春輝らが中国の空港に降り立った頃、ケインは自身の暮らす巨大刑務所……ノマド強制労働施設『三途川』の私室にてパソコンを使い、政府の警備システムに侵入し、秘匿レベルの高い対魔忍の情報にアクセスしていた。
こんな事をすれば普通は捕まってしまうのだが、ケインは政府の情報システムの穴を見事に見つけ出して、そこをまるで針穴に糸を通すように侵入していった。
「(むふふっ。存外容易いな……Mr.山本や獅子の一派、アサギらな勘づくだろうが。)おっ♪見つけた、水城 春輝……♪」
春輝の情報を見つけたケインは情報を隅から隅まで見ていった。
「ほほう?あのMs不知火の息子で、母と妹と3人で暮らしている。父親は任務の中でバルトに殺されているのか……。他には……ほう?バルトやシュトロハイムとも交戦して生き残り、A級の任務やS級の任務もこなしているのか。」
画面をスクロールしていくケインは次の情報を見る。
「覚醒した忍術は……風を自在に操る“風遁”と自然系の忍術を扱い、体術は?ほほう!現在はアサギと互角とされているのか!益々興味が湧くなぁ……♪だが、こういうのには隠された情報もあるはずだ。」
ケインは春輝の情報を見る中で、さらに下を見る。
「ふむふむ……。任務時は独断専行する癖があり、何より周囲を下に見ている部分が見られ、何より戦闘を好む傾向が見られる……?ふむ、戦闘優先をしてしまうのか。そこは若さ故だろうが惜しいな。ん?“不思議な力を持つ”?」
その情報に目を通していたケインは、葉巻を取り出して吸っていると扉がノックされた。
「誰かね?今調べ物の最中なんだが?」
「俺だ。開けてくれ。」
「造治か。入りたまえ。」
扉を開けて入ってきたのは、かつて春輝との戦闘で敗北し、その後から彼を狙っている糸型 造治であった。
「何かね?今は見ての通りプライベートなのだが?」
「悪かったな。けど、あんたに……ん?これは?」
「水城 春輝の資料だよ。今さっきまで見ていたんだが、中々に興味深い男だ……それで?用件は何かね?」
造治にそう尋ねると、彼は渋い顔をしてケインに用件を伝えた。
「……ノマドと違う組織が現れた。名前は“冥”って言うらしい。なんでも尾獣とかいうのを探しているらしい。」
「“冥”?知らん組織だな。それに尾獣とはなんだね?」
「俺も知らねえが、尾っぽが関係しているらしい。」
「それはどこの情報だね?」
造治がさらに頭を抱える。
「“爆発野郎”からの情報だ。なんでも対魔忍がやられたとかいう話で聞いたらしい……。いらねえ情報回しやがって……頭痛え。」
「はっはっはっ!砕賀は面白い情報を拾ってくるものだ。さて、私は出掛けるとするか。」
「どっか行くのか?またあの女のところか?」
「いや、今回は彼女には会いには行かないさ。それに今私は知りたいことがあるからね。」
そう言うとケインは三途川の私室を出ると、外にある車に乗り、五車へと向かうのであった……。
今回は短いです。