「ですが、かなりの戦果をあげています。モンスター軍を制圧するのも、もう時間の問題かと……」
将軍という人は前線に出ているのでオレは会ったことないが、その呼ばれ方や信頼から察するにアマゾネス軍のリーダーなのだろう。この村に来たときに村長からの挨拶もないままにオレはこの託児所へ、らんまたちは軍に加わったので、リーダーが村の長も兼任しているかもしれない。それにしても、オレのらんまはホントに強いんだな。今日、帰ってきたら、らんまに噂されてたぞって報告してやろう。
◆◇◆◇
夕方になり、コテージへ帰るためにらんまが迎えに来てくれた。ここ数日と同じようにベビーカーに乗り、らんまとコテージへ帰る。
コテージに着き、二人きりになったところでオレは託児所で聞いた会話をらんまに伝えようとしたところ、コテージをノックする音が聞こえた。
「コンコン、らんまさんいますか?」
「はーい、いるぜー。どうぞ」
「失礼します。今日も戦いお疲れ様でした。ホント、らんまさんすっごく強いんですね」
見るからに真面目そうなメガネのアマゾネス・ソーニャがらんまを褒めている。元男だからなのか、らんまも女性に褒められると一層照れているように見えた。
「いや〜、それほどでも」
ポリポリと頭をかくらんま。
「戦いでお疲れでしょう。なので、良ければ、村の裏の温泉に入ってください。効能満点の温泉ですので疲れも、ぐっと取れますよ」
「あ、いや、オレはその温泉はちょっと苦手で……」
ん?らんまが温泉が苦手?そんなの聞いた事ないぞ
「いえいえ、私たちと入るのが苦手な事は知っています。お子さんと二人きりで、良ければ入ってください。これ、鍵です」
「はぁ……わかりました。ありがとう、それじゃお言葉に甘えて……」
らんまが鍵を受け取るとソーニャがコテージから出ていった。
「温泉貸切だってさ、どうする?行くか?」
「らんまと一緒なら、行くに決まってるじゃないか。行く!行く。でも、なんで温泉断ってたんだ?」
「オ、オレだって、やっぱさ、女たちと入るのは恥ずかしいっていうかさ、色々あるんだよ!」
元男だからこその複雑な心理なのか、そこは触れずにオレたちは村の裏にある温泉に向かうための着替えや荷物の準備をした。もしも、行きや帰りに敵が出てくる可能性もあるかもしれないので武器も持っていく事にした。珍しくベビーカーではなく、らんまは抱っこでオレを連れていってくれた。ビキニアーマーごしのらんまの乳に密着する。
「バカ、あんまりくっつくなよ、恥ずかしいだろーが」
「いいじゃないか、いいじゃないか、子供役なんだしさ」
抱っこされちまえば、こっちのもんだ。オレはらんまの胸におかまいなく密着を深めた。
ソーニャにもらった地図を頼りに脱衣所に着けば、荷物を置き、防具を脱ぎ、裸となったらんまはオレを抱えて、浴場へと入っていった。森の中にある温泉浴場はアマゾネスたちの戦いを癒すための空間といった感じで、シャンプーやリンスなども充実した小綺麗な温泉だった。綺麗に清掃もされている。
椅子に座らされ、らんまに身体を洗われた。1歳児の体型なので身体がムチムチしていて、手足はちぎりパンみたいになっている。がさつに洗われるもオレの身体はビンビンに反応してしまっていると、らんまにザブーンと頭から桶いっぱいの湯をかけられた。
「ぶはっ!らんま、死んじゃうだろうが」
「はっははははー、そんな事で死ぬやつなわけないだろうが」
オレたちは久しぶりにコテージの外で会話をして楽しんだ、らんまも身体を洗い、オレを抱きかかえて、温泉に浸かった。
「しっかし、この世界はどこにても月や夜空が綺麗だな〜」
らんまが温泉に浸り、岩場によりかかり月を眺めた。たしかにこの世界はどこにいても月や星が綺麗だ。
オレたちがまったりと温泉で疲れを癒していると浴場の外から多大な魔力を感じた。この魔力、以前にも遭遇した事がある魔力だ。
「らんま……!」
「おう、わかってるぜ、このイヤな感じ……」
暗がりの森側から山羊の仮面が現れた。忘れもしないあの仮面……魔道士ゼノリスだ。