魔鏡編、始まります。
いざ、中国へ。
“それ”が見つかったのは日本から遠く離れた中国の山奥にある遺跡であった。
その遺跡は最近見つかったものであるが、時代がいつの物かは分からなかったが調査隊はその遺跡を調べに入り、その奥にある祭壇らしき場所で飾られている状態の良い“銅鏡”を発見し、研究施設へと持ち帰り、その銅鏡を調べるとその銅鏡は今まで見つかった物とは別の鉱石で造られているということが分かり、職員たちは驚き感動した。
しかし、その銅鏡が持ち帰られてから“奇妙”な事が起きるようになったのだ……それは、銅鏡が輝きだしたのだ(彼らは知らないことだが魔都にある勾玉の首飾りでも同じであり、まるで互いに共鳴するように輝きだした)。
研究施設の職員たちは最初興味深そうに観察していたが前述のように光始めてから奇妙な事件が起こるようになり大発見からくる興奮はすっかり冷め、段々と気味悪がり銅鏡を地下施設へと隠し姿を消し、銅鏡は表には出なくなった。
だが、その銅鏡を手に入れようとエドウィン・ブラックの家臣、豪魔バルトが中国へと来ており、元職員を襲っていた。
ガシャアアンッ!!
『や、やめてくれ!?あぐっ!!?』
「“銅鏡”はどこだ?」
『し、知らない!!あんな物、とっくに忘れぐっ!!?』
「俺は気が短いんだ。早く話さないと、手足がなくなるか、首がへし折れるぞ。」
『……しょ、所長なら知ってる!あの銅鏡の隠し金庫の場所と鍵を持っているのは所長だけ?!場所は』
職員の首を絞めながら淡々とそう告げるバルト。そしてその言葉が嘘ではないということを知った職員は恐怖で体を震わせ、己の身の大切さのあまりについに喋ってしまい、バルトは住所を聞くと、その男を殺してその所長の家へと向かった……。
◆◆◆
そんな事があるとは露知らず、五車町の皆はいつもと変わらない日常を過ごしており、五車学園の訓練施設では春輝と四尾の人柱力である甲河 藤志郎の2人と組手をしており、その激しさは並みのものではなかった。
「ふんっ!」
「っ!!せいっ!」
藤志郎の突きを春輝が避けて、そのまま投げるが藤志郎はそれを軽々と着地するとその後に拳での打ち合いを行うが、その衝撃は強すぎるために訓練所がひしひしと揺れている。
「やるな、春輝!次はモードを使って行うぞ!」
「分かった!!」
「「九尾モード/熔遁モード発動!!」」
その瞬間に春輝の体が金色に、藤志郎の体が溶岩に包まれ互いに力を高めていくと、瞬時な接近して拳をぶつけ合うと乱打が始まり、本気の力のぶつかり合い……そのあまりにも激しすぎる様に皆が息を飲んだ。
【おらおら!どうした九喇嘛、へばったか!?】
【黙れ猿公が!!】
「春輝、本気で更に上げてくぞ!“剛力闘神”!!」
「はっ!なら、こっちも!“外し”!!」
『っ!!そこまで!!』
2人が本気になり、その一撃を放とうとした瞬間に時松が間に入ると、2人の拳は止められてその衝撃で床にヒビが入るが、それ以上に時松が2人を別室に呼んで叱る。
「この馬鹿者どもが!!互いに加減というものを知らんのか!?下手したら相手を殺していたぞ!?」
「「も、申し訳ありません!」」
「だがまあ、ちょうど良い。甲河、水城。お前たちに任せたい任務がある。」
「任せたい、任務?なんですかそれは。」
「なに、ちょっとした任務なんだ。場所は……中国だ。それと、こそこそと聞き耳を立てるな!!出てこい宗河!それと真庭!」
やれやれといった感じで出てきたのは宗河 賢丞と窓から入ってきた真庭 慎夜であり、2人に対して時松は頭を抱える。
「お前ら、なんでここにいる?訓練はどうした?」
「俺は先に終わったのでトイレ行ってたんです。まぁ、真庭はなんでいるのか知らんけどな。」
「……俺は私用で出ていた。授業をしていた蓮魔教官にも許可は得ている。」
「それで盗み聞きか。全く最近の若い連中は……まぁいい、甲河、水城、宗河、真庭。お前たちに任務で中国に向かってもらう。期日は明日から3日だ。」
まさか中国へ行く事になるとは思わず、4人がざわつくが時松は事情を話し、とある資料を渡した。
「最近中国で見つかった遺跡だ。いつの時代のもので、いつからあるのかは分からん。だが、この遺跡に置かれていた銅鏡を持ち帰った研究所の職員が、何者かに殺されている。お前たちの任務は銅鏡の収拾およびその研究所の職員の保護だ。戦闘は最低限にするように。」
「あの、時松先生。」
「ん?なんだ水城。」
「件の銅鏡が国内で発見され向こうの人間に盗まれたというのであれば回収に派遣されるのは理解できますが、向こうで発見された物をなぜ俺達が?普通は向こうの官憲や軍の対魔部隊が対処するべきことなのでは?」
その質問に対して時松はこう説明した。
1、未確認情報だが魔族組織が中国に入国しているという情報があること。
2、中国の対魔組織はあることはあるが政府自体今回の件に興味がないこと。
3、例え動けてもスウ・ジンレイのように戦闘に長けた者が貴重で損失したくないため件の銅鏡に関わることには消極的であること。
「未確認とはいえ魔族……恐らくノマドだろう。それが中国入りしたというのは無視ができん。件の銅鏡の関係者の殺害に魔族が関わっているのであれば、件の銅鏡がただの歴史的遺物でなく魔族の力を強化する魔道具の類で、それが魔族勢力に渡ったら今後の戦況に大きな影響をもたらす可能性がある。それを危惧した山本部長が派遣を決めたのだ、他に質問はあるか?」
今度は賢丞が手を挙げた。
「向こうの官憲や対魔部隊は動くことはないんすよね?」
「ああ。だがな、彼らからしてみれば他所の国の人間が国内の事件でウロチョロされるのは面白くないはずだ。派手に戦闘行為をすれば下っ端が独断で介入してくる可能性があるから、さっき言った戦闘は“最低限にしろ”と言うのはそういうことだ。」
「分かりました。」「うっす。」「はい!」「……。」
「他の学生や家族には必ず伝えてこい。出立は明日の夜19時30分だ。荷物など纏めておくように。アサギにはこちらから許可を取ってある。」
「「「「はっ!」」」」
4人は時松に敬礼をすると教室へと戻っていき、通常の授業へ戻った……。
◆◆◆
その頃、鬼徹 暁冥の治める百愧の里、そこで鬼徹 暁冥の妹である鬼徹 真琴が騒ぎを起こしていた。
「なんでさ!!何でボクは行ったらダメなんだ兄貴!!?」
「これは遊びじゃねえ。今回の仕事では唯糸と黒牙が中国に向かうし、失敗が許されないんだ。」
「ボクだって役に立つさ!!お願いだよ、兄貴!ボクを行かせてくれよ!」
涙目になって暁冥にすがり付く真琴、そんな彼女に暁冥は腕を組んで考え込んだ末にため息を吐き、最愛の妹の頭を撫でる。
「分かった。2人には俺から伝えとく……ただし、2人の言うこと聞くんだぞ。」
「っ!うんっ!勿論だよ!!兄貴!!やった!やった!!中国だ~~~!」
嬉しそうにピョンピョン跳ねる真琴。
しかし、対魔忍、ノマド、百愧龍宮の3組織が中国にて集まり、1つの銅鏡を巡る争いとなるのであった……。
短くてすみません!
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