あと、少し弄らせて貰いました。
熱血な忍!犬塚源太!
五車学園から数Kmほど離れた場所にある中忍試験に使われた採掘場。そこは今や生徒達の自己鍛練の場として開かれており、教師の許可を得れば仕合の会場としても解放されているので、利用する生徒も多い。
そんな中、その採掘場には春輝、不知火、ゆきかぜにきらら、藤孝、薫、澄香の他にもアサギや春輝の担当教官となった零子や彼を同志と呼んでいる巴が来ており、そんな春輝の前には火遁衆の元隊長である紅 藤十郎と“1人の褐色の春輝と同い年の青年”がいた。
「っしゃあああああああぁぁぁぁぁっ!!!たぎるぜ!!熱く行こうぜ!!水城 春輝!!」
「あぁ、宜しく頼むっ!犬塚!」
そう言うと、春輝と青年、“犬塚 源太”は互いに闘気を漏らしながら睨み合い、互いに相手の動きを待っていた。そして、風が強く吹いた瞬間に2人は拳を振り抜いた……。
「「はあああっ!!」」
◆◆◆
--なぜこうなったのか、それは2日と2時間前の事。
京都から戻った春輝は今の自分よりも強くなるために、白嶺の下に向かうとそこで再び雷庵、柱間達との修行を再開し、重力が強い空間、息苦しい真っ暗な闇、極寒の氷の世界など……過酷とも言える修行を異空間の中で呉の技と体術を学びながら、さらに“一つ先”に進むために修行を続けた。
「っらあああああっ!!手ぇ抜いてんじゃねぇよ!!
相手を殺すつもりで掛かってこいっ!!!」
「らいあん殿の言葉は乱暴だが、言っていることは正しい。相手の先を読んで行動し、死角をなくせっ!」
「ぜぇ、はぁ……げほげほっ!は、はいっ!」
雷庵と柱間の2人との組手を行い、息を切らしながら返事しながらも立ち上がる春輝。
さらに武器術や忍術よりも若干遅れていた体術の修行もしながら体を作るために、修行時は6食ほど食べてから筋肉トレーニングなどを行いながら、春輝は課せられたメニューをこなしつつ、用意された敵(力は紫たち教員クラス)との戦闘を行いながら反復していた。
その中で春輝は白嶺から“忍術以外の力”が記された本を渡されて、それを読みながらその中で忍術として再現できそうな物を更に会得しようと修行をしていったが、その速度は早く、使えるようになるのに早くてその場、遅くても2、3日で出来るのだ。
白嶺もその早さに驚いたが、春輝はそれで更に強くなれると、まるで子供のように喜んでいた。
その翌日、春輝は友人たちと学園に向かうと、いつものように授業を受けていたその時であった。
「っしゃあああああああぁぁぁぁぁっ!!!
ここに水城 春輝はいるか!!?」
「ビックリしたぁ……!だ、誰だ!?」
教室の扉を勢いよくバッ!と開けて、春輝の名を叫ぶ日に焼けた肌にバンダナを頭に巻いた同い年の青年が現れ、教室全体がざわつく中でその青年は春輝に早歩きで近付くと、顔をずいっと近づくてきた。
「ほう、お前が水城 春輝か……。
オッサンから聞いていたが、良い眼をしてやがる。」
「えっと、だ、誰?(ん?この気配……。)」
「おぉ、悪かったな。俺は
お前があのオッサンに勝ったって聞いたんでな!勝負をしに来た!!
本当だったら俺も京都への特別演習に行く予定だったが、行けなくてな!!
んで、オッサンから話を聞いて戦いに来たんだ!!」
「あ~~。えっと、犬塚、さん?「さんはいらないぞ!」じゃ、じゃあ犬塚。
今はその、授業中だし……今日の放課後にでも話をしないか?
互いに準備とかいるし。」
春輝の言葉に源太は強くうなずく。
「それで構わないぜ!!それじゃあ今日の放課後、火遁衆の待機場所で待ってるからな!!!遅れたりするなよ?しゃあああああああぁぁぁぁぁっ!!!」
源太はそれだけ言うと走り去っていき、しんと静まり返った教室の中で春輝は気まずそうに教科書で顔を隠すのであった。
その後に昼休みになり、春輝はゆきかぜ、きらら、凜子、達郎。そして、合流した藤孝、真、薫、澄香、舞華、賢丞らと昼食を摂っていた。
「しかし、さっきの犬塚、だっけ?熱い奴だったな。」
「暑苦しい上に騒がしかっただけだ。なんなのだ、あいつは?」
「源太の奴か……あのバカまた。」
「神村さん、彼の事知ってるの?」
薫が舞華に尋ねると、一同が彼女を見ると舞華はやれやれといった感じで頭を押さえながら、話を始める。
「源太は俺ら火遁衆の1人だ。加治の兄貴よりも肉弾戦に優れてて、それこそオヤジ……藤十郎が見込んで引っ張ってきたんだ。まぁ今までは保留だったんだがな?まぁけど、実力は本物だぜ?」
「そうなのか、そう言えば“京都への特別演習に行けなかった”って言ってたけど、何かの病気だったのか?」
「いや、単にオヤジとやり合ってそれで入院したんだ。
けどなぁ、水城……アイツは、源太はかなり強いぞ。」
舞華の言葉に春輝はゴクリと唾を飲み込みながらも、内心源太との手合わせを楽しみにしていたのであった。
その頃、源太は誰もいないシミュレータールームで仮想のオークやオーガ達を相手に訓練していたが、その全てが炭となって絶命しており、源太は深く深呼吸をするとシミュレーターの電源を切り、シャワーへと向かう。
「ふぅ……。」
「ずいぶんな熱の入りようだったな、源太。」
「オッサンか。あぁ、水城 春輝との手合わせが待ち遠しくてな!
それで、何の用だ?」
「いやなに、お前がそんなに熱中するとはな……春輝は強くなってるか?」
藤十郎の言葉に源太はシャワーを浴びて、体をクールダウンさせていく。その中で源太は自身の感想を話始める。
「あぁ、あいつは強い。恐らく本気出したら噂の“獅子堂”とかよりも強いと思うぜ?
能力とかもそうだが、奴は飢えてる。」
「?飢えてる?」
「あぁ、奴は強さに、努力にたいしてのハングリー精神が半端ねぇ。
だが、それは決して間違った道にじゃない。“何か”の為に強くなろうとしてやがる!
俺は、奴の強さの全力が見たいんだ!!」
獰猛な笑みを浮かべてそう言う源太に藤十郎は笑みを浮かべると、後ろを振り返る。
「予定が決まったら教えてくれ。」
「あぁ。そん時は見に来いよ、オッサン。」
源太はそう言うと、藤十郎は手を降って去っていく。その背中はとても楽しそうであった。
そして授業が終わった放課後、春輝は源太と会って、手合わせについての相談をしようとしたら、そこに藤十郎が現れて“1枚の書類”を見せてきた。
「これは、“特別戦闘訓練許可書”?」
特別戦闘訓練許可書……これは戦闘訓練を行う者の名前と監督官の教師の名前があれば、戦闘訓練を行うことができるという書類であり、この戦闘訓練の成績は教師たちに伝えられ、成績にも関わっている。
ちなみにこの訓練を行う者達は休みとして扱われるのである。そして、この許可書の承認には学園長であるアサギと獅子堂時松の許可がいる。
「そうだ、こいつに春輝と源太の名前、そして監督官として俺の名と日程を書けば、正式に受理される物でな。これを書いて、アサギ達に出してくる!!」
「そいつは良い!!水城、お前もそれで構わないな!?」
「あぁ、俺も構わない。藤十郎さん、宜しくお願いします。」
「よしっ!そうと決まれば2人とも名前を書いてくれ、俺が出してくるから!
あ!ちなみに訓練は、明日ってことにしたから!!」
春輝と源太の名前を書いた許可書をアサギらの所に提出しに行ったが、初めはその許可書を突っぱねようとしたアサギと時松、しかし、藤十郎の説得によってアサギと他の教師も付き添うという条件で許可書は認証され、監督官として藤十郎の他にアサギと零子が付き添う事となった……。
◆◆◆
--そして時間は戻り、春輝と源太の戦闘訓練の話を聞いた不知火、ゆきかぜ、きらら、きらら、藤孝、薫、澄香、そして巴がアサギらと共に2人の訓練を見に来ていた。
「はあああっ!!
「っち!はぁ!!」
源太は自身の専用武器である火遁用の手甲脚絆『烈火』に炎を纏わせ、高速で直進しながら放つ正拳突き“炎威”を、チャクラを纏わせた拳で迎え撃つ春輝は互いに拳打や蹴りによる打ち合いをしているが、源太の忍術“火遁武芸”によって春輝は若干苦戦していた。
「まだまだいくぜ!!
「(蹴りか!?ならっ!)はぁ!!」
「うおっ!!?くっ!!?」
春輝は炎を纏わせた足による上段蹴りを放ってきた源太の足を掴み、思いきり投げ飛ばす。そして、そのまま源太に跳び蹴りを放つが源太はその蹴りを右手に炎の力を溜めて放つ。
「はあああっ……!!
「っ!?」
拳から圧縮した炎を直線に放つが、春輝はそれをバク転で避けるとその炎は岩を焼き、壁に穴を開ける。
「……あっぶな!!?あれ食らったら死ぬな。」
「どうしたぁ?まさかギブアップでもするかぁ?」
「冗談、ギブアップ何てするかよ。」
「ははあっ!!良いじゃねぇか、だがもっと何かあるんだろ?まだまだ余裕って顔してよぉ……なら、こっちも全力だあああっ!!
はあああっ!!
その瞬間、源太の体に変化が起こった。源太の体から蒸気が立ち登っており、肌の色が少し赤くなっているのだ。
これが源太の能力である“極熱血闘”の効果である。発動時に自らの血流を加速させ、発生した熱量を運動能力に変換しスピードとパワーを急上昇させる技である。
源太の極熱血闘を見た一同は言葉を無くし、ただ息を飲んで驚いていたが、春輝は嬉しそうに微笑んでいた。
「まるで“外し”だな……んじゃあ、俺も……はあああっ!!外し発動!!」
春輝が腕を振った瞬間に爆風が起こり、その爆風で起きた砂埃が止むと、そこには肌の色が変わった春輝がいた。
「んだそれは……?」
「外しっていうんだ……さぁ、やろうか!」
炎と力がぶつかろうとしていた……。
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