※この作品はR-18です。

対魔忍HARUKI   作:ボルボロックス

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さぁ、いよいよ北海道編に向けて動いていきます!


“自由”なる存在ケイン

 ゆきかぜ、きらら、舞華、澄香、リリム、凜子との乱交の後。滅茶苦茶になったゆきかぜの部屋だったが、春輝が掃除したお陰で何とか綺麗になったのであった。

 

 

 その翌日、春輝最後の休みという事で久々に修行の空間に向かい、そこで雷庵、柱間から体術を、扉間から忍術についての修行を受けていた。

 

 

 白嶺についても本来ならいる筈の無い尾獣について尋ねようと思ったが、留守だったので聞けずじまいになり、次回は必ず聞こうと思っていた。

 

 

「はあ!!」

 

 

「殺す気で来いって言ってんだろうが!!!また相手に合わせてんぞ!!!おらぁ!!」

 

 

「がはっ!!くっ!!」

 

 

 雷庵のサッカーボールキックを受けつつも受け身を取り、即座に立ち上がる春輝に雷庵はカラカラと笑う。

 

 

「よしよし、すぐに起き上がるようになったのは及第点だ。それにすぐ“外し”を使おうとしないのも良いぞ。だいぶ変わったじゃねぇか!!」

 

 

「だが、些か甘い点が多いがな。それで“獅子”は超えられぬぞ!ふんっ!!」

 

 

 雷庵は“外し”を、柱間は仙人モードになると、春輝も“外し”を発動して2人と肉薄した肉弾戦を行い、春輝は殴打と蹴りなど攻撃が当たる瞬間に爆発的に力を上げるようにコントロールし、2人を吹き飛ばすと雷庵が楽しそうに笑う。

 

 

「はははっ!やるじゃねぇか、今のは悪くねぇぞ!甘さを捨てるのが大切だぜ!」

 

 

「はい!!はああああっ!!!」

 

 

 それからも訓練は続いたが、交代の時間になると春輝はその場に座り込み、持ってきた水筒の中身をゆっくりと飲み干す。

 

 

「はぁ、はぁ。交代、ですか?」

 

 

「そうだ。次は忍術の精度と威力をコントロールする訓練だ。如何に強い力と言ってもそれを増大させるだけでは限界が来る。だからこそ、必要な部分に必要なだけの力を流すのだ。」

 

 

「必要な部分に、必要なだけ?それは忍術についても、ですか?」

 

 

 春輝の言葉に扉間が頷くと、春輝に説明をし始めた。

 

 

「そうだ。例えば貴様の使った“外し”。初めからフルパワーでやったら避けられる可能性がある。最初から100ではなく、威力を徐々にコントロールして使うんだ。それにお前や仲間達には“尾獣”がいる。そいつらと連携してやってみろ。」

 

 

「は、はい!」

 

 

「うむ!善き返事だ。だが春輝よ、尾獣の力は謂わば“諸刃の剣”……使い方と使い道を誤るなよ。」

 

 

「“外し”もだぜ。下手に使えば、お前、死ぬからな?かははっ!」

 

 

「は、はい!精進します!ありがとうございました!」

 

 

 それだけ言うと春輝は空間を出ていくのであったが、残った雷庵は両腕を、柱間は腹を抑える。雷庵の腕には春輝の拳の痕が残っており、柱間の鎧の下の腹には青アザが出来ていたのである。

 

 

「雷庵殿、兄者。大丈夫か?」

 

 

「あ?この程度平気だよ。ってぇ……。」

 

 

「うむ、中々やるようになったな。チャクラでガードしなければどうなっていたか……。全く若さとは恐ろしいモノよ。」

 

 

「そうだな(2人がこのような怪我をするとは……春輝。あやつ、九尾以外に何かあるな。)」

 

 

 感心するように言いながら扉間は、雷庵と柱間の治療をしながら春輝の事を考えていたのであった……“一抹の不安”を残して。

 

 

◆◆◆

 

 

 その頃、春輝は修行を終えて町の中を散策することにし、スーパーなどを廻った後にのんびりするために、以前に獅子堂 緑郎と出会った公園へと来て、ベンチに座るとそこに“派手なシャツを着た凄まじい体をした外人”が隣に座り、若干ベンチが軋む。

 

 

 春輝は横目にその外人を見る。

 

 

「(うわあ……スッゴい体。あれ、全部筋肉か?靴とかもあれ特注か?)」

 

 

「気になるかね?」

 

 

「え!?あ、す、すみません!見たこと無い人だったもので。」

 

 

「う~ん、素直で中々いい人物ではないか。Mr.ハルキ・ミズキ。」

 

 

「え?何で俺の名前を……この気配!!オークか!?」

 

 

 外人から発せられた微弱な気配から正体を察した春輝は咄嗟に立ち上がると、構えを取るがその外人ことオークのケインは楽しげに笑う。

 

 

「ふふふっ!元気じゃないかね?安心したまえ、何かする気はないよ。キミと話がしたくて来たんだ。」

 

 

「話?(なんなんだこの人、悪意とか嫌なモノを感じない。それどころか落ち着いてる?九喇嘛、何か感じる?)」 

 

 

【目の前の奴からは何も感じないな。悪意とかもない……戦う必要は無さそうだぞ。】

 

 

「(そっか、ありがとう……。)警戒したことは悪かった。それで?話ってなんだ?」

 

 

 襲い掛かられると思っていたケインは、襲ってこなかった春輝を感心した眼差しで見る。

 

 

「なぁに、軽い世間話さ。キミの事は造治から聞いていてね、興味があったんだ。中々面白い忍者だとね?」

 

 

「造治……?もしかして、傀儡使いのか?」

 

 

「正解だとも。噂では見たこともない忍術を沢山使うそうだね?それに戦闘技術も中々面白いらしいね。まぁ若干好戦的だと思っていたが、そうではないらしい。」

 

 

「色々知ってますね?」

 

 

「何せ政府のデータベースをハッキングして調べたんだ。知ってて当然だとも。」

 

 

「ガクッ!!どんだけ緩いんだよ!?そういうのは機密情報だろ!?」

 

 

「ははははっ!私にかかれば雑作もない。それはそれとして……すまないが町を案内してもらえるかな?悪いことはしない、ただ見て回りたいんだ。」

 

 

 ガクッと倒れそうになる春輝は何とか踏ん張ると、その様子を見て楽しげに笑うケイン。葉巻を吸うと、春輝の肩に手を置いてそう言うと、春輝は少し考えるもそれならと答えるとケインは肩を組んできたのだ。

 

 

「ありがとう!では行くとしようか!!」

 

 

 春輝はケインと共に町を見て廻った。

 

 

 流石に結界などが関係している場所などは教えたり出来ないので、商店街やみんながよく行く駄菓子屋の稲毛屋や山の中の森林浴のスポットなども教えて回ると、ケインは楽しそうに頷いて反応を返してくれて、春輝は不思議そうに見ていた。

 

 

 時折、立ち入り禁止区域にケインが入って罠を発動させたりなどしたが、そのどれもを興味津々で見ており、稲毛屋の駄菓子を珍しそうに食べていたが、その時の表情はまるで子供のように楽しそうであった。

 

 

 そして時間がだいぶ経ち、夕暮れになった頃、ケインは楽しそうに笑いながら疲れ切った様子の春輝の隣を歩いていた。

 

 

「いやー!はっはっはっ!この町は楽しいな!さながらテーマパークじゃないか!はっはっはっ!」

 

 

「……喜んでくれて何より。それで、このあとは?ホテルとか取ってるんですか?」

 

 

「うむ、それなんだが……すまないがキミの家で夕飯を御馳走になってもいいかね?カテイリョウリを食べてみたいんだ。」

 

 

「……ものすごい注文してきたな。けど母さんたちに何かしたら。」

 

 

「安心したまえよ。そんな無作法な事はしない。何より

私にも愛する人がいるからね。ささ、案内してくれ!」

 

 

 ケインの言葉に首を傾げる春輝であったが、何故だが彼を嫌いになれなかった為に、家へと案内し、家に連絡すると帰宅していた不知火が出て、知り合いに夕飯をご馳走したいと伝えるのだった……。

 

 

◆◆◆

 

 

春輝side

 

 

「ただいま。」

 

 

 家に帰ってきた俺は、ケインを連れてきた。本来ならこんな事しないが何故かこのケインからは悪意も敵意も感じなかった。

 

 

 何というか、全部が自然な感じがして穏やかだからだ。

 

 

 先程母さんにもそれは伝えたので、こちらで様子を見ると言ったので下手に手は出さずに見守ることにした。

 

 

「(何というか……変わった人だな。)」

 

 

「おかえりなさい、春輝。あら、その人が?」

 

 

「あぁ、この人がケインさん。ケインさん、俺の母です。」

 

 

「初めまして、少々困っていた所を助けて頂いたのですが、夕飯を食べられなくて困っていたんです。そこを息子さんに助けていただいて……この度はありがとうございます。」

 

 

「あら、そうなんですか?それならゆっくりしていってください、もう少ししたらご飯が出来ますから。」

 

 

 温和に笑う母さんに誘われて、ケインが家にあがると俺も靴を脱いで家に挙がる。

 

 

「(中々美人ではないか。それに流石は“幻影の対魔忍”ことミス不知火だ。隙がない。)」

 

 

「(自慢の母さんだからな。)」

 

 

「たっだいま~!あ、お兄ちゃんと……誰?お客さん?」

 

 

 ゆきかぜが任務から帰ってきて、知らない男がいることを訝しむがケインはフレンドリーな笑みを浮かべてゆきかぜに挨拶をした。

 

 

「初めまして、私はケインだ。よろしく頼むよ。」

 

 

「……ゆきかぜ、です。」

 

 

 ゆきかぜは軽く会釈をすると、シャワーを浴びに行き着替えてから夕飯となった。今夜は母さんが作ってくれたオムライスだった。

 

 

「おお、これは中々美味しそうだ。」

 

 

「じゃ、食べましょうか。」

 

 

「「「「頂きます。」」」」

 

 

 ケインがまさか頂きますを知っているとは思わず驚いたが、ケインは一口食べると、味わって何度も味わっていたが……何故か彼は涙を流していた。

 

 

「ちょ、どうした?」

 

 

「いや、中々感動できると思ってな……。家族と一緒に何かを食べ、談笑し、幸せを噛みしめ合う……それは中々出来ることではない。特に現代のような殺伐とした中ではな。」

 

 

「ケインさん。」

 

 

「……私にも愛する者がいる。だから分かる。誰かと居ることの幸せというのがどれ程のものかと。」

 

 

「「「……。」」」

 

 

 ケインの言葉に俺達はただ静かに聞いていたが、そのケインの顔には寂しさが浮かんでいるのが見えた……。

 

 

 その後に夕食を食べ終わり、俺はケインを見送る事にして彼の車が停まっている場所まで来ていた。

 

 

「今日は楽しかったよ、感謝する。」

 

 

「それはいいが、聞かせてくれないか?あんたは、見ただけでかなり強いってのが解る。だけど、なぜそこまで強くなれた?」

 

 

 俺のその問いにケインは、ただ真っ直ぐと俺を見ながら言った。

 

 

「愛以外に…己を強くする物があるか?」

 

 

「あ、愛?」

 

 

「ああそうだとも、愛さ。私は確かにオークだ。だが、私は他の連中のように下品に女性を辱しめたり、汚したりなどはしない。まぁかつては粗暴だったが、ある女性と会ってから価値観が変わり、物の見方が変わったのさ。」

 

 

「……相当良い人に会ったんだな。」

 

 

「キミにはいないのかね?」

 

 

 ケインの言葉に俺の頭にはゆきかぜや母さん、凜子達や真達や九喇嘛達の顔が浮かんで真っ直ぐに答えた。

 

 

「沢山いるし、仲の良い友達も沢山いる……。」 

 

 

「ふふ……そうだ。愛には様々な形がある。そして君が皆を大事に思うのなら、君は更に強くなれるだろう。」

 

 

 ケインが車に振り向いて乗り込んでエンジンを掛ける。それを見て俺も立ち去ろうとしたが、その際にケインに呼び止められた。

 

 

「……春輝。」

 

 

「ん?なんだ?」

 

 

「力と闇に溺れるなよ。例え苦しい事が有ったとしても、諦めなければ光明はある。」

 

 

「え?」

 

 

 ケインはそれだけ言うと去っていった……けれど、闇ってなんのことだ?

 

 

◆◆◆

 

 

ケインside

 

 

 五車からの帰り道を走りながら、今までの事を考えていた。

 

 

 春輝、か。中々素直な良い少年だったな。彼がまっすぐに育てばそれで良いが……彼から微かに滲み出ていた“あの気配”、あれは良くない。

 

 

「(闇に堕ちるなよ、春輝。君はこちら側に来るのは早すぎる。)」

 

 

 春輝、君が闇に落ちないことを祈っているよ……。




次回、いよいよ北海道編に入ります!

ケインは意外と良いキャラですね!


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