女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
起きると、そこは我が家。喫茶店兼自宅2階の寝室のベッドに寝かされていた。窓の外はもう暗く夜になっていた。
「達也、気づいたか? はぁ、良かった……、おはよっす」
「らんま。もう、おはようじゃないだろ、夜なんだからさ」
「だって、起きたてのやつにこんばんは、はないだろ?」
「どれくらいオレは寝てたんだ?」
「そうだな、もう2日間くらい寝てた……死んじゃったかと思ったけど、達也はそんなヤワじゃねえって信じてた」
らんまの目が腫れている、心配させてしまったのかもしれない。
「あの黒い影を追おう、らんま、力を取り戻すのを手伝ってくれ!」
「それがさ……取り逃がしちまって、今、どこにいるかもわからないんだ」
「そっか……でも、探さないと勇者の力を取り戻さないと……」
オレは立ち上がるが身体が重い、まるで鉛のように全身が重い。喉が渇いていたのでベッド横のコップを持ち上げようとしたが、持ち上がらない。まるでテーブルにくっついているみたいだ。
「あ?えっ?なんで、こんなに重いっけ、力が入らない」
らんまがコップを持ち上げて、水を飲ませてくれた。
「たぶんだけど、オレが前になったのと同じで貧力になっているんだよ」
「らんまが八宝斎のじじぃに打たれて力がなくなってしまった貧力巨脱臼と同じってことか?」
「たぶん……だけどな?」
「そうか……でも、今のオレにできる事を探さなくちゃ」
「いいって、無理するな。あの黒い影のことはオレに任せておけばいいって」
「ごめんな、らんま……役立たずになっちまって」
そして、その夜。らんまとベッドに入ったオレに最悪の事態が起こった。
「あれ……勃たない」
「へっ……?」
ナルト柄のパジャマ姿のらんまとベッドに入ったオレは毎晩しているようにキスをしてセックスをはじめようとしたが、ムラムラしないどころか、まったく興奮もせずにアソコは小さいままで柔らかい状態のままになってしまった。
「はぁ?ドスケベの達也に限って、そんなことは……ほれ、ほれ」
らんまがパジャマをめくり、自慢の豊乳を何度もぷるんぷるんっと見せつけてくるがオレの股間は反応する事なかった。
「うひゃ?まじか、インポ……」
「ら、らんま!んなこと言わないでくれ、ほらほら、今すぐ勃たせるから」
オレは必死に自分のものをシゴくがまったく立たないどころか、固くもならなくなっていた。
らんまもオレにキスをしたり、身体を触ったり、シゴいたりフェラをしてくれたりしたが、まるで反応しないオレのチンポに嘆いていった。乱馬も貧力巨脱臼のときはインポになってたのかと思ったが、そこは聞くまい。
「そ……そんな…、らんま、悪い。今夜はなしでお願いさせてくれ」
「それは大丈夫だけどさ、オレもちょっとはショックだぜ……」
◆◇◆◇
翌朝にはオレが起きた事をオルレアン家に伝えると、指名手配は取り下げてもらい、元の生活に戻っていった。正確には元どおりの生活ではない。さすがにコップを持つくらいはできるようになったが、コーヒーを淹れたりパフェを作る事がやっとなだけで、重い荷物や材料はらんまに運んでもらっていた。
それから一週間、オレはらんまとセックスもする事なく、喫茶店のマスターとして過ごしていた。もう勇者の力も狂戦士の力もない、ただの軟弱な男に戻っただけだと日々を過ごしていた。
やる事もないので喫茶PANDは休みなく営業を続けた。それでも常連客は普段どおり接してくれた。
「そりゃ、達也さんが指名手配なんておかしいですよね」
「そうそう、なにかの間違いだったんですよ」
事情を知るヤスも居合わせたが多くは語らずに常連客たちの話に合わせてくれてた。
「そうですよね……あははは、ですよね。このオレが貴族殺しなんてできるわけないですよ」
元の世界で友達たちに合わせていたような作り笑顔で会話をする。そうオレは、もう勇者ではない。ただの喫茶店マスターだ。
店の営業が終わり、オレは自分にできる事という事で、洗い物をしていた。らんまにはゴミの片付けや仕込みの材料の移動など重い作業をやってもらっていた。
「らんま悪いな……」
「なに言ってんだよ、こんなに軽い軽い♪気にするなって」
「新婚なのにさ、インポ……ED(勃起不全)になっちまってホント悪いな、離婚したかったから離婚していいんだからな」
バチィン!
オレの右頬にらんまのビンタが飛んできた。
「バカ達也!目を覚ましやがれ。てめえ、なに言ってんだよ、もう一回、そんな事言ったら、谷底に突き落とすぞ。そ、そりゃ達也とのセックスは大好きだけどさ、オレはそんなものなくたって、達也のことを大好きなんだからな。もう二度とそんな事言うんじゃねえよ」
「つ、つよがるなよ……らんま、インポで役ただずで戦うこともできないオレなんて好きでもなんでもないだろ、嘘つくな」
オレはビンタをされて頰が赤く腫れながらもひるまずに本音を叫んだ。
「じゃあ、なんだ? オレが戦えなくなって、貧乳のブスになったら、オレのことを好きじゃねえって言うのか? 達也、愛ってそういうもんなのか? 一緒に添い遂げるって約束はどうなんだよ」
「…………」
言葉が出ない。また、らんまを泣かせてしまった。オレは自暴自棄で自分が嫌になる。もう、らんまを泣かせないって決めたのに、また泣かせてしまった。でも、どうすればいいんだ。
その日、らんまは寝室で、オレは地下室で寝た。
この家で暮らしてから、はじめて別の場所で寝た。