※この作品はR-18です。

対魔忍HARUKI   作:ボルボロックス

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春輝達が京都に行ってる間、入院している翔馬の話と中立者の話。


閑話 獅子のある日のリハビリと……。

 春輝達が京都にいる間、荼毘によって重傷を負わされた獅子堂 翔馬はリハビリスペースに来ており、入院で弱った体を鍛えようと動かしていた。本来はまだ動かしてはいけないと言われているのだが、翔馬は体を動かしていた。

 

 

「はぁ……っ!はぁ……っ!ぐっ……!!うあっ!!」

 

 

 痛みが走り、転びそうになった翔馬は後ろから延びた大きな手に助けられ、転ぶことは無かった。その延びてきた手の主を見て翔馬は驚いた。

 

 

「!?そ、宗一郎さん!?奈々華さん!?」

 

 

「何してんだよ、休めって言われてんだろ。今は無理すんな。」

 

 

「ジンレイさん達の方から聞いたけど無理しすぎですよ。無理したら駄目です。」

 

 

「……すみません。けど、寝てもいられなくて。少し動いたら「だから、寝てろっての。」あぐっ!?は、はい!」

 

 

 乱暴に頭を撫でる宗一郎の手に戸惑いながらも素直に返事する翔馬、そんな翔馬に宗一郎と奈々華は優しい微笑みを浮かべる。車椅子に乗せられ、病室に戻った翔馬は自力でベッドに戻ると、翔馬は宗一郎と奈々華が持ってきた皮を剥いたリンゴを食べる。

 

 

 その中で宗一郎もリンゴを食べながら、翔馬に尋ねた。

 

 

「んで、どのくらい回復してるんだ?」

 

 

「日常生活を送る分に問題ありません。ただ、あまり激しく動くのはまだ、それに任務に就くにもまだ時間が掛かるとの事です……。」

 

 

「そうか……。ま、命が繋がったんだ。ゆっくり回復に専念して、早く帰ってこい。」

 

 

「はい!痛てて……。」

 

 

 元気良く返事したために腹を押さえる翔馬に、2人はやれやれといった感じで笑い合う。そんな中で、宗一郎は翔馬にあることを尋ねた。それは、春輝が翔馬を助ける際に見せた金色の光についてであった。

 

 

「……翔馬、お前に春輝が使った力。あれについて何か感じた事はないか?」

 

 

「力、ですか?いえ、俺もさっぱりです。あの時は殆ど意識無くなってましたし……。それが何か?」

 

 

「いや、何でもない。しっかり休めよ。」

 

 

 宗一郎はそう言うと、部屋を出て外に待たしていた車へと奈々華ともに乗り込み、獅子堂の屋敷へと向かっていた。その間、宗一郎は窓の外を見ながら春輝の見せた力について考え込んでいた。

 

 

「……(あの光みたいな力は光遁……?いや、光遁は違う。それに忍術とかではなかった。それに試合の中で見たが、春輝自身は確かに強い。素養もあるし、成長する見込みも充分だ。)」

 

 

「宗一郎様?どうかなさいましたか?」

 

 

「ん……?あぁ、すまない。ちょっと考え事だ。」

 

 

 そう言うと宗一郎は奈々華に優しく笑いかけながらそう言うと、車はまっすぐ家へと向かっていったのである……。

 

 

 後日、入院している翔馬に春輝や仲の良い者達がお土産をプレゼントしたのであった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 その頃、とあるバー。そこには2人の男性がいた。

 

 

 1人はカウンターの中でグラスを拭いている奇抜な髪形と化粧をした、細マッチョの男である。彼の名は“ヒトミ”。本名:西岡 太郎という男で、この地下バー『アゲハ蝶』のオーナーである。

 

 

 元は対魔忍であったが、なんでか知らないがオカマになっていた(何故だろうか?)

 

 

 アサギや幹部たち、名のある者達がこっそり通いよく愚痴などを聞いてはアドバイスなどを言っている。その他にもあまり手に入らない情報なども提供している。

 

 

 そんなヒトミの前には巨大な黒人らしき男が、一人静かに酒を楽しんでいた。その服装は派手な色と柄の半袖のシャツに黒のズボンであるが、目を引くのはその身体である。

 

 

 巨大な筋肉、首、腕、太もも……何もかもがデカいが決して肥満ではなく、全て鍛え上げた肉体。腕に関しては女性のウエストどころではない位太い……。

 

 

 この人物の名は“ケイン”。異なる自由者(フリーク)と呼ばれている。

 

 

 その正体は人間ではなく、オークなのだが性格はオークらしからぬ知的な一面を持つ。あらゆる分野の知識を持ち、紳士的で穏やかな態度を崩さない。もっとも好きなものは「自由」である。何者にも束縛されない自由な生き方が好きである。

 

 

 一度だけエドウィン・ブラックからスカウトされるも「自由で居たいから無理だな」という理由で断っている。

 

 

「ふぅ~。ヒトミの酒は旨いな!今度はお礼に私行きつけの店を紹介しよう!」 

 

 

「ありがとう。でも、中々お店を閉められないからねぇ。アサギも悩みが多いって愚痴を溢していたわ。」

 

 

「ほう……Msアサギがかね?どんな愚痴なのか聞きたいな。」

 

 

 ケインの度数の高いカクテルを一口飲むと、ヒトミがつまみを出して話を始めた。

 

 

「後継者についてよ。今まではもっとも適任な子がいたけど、その子と同等な面白い子が入ったって言ってたわ。多彩な術や体術を使う子らしいんだけどねぇ。あたしは、あまり賛成できないわ。」

 

 

「ほう。何故だね?」

 

 

「……いくら才能があるからって、それが全てじゃないからよ。それにその子は噂じゃ政府も狙ってるって話だわ。」

 

 

 ケインは目を光らせると酒を飲み干し、ヒトミに尋ねる。

 

 

「……ちなみにその後継者候補の名前は?例の獅子か?」

 

 

「いいえ、確か……ハルキって言ってたわね。」

 

 

「ハルキ……。ご馳走さま、また来るよ。」

 

 

「えぇ、待ってるわ。」

 

 

 ケインは金を置いていくと、アゲハ蝶を後にし、懐から出したスマホを使うと政府の機密情報にアクセスを開始する。そこには対魔忍の《五車学園についての情報》から《生徒に関する情報》まである。

 

 

 そして、見つけたのだ。

 

 

「これが、ハルキ……。造治を倒した忍か、なるほど。面白いっ♪」

 

 

 ケインはそれだけ言うと自分の住む居場所へと帰っていったのであった……。

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