砕賀Side
その情報を聞いたのは、継ぎ接ぎの肌をした男……荼毘って男からだった。怪しい上に胡散臭い奴だった為に暇潰しついでに聞こうと思った。
『んで、面白い話ってなんだ?』
『あんた、もし莫大なエネルギーを宿した人間がいるって言ったら、信じるか?』
『?莫大な、エネルギー?』
『ああ、そうだ。この世の中にはな?莫大なエネルギーを体に宿した人間が9人いるんだ……俺と仲間を含めて、な。』
荼毘の奴はそう言うと、奴の中に縛り付けている2本の尾を持つ青い炎の化け猫……二尾って奴の姿を見せられたが、俺はその見せられた姿に驚きつつも興味が湧き、他の奴等の事を聞いた。
そしたらその1人が旦那を……糸型の旦那を倒し、ノマドの幹部シュトロハイムを殺った対魔忍だと知り、しかも対魔忍側には特別な尾を持つ獣、尾獣を宿す奴がそいつを合わせて5人いることが分かって興味が溢れた……。
俺は糸型の旦那とケインの旦那にその事を話したが、2人とも用事があったりで関われないとの事らしく、単独でその尾獣を宿す奴を襲うことしたが……流石に対魔忍の本拠地に突っ込んで行くほど馬鹿じゃない。
だから、
その名前は、芳陰 真……芳陰家の次男坊にして一尾の大狸を体に宿す男、砂を自在に操る事から着いた名は“砂爆”の真!
「(確か尾獣は一から九までいて、こいつは一尾だったな……。その実力、知りてぇ!!)」
そう考えると、俺は支度をすると北海道に向かう飛行機に乗って目的の場所に向かい、そこでやつらを見つけてからはC1を使って暫く監視していたが……
「お前か、先程の殺気の主は……。」
……まさかバレてるなんてなぁ。流石はあの鬼影の血筋だ。こうなりゃあ隠れる必要もねえな!!
「俺か?俺は
一尾の大狸の力、とくと拝ませてもらうぜ!!
◆◆◆
砕賀と対立した真は砂を自在に操り、砕賀を捕らえようとするが巨大な粘土の鳥……そこから新たに作ったのは魚であり、それを真に向かって投擲していく。
真も砕賀の投げてくる起爆粘土を防ぐのに苦戦しており、砂の量も少なく操るのに苦労していた。
「くっ!?」
「どうだい?俺様の芸術の力……爆発は半端ねえだろ?」
「……。」
「俺の使う起爆粘土、こいつは使うサイズによって爆発力と範囲が拡がる。さらに俺の力によって強化されたこいつはな、本気になれば街1つ吹っ飛ばせる力を持っている!その様はまさに“芸術”!!」
意気揚々と自分の力を話す砕賀、その話をただ黙って聞いている真を見て、砕賀は更に調子に乗って口を開く。
「対して、お前の使うのは砂。確かに強いといえば強いぜ?だが、こんな雪国で乾いた砂があるか?お前の力は半減。如何に強いといえど勝ち目なしだぜ?」
「……ずいぶんと廻る口だな?」
「あ?なんだと?」
「ペラペラとよく喋る、自慢が多い。能力のネタバレも悠々とする。実力があっても実戦向きではないな。」
「んだと……!?」
真の言葉に表情をイラッとしたものに歪める砕賀。そんな中で真はさらに言葉を投げる。
「お前が誰から俺の力を聞いたか知らんが……己の物差しで人を図るな。芸術家を気取るなら、もっと眼を養うことだ。」
「このっ……うおっ!?」
砕賀が怒鳴りつけようとした時、ガクンと動きが止まり、粘土の鳥から落下してしまう。驚いた砕賀が上を見ると、粘土鳥は大量の砂に飲み込まれて動けなくなっていた。
真は確かに苦戦していた。だが、砕賀はそんな真を気倒せると思い、無駄話を多くしてしまった。その隙に真は守鶴と力をリンクさせて、地中から砂を操り伸ばしていたのだ。
驚く砕賀。真は更に、砂を砕賀に砂をまとわり付かせると完全に砂に包まれる砕賀。
「んだ、これは!?」
「生憎と芸術とやらは分からんが、お前の悪趣味に付き合う気はない……砂縛柩!!」
砂に包まれて高圧力で握り潰された砕賀、動かなくなった。
「……。」
【けっ!なにが芸術家だよ、呆気ねえ死に様だぜ!帰ろうぜ、真。】
「ああ……。『ボォン!!』……がはっ!?」
【真っ!?】
突然起きた爆発音、その後に真は倒れ守鶴も驚いていた。
真の背中……そこからはもくもくと煙が吹いており、まるで“爆発”したかのような傷を負っていた。突然の事に眼を白黒させていると、視線の先に倒したはずの砕賀が立っていた。
「あいつ、は……何故?まさか……!」
真は痛む体を起こして、潰した砕賀に近付き触ってみる。すると、その体は人のものではなく粘土で出来ていたのだ。
「これは……分身か。」
「正解だぜ。粘土分身さ、中々よく出来てんだろ?けど焦ったぜ。砂に潰されるなんて思わなかったからよ。だが、その砂に紛れ込ませて直に受けた起爆粘土の威力は凄いだろ?C1とはいえ、痛むんじゃねぇか?」
真は背中に走る痛みを堪えながら砕賀を見据えながら、背中に走る痛みの回復に力を回していた。
「(この痛み……。まさか先程の白い粘土が爆発したのか?小鳥サイズの粘土でこの威力とは……起爆粘土、危険な代物だ。)」
「さて、そろそろあんたの本気を見せてもらおうか?俺も本気を出すからよ!」
そう言って砕賀が起爆粘土を取り出して、新たに爆弾を造ろうとした時であった。
「雷遁、雷光大蛇!!」シャアアアッ!!
「うおっ!!?」
空から降ってきた雷の大蛇を避ける砕賀、その後ろから小石が飛んできたかと思えば刀をふりかぶった藤孝が現れ、斬りかかってきた。
「はぁ!!」
「うおっと!?な、なんだお前ら!?」
「真の仲間で友達だ!!」
真の周囲には春輝、藤孝、そして かなめが来ていたのであった……。
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