転生!異なる忍“対魔忍”!
???Side
某年、夏のある日の正午、昼食を取り終えていた俺、"三雲 春輝"はかつて同じ児童養護施設で友人だった彼の墓参りに来ていた。
「大雅、また来たぞ。」
そう言うと、俺は桶に入れていた水を柄杓でゆっくりと墓に掛けていく。
俺は赤ん坊の頃に育児放棄されていた所を養護施設に拾われ、それからここに眠る友人と一緒に育ち、子供の頃に"親に捨てられた"という点で似ており、何か惹かれる物があり、一緒にマンガを見たり、甘い物を食べたりもした。
だけど、あいつとは"ちょっとした事"で喧嘩をしてしまい、そのまま俺は新しい家族に迎えられて、喧嘩別れしてしまった。喧嘩の内容としては他愛ない事だったが、喧嘩したまま別れたのは辛かった。
けど謝りに行こうとしたら、地震が起きてその地震のせいで本棚が上から落下してきて、あいつは、大雅はその落ちてきた本棚に潰されて死んだらしい。
死に方としては間抜けかもしれないが、それでも友達が死んだのはとても悲しかった……それから命日にはこうしていつも墓参りにきている。
「大雅、また来るからな。今度は何か甘いものでも持ってくるよ。」
そう言って俺は水が入っていた桶を元の場所に置くと、帰りのバスを待っていると、向こうから凄まじい速さでコチラに向かってくる車が1台おり、その前に子供が驚いて飛び出してしまったのを見た。
「なっ!?危ない!」
俺はとっさに身体が動いて、その子を親御さんの下に押したがその時にバランスを崩してしまい、その車に方に向かって身体が倒れてしまい、その瞬間に俺は跳ね飛ばされた。
キキィッ!!ダァンッ!
痛いなんてもんじゃない。
一瞬で肋骨や鎖骨などが砕けて、それが肺や身体の中を傷付けていくのが分かった……というか、人生で車に轢かれるってどんだけ運が悪いんだ?
そんな事を考えながら、俺は地面に激突する瞬間に頭の中を様々な思い出が駆け巡っていくのが見えた……これが、走馬灯ってやつなのか。
そして頭から地面に激突した瞬間に、俺は意識を失い、身体から力が抜けるのと、慌てて走り去る車と騒ぎになっている人達が見えた。
しかし、遠のく意識を手放して俺は目を閉じた……。
◆◆◆
「(あぁ……静かだ。)」
あれからどれくらい経ったのか、俺は今真っ暗な空間を漂っていて意識だけがある状態であり、とてもふわふわしていて、何というか水に浮いているような感覚になっていた。
このまま何処かへと流れていくのか……?
そんな事を考えながら真っ暗な空間を漂っていると、突然身体が止まり、背中に硬い感触を覚えたので目?を開けると、視線の先に広がっていたのは知らない天井で、訳が分からず首を傾げたが、身体を起こそうとしてみたは良いが……起きれない。
頭の天辺から爪先まで、まるで思うように動けないのであるが、しかし、その中で疑問があった……事故の瞬間にあった筈の痛みの感覚が無いのだ。
もしかして、それだけ身体がぐちゃぐちゃなのかとも思ったが、そう言った気持ち悪い感覚は一切無い。足を動かしてみれば動いている感覚はあるし、それこそ身体全体は動いてる感じもする。
「(一体何が起きてるんだ?)」
そんな時、頭の中の遠くの方から何かの声が聞こえてきた。
『お……。も……し……、もしも~し!聞こえてますか〜?』
「(だ、誰!?)」
『あぁ、通じたか。初めまして、あたしは管理者の白嶺(シラミネ)ってものなんだけど、三雲春輝くんで合ってる?』
「(そうですけど、あの白嶺さん。何がどうなってるんですか?俺全く身体が動かないんで、困惑してるんですが……。)」
『あぁ、それはね。キミが死んで新しく転生したからよ。今は赤ちゃんの状態だから喋れないの。』
「(え…?えぇぇぇ!?)」
白嶺さんの言葉に驚いた俺は、大声を上げたが声を出すことが出来ないが心の中でめちゃくちゃ驚いた。だって、赤ん坊になってるって……何で赤ん坊!?
「(あ、あの!死んだのはいいとしても、その転生ってどういうことですか!?てか、ここはどこなんですか!?)」
『まぁ落ち着きなよ。まず貴方は車に轢かれて、身体がぐちゃぐちゃになってしまって、元の身体に戻るのは不可能になった。そこで、あなたが好きな忍者が活躍する漫画の世界に転生させたのよ。』
「(……聞かなきゃ良かった。それでここってどこ、何ですか?NARUTO?それともバジリスク?)」
『いや、そこは"対魔忍"という世界なんだけど、知ってる?』
た、対魔、忍……え、もしかして……あのエロゲーの?
なんか知り合いが好きなエロゲーの名前にそんなのがあった気がしますけど。えっ、ちょ、ちょっと待ってください。もしかして……その対魔忍なのか?
対魔忍ってよく知らないけど、確か、バッドエンドが主流のエロゲーで最近ではアプリとかにもなってた気がするけど、俺あんまり
NARUTOとかなら知ってるんだけど、え、これって俺どうしたらいいんだ?
『あ、ちなみにシリーズとして対魔忍の原作が始まる前の物語だし、原作崩壊させても構わないから頑張ってね。それじゃあ。』
「(いやあの、色々と説明してほしいんですけど!!!)」
説明も聞く暇もなく、白嶺さんの声は聞こえなくなった……俺、これからどうすれば良いんだ?その後、2人の夫婦らしき人達が来て、俺のことを抱き上げてきてあやし始めた。
「あらあら、元気ねぇ?お~よしよし。」
「し、不知火。俺も抱いてもいいか?」
「駄目よ、今は駄目。この子……“春輝”が大きくなるまで待ってね。」
その女の人、不知火さんは俺の名前を呼んで優しくあやしてくれて、その優しい感覚に俺は徐々に眠くなっていき、そのまま眠りに着いた……暖かい腕に抱かれて。
◆◆◆
その頃、とある屋敷では1人で男がおり、その手には刀が握られていて、目の前には肩から右脇腹にかけて大きく切られて倒れている女性がいた。
「ふんっ。役立たずのくせに子など拵えおって。おい、まだ生きているだろ?
生んだ子供はどこにいる?」
「……はぁ、はぁ……!い、言いま、せん!!あの子には絶対……!」
ズバッ!!
女性が反論しようとした時、その首は背後に立っていた者の刃で切り落とされ、ゴトリ、と畳に転がり、それを見た男はつまらなさそうに鼻を鳴らす。
「ふんっ、ゴミめ。まぁいい……しかし、その“赤子”はいつか見つけ出すとしよう。
おい、これを捨ててこい。」
「「はっ。」」
近くに控えていた部下らしき男達が女性を抱えると、外へと運んでいき、残った男はつまらなさそうにため息を吐くと、背後に控えていた"3人の男女"に声を掛ける。
「お前たち2人の息子と奴を五車に潜ませる。恐らく例の赤ん坊も対魔忍になるだろう。
天音には“目抜けのガキ”を見つけて始末させる。良いな?」
「「御意!」」
そう言うと2人の男はその場から消えたのであった……。
◆◆◆
その頃、薄暗い洞窟にある祠。そこから黒い“ナニカ”がボトリと落ちると、その黒い物体は形を変えると人の姿へと変わると、祠の中に閉まってあった“獣”が描かれた円盤状の石板を取り出す。
「見つけ、た……!“コレ”があれば……!!だが、足りない……!
まずは……手駒を揃えねば……。」
人の姿へと変わったソレは石盤を持って、外へ出るのであった……。