そして短いです。
次回本格的に始まります。
乙女崎によって完治した春輝は不知火と共に別室にて、手術をした彼女から直接どうするかという話を受けていた。
「取り合えず、水城春輝くん。任務には出れるし、その点は問題はないわ。でも、あまり無茶は駄目よ。任務の際は誰かと必ず行動すること。」
「は、はい。分かりました。」
「それと、この痛み止めの薬は必ず飲むこと。でないと、また痛みがぶり返すから。」
「ありがとうございます。」
「乙女崎さん、ありがとうね……春輝、あなたには後で話があるから。」
不知火の圧のある笑みに春輝は、姿勢を正して頷くと病院を後にしたがその間は何を話していいのか分からず、ただ静かな時間が流れていたのであった。
そして、家に帰ると……。
「「「「お兄ちゃん/春輝/さん/くん!?」」」」
「ゆきかぜ、凜子、きらら、藤孝、達郎くん、櫛延さん……あ、真、晃。」
「退院できたようだな。」
家の中にいたのはゆきかぜや凜子達以外にも真や事情を聴いた晃も来ていて、春輝の方が驚いており不知火の方を見る。すると、不知火は事情を話始めた。
「ゆきかぜが凜子ちゃんやきららちゃん達と話してたのを櫛延さんや真くん、礼導くんが聞いてきてくれたのよ。他にも何人か来てくれたのよ……。春輝、あなたは1人でみんなを護ろうとしてるけど、逆にあなたを護りたいって思ってる人もいることを忘れないで。」
「うん、分かった……母さん。みんなも来てくれて、ありがとう。」
春輝が頭を下げるとみんなも納得したのか、気にするなと言ってきたが……遠くからそんな様子を眺めている青年、ソウマがいるのであった……。
あの後、みんなと軽く食事をしてからみんなはそれぞれの家に帰っていき、ゆきかぜや不知火も春輝を休ませようと早くに寝てしまい、春輝は天井を眺めていた。部屋に居候しているリリムも事情を知っているのか寝ている。
その中で春輝は考え事をしていた。
「(みんな……今日は嬉しかったなぁ。けど、母さんにも辛い思いをさせてたんだな。“逆に俺を護りたいって思ってる人もいることを忘れないで”……か。俺、いつの間にかそんな風に思わせてたんだ。)“外し”や“九喇嘛”以外の力……それを見つけなくちゃ。」
「あるよ。
「っ!?」
春輝が聞こえてきた声に驚き、窓の方を見るとそこには自分をただ見ている同い年くらいの青年がおり、春輝は警戒心を剥き出しにする。
すると、青年は靴を消して部屋に入ってきた。
「夜分遅くに失礼。自分はソウマ、君の新しい担当の管理者だ。宜しくね、水城 春輝くん。」
「管理者……白嶺さんじゃないのか?」
「彼女は担当から外した。彼女は幾つもの不正を行ったからね。」
「不正?不正っていったい何を……?」
春輝が尋ねると、ソウマはその質問に答えた。
「まず1つは君に尾獣が居ないといった事。尾獣は何者かによって君とこの世界に越させられた。そして彼女はそれを自分の物にしようとしていた、何せ莫大なエネルギーだからね。あとは運命を操作して世界を変えようとした、その副産物で消えた人間もいた。まぁ、“忍の子孫”であれば嫌なのかもしれないがね。理解は出来ないが。」
「忍の子孫?白嶺さんが?」
「そうだよ。白嶺……彼女、百地三太夫の子孫だよ。まぁ、どこかで狂ったんだろうね。とある青年を心底嫌ってたようだし……まぁそれはそれとして、“外し”や“尾獣”の力とは異なる力、あるよ。」
「っ!?何て力なんだ?!」
「その為には君の持ってる力……“水”と“風”を極めなくちゃならない。」
「“水”と“風”……“水遁”と“風遁”か?」
「そう……いいかい?」
・水とは決まった形がない不定形な存在、どんなものにもなるし、柔らかくもなれば固くもなり、盾にも槍にもなる。
・乾いてしまえば消えるが、空気中の水分が空にたまれば雨となり、また潤いをもたらす。
・水が無ければ生物は生きていけない。
「これを忘れないように。そうすれば、その眼と合わさって君の力は10にも100にもなるからね。」
それだけ言うとソウマは消えていき、春輝は首を傾げるのであった……。
「(いったい何だったんだ今のは……?)」
春輝は不思議に思いながらも窓を閉めて眠りにつくのであった……。