女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
2-8☆.追いかけっこ
その日は珍しく、港町ソイツェストに雨が降っていた。窓の外ではチラホラと傘をさしている住民がいる。一粒一粒、形が目で確かめられるほどの大粒の雨が地面を叩いていた。
どたたた、と喫茶PANDの二階の廊下にらんまの足音が鳴り響く。喫茶PANDは二階がオレたちの住む居住スペースであり、一階が店舗部分だ。地下には倉庫や運動用のリングも併設してある。
「待て、らんまぁ!」
「やだっ!! 絶対、やだっ!」
「朝っぱらから上半身裸でウロウロされると、こちとら、仕事前なのにムラムラしちまって、しょうがねーんだよ!」
上半身裸で下半身は男モノトランクスだけのらんまが廊下を逃げ回っている。朝から乳を丸出しにしていて、一向に女性モノ下着を着用しないらんまに、オレはブラジャーを着けさせるべく、追いかけまわしていたのだった。
らんまは首からスポーツタオルをぶらさげていて、その隙間からはピンク色の乳首が見え隠れしている。青いラインが左右と腰部分にデザインされた淡い橙色の男性用トランクスを履いているだけのらんまが断固、ブラの着用を拒否した。
「だからって、なんで、オレがブラジャーなんか。絶対、着けるもんかってんだ」
「往生際、悪いぞ、らんまぁ! 前から言ってるけど、型くずれも気になるだろうが。今日こそはブラジャー着けてやっからな!」
「うるせぇっ! オレの乳は美乳でい。ブラジャーなんか、着けなくたって」
オレは声を荒げ、ブラジャーを高く掲げて、らんまに襲いかかると寸前で避けられてしまった。オレの突進を交わしたらんまは、オレの頭を空中で踏んづける。
「ぎゃふっ」
そのまま、らんまは左太ももをあげ、駆け上がるような姿勢で飛び上がり、来た廊下を戻っていった。
「こら、らんま! 待ちやがれーっ」
「へっ! 捕まるかよ、こっこまでおいでーだ。ベロベロベー!」
左右の人差し指で口を広げて、舌をだしたイタズラ顔のらんまが逃げていく。
壁掛けの時計で時間を確認すると、店の営業が始まるまで、あと30分もない。今日は雨が降っているので、いきなり大勢の客が来店する事はないだろうが、それでも常連客の1、2組くらいは来店するだろう。アンナミラーズ風のウェイトレス服を着たらんまは最高に可愛いからな。むしろ、雨で客が少ないからこそ、今日はらんまといっぱい喋れるチャンスと思ってくる客も多いだろう。
アンナミラーズ風のウェイトレス服は特注で街の裁縫屋に作ってもらった。裁縫屋から受け取ったその日は、すぐにらんまに試着してもらい、そのまま中出しセックスをした。あの日は、3発も出しちまったっけ。
らんまと結婚して、この喫茶店兼自宅に住みはじめてから、数ヶ月。昨晩も遅くまで愛し合っていたが、朝っぱらから、無防備な乳を見てしまえば、オレの朝勃ちは収まらない。このままだと、仕事中もムラムラしてたまらなくなってしまうだろう。
だからこそ、朝くらいはちゃんと下着くらいは着けてほしいと懇願しているのだが……。
「べつに、家のなかで、どんな格好しててもいいだろ」
「だから、さっきから何度も言ってるだろ。朝っぱらから、そのおっぱいを見せつけられてると、こちとら、ずっとムラムラしっぱなしなんだよ」
首にかかっていたスポーツタオルを奪い、トップレスを露出させ、乳首をピンっとオレは指で弾いた。
「んぅふっ、このドスケベ野郎め、着けれるもんなら着けてみやがれっ」
らんまはオレから、タオルを奪い返し、再び、階段のほうへと走っていった。
そのまま、一階の店舗スペースに逃げていったようだ。
「らんまぁ! 待てーい」
オレが階段を降りたときには、すでにらんまの姿は見えなくなっていた。
(どこに隠れやがったんだ)
外は土砂降りなので、わざわざ、外にはでかけるはずはない。
気配を消したらんまがいるであろう店舗スペースには、まだ、椅子が重なっていた。営業を開始する前には、この椅子を並べたり、テーブルを拭いたりしなければいけない。当然のようにコーヒーの準備やパフェの仕込みも終わらせておかなければならない。営業開始までに、やるべき事は、その他にも残っているというのに。
ゆっくりと、らんまの隠れている場所を探すようにして歩くと、厨房から音がした。
「そこか! らんまぁ!」
厨房から、ひょこっと赤いおさげ髪の頭が飛び出した。
こんなとき、ギャグ漫画なら、冷蔵庫から卵をいくつか取り出して、投げつけたりするのだろうが。それはしない。後片付けをするのも大変だし、なにより、オレは食べ物を粗末にしたくはない。
「ほら、もう。営業はじまるんだから、隠れんぼはその辺で終えるぞ」
一階の喫茶スペースには大きな窓があって、外からは店内の様子が丸見えだ。上半身裸のらんまとブラジャーを持って追いかけ回すオレを常連客が丸見えの窓から目撃したら、どう思うんだ? まぁ、ちょうど、外には誰もいないようだから助かったが。
そんな事を考えながら、窓の外を見ていたら、オレの視界が一気に柑子色に変わった。
「喰らえ、達也。無差別格闘早乙女流奥義! 目隠しタオル投げっ」
視界を塞がれたのはらんまから投げつけられた柑子色のタオルの仕業だった。ほのかにらんまの匂いのするタオルをオレはステンレスの作業台に置いて、逃げていくらんまを追いかけた。
「こらぁ、らんま! 姑息な手を使いやがってー、待ちやがれ」
再び、階段へと逃げていくおっぱい丸出し状態のらんま。デカいおっぱいを振り乱しながら走るらんまは天真爛漫という言葉では足りないくらいに無防備すぎる。
さっき、型くずれも気になるといったが、じつは、まったく気にしていない。乳にも弾力があり、垂れたりもしていない。そもそも、らんまはまだ、若く16歳だ。オレが毎日、揉んだり、舐めたりしていることもあり、最近、また、一段とボリュームが増しているかもしれない。そもそも、何カップあるんだ? らんまのおっぱい。
今度は地下室のほうへと逃げていったようだ。幸い、この家の中は倉庫以外は鍵がかけられない。倉庫もオレの特殊な魔力で施錠されているので、らんまが内鍵をかけて逃げられる場所はない。
開店前の忙しいときに、こんな追いかけっこが始まったのは困りもんだが、らんまのやつ、オレとの追いかけっこを、もしかして楽しんでないか?
……オレも楽しくないと言えば、嘘になるが。
地下室に灯りをつけ、らんまに声をかける。
「らんま、ここにいるのはわかってるんだぞ。もう、ふざけている暇はないんだから、はやく出てこい」
「だって……ブラジャー着けたくないんだもん」
姿の見えないらんまの声が聞こえる。
「わかったよ……。こっちこそ、無理やり着けさせようとして悪かった。もう着けようとしないから出ておいで」
オレがあきらめたのを確認したらんまが姿を現した。リング横に隠れていたようだった。
「ちぇっー、達也との追いかけっこ楽しかったのに、もう終わりか」
やっぱり楽しんでたのか、こいつ。
それなら、こっちだって。オレはブラジャーを持つ手をぎゅっと握り直した。
「家の中で追いかけっこするのはいいけどさ、朝っぱらからはやめろよな?」
「はははは、そうだな♪ 悪い、悪い。んじゃ、支度はじめようぜ」
追いかけっこを終え、開店の支度を行うために一階へ戻ろうと階段のほうへと進むらんま。ブラジャーをまだ、持ったままのオレがその背後から忍びみよる。
距離を近づけていく。
(へっへへへ、これであきらめるオレだと思ったら、大間違いだぜ、らんま。女モノのブラジャー着けてやっからな)
「らんま、ちょっと万歳したまま階段を上ってみい」
「へっ? なんで、なんで」
(つべこべ言わずに、さっさと両手をあげろ、らんま)
「いいから、いいから……!」
「こうか?」
素直ならんまはオレに言われるままに両手をあげた。
(作戦大成功♪)
「隙ありぃ! 秘技・ブラジャー着けぇええええ!」
らんまの上げたままの腕に肩ひもをスルリと通し、ブラジャーを降ろしていく。らんまの乳にブラカップを合わせた。らんまのバストカップ数は知らないけど、店で一番大きいサイズを買ってきたから、合わないことはないだろう。
「うわ?! し、しまった。てめえ、たつや!」
「オマエのために買ってきた、オレのこのお気に入りのブラジャー着けやがれぇ!らんまぁ、覚悟ぉ」
あとは、ホックを留めるだけ……!
「らんまぁあ、エッチなブラジャー姿を見せろぉぉお!」
2列のホック部分の下側に人差し指を平行に沿わせるように親指と中指でホックのやや外側をつまんだ。土壇場に弱いオレは手が緊張してしまって、うまく合わせれない。
(あ、あれ。しまった。けっこうムズイ……!)
ホックが上下で互い違いになってしまう。手こずっていると、オレの顔面にらんまのエルボーが叩き込まれた。
「ずりーぞ! 達也、なにしやがる」
ドゴォッ!
「ぎゃひふ」
強烈なエルボーが叩き込まれ、少量の鼻血が流れる顔を抑えている間に、着用寸前だったブラジャーを脱ぎ捨て、らんまが、階段を上っていった。
らんまが階段を上がっていく音から、察するに二階のほうへと移動したようだ。
拒否されたブラジャーを拾い、オレも二階へと階段を上がっていく。
その後、二階の居住スペースでらんまを追いかけ回した末、ようやく廊下の隅まで追い詰めた。
「もう、逃がさねーぞ、らんまぁ……」
「うっ……」
「んじゃ、ブラつけるか、あと10分で朝の処理をするか、どっちかを選べ、らんま!」