※この作品はR-18です。

対魔忍HARUKI   作:ボルボロックス

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よろしくです。


会敵!礼導 晃対フェイザー ①

 春輝達が百愧龍宮の地に向かってから数日後、夕暮れに染まる空を悠々と飛びながら“五車”を目指していたフェイザー。空を飛べる彼は目的地である“五車町”を視界に捉え、狂気的な笑みを浮かべる。

 

 

「見つけましたよ。あれが“五車”ですか。“他の皆様”も向かっている頃でしょうかね。」

 

 

 フェイザーはそう言いながら、五車へと向かって速度を上げていく。

 

 

 彼とその仲間達が王から命じられたのは“日本占領”。

 

 

 本来であれば日本という海に浮かぶ島国になど興味など無かった王。しかし、日本にいる吸血鬼の王“エドウィン・ブラック”とその家臣達の抹殺、そして、日本の何処かにある魔界に繋がるゲートを確保する事が目的である。

 

 

 その中でフェイザーが命じられたのは、日本にいる魔族との戦闘を行う組織……即ち“対魔忍の排除”であった。

 

 

「(対魔忍……この島国に古来からいる魔を討つ者達。楽しみですねぇ……首を斬った時にいったいどんな表情(かお)を見せてくれるんでしょう?)」

 

 

 そんな事を想像しながら恍惚の表情を浮かべるフェイザー……彼は相手の首を刎ねて殺す事に幸福を感じる異常者であり、相手を殺す時には必ず首を刎ねて殺すのだ。

 

 

 そんな彼に対しての仲間達の意見は、総じて『不気味』である。

 

 

 すると、フェイザーの後ろから数10体の鳥型魔族達が追い付き、その内の1体がフェイザーに近付く。

 

 

「フェイザー隊長。」

 

 

「来ましたか。全員いますね?ではこれより、愚かな島国の者共を殲滅します。

その血肉、皆の嘴と爪で抉りなさい。」

 

 

「「「「キエエエエエエエエエエエエ!!!!」」」」

 

 

 鳥型魔族の群れがフェイザーの指差した先にある五車学園に向かって滑空していき、五車の森を抜けようとすると、森の中に人影を見つけた。

 

 

 鳥型魔族達はその人影に向かって鋭い爪を向けて、手を伸ばした時であった。

 

 

「雷遁!雷光鋭刃(ライジングエッジ)!!!」

 

 

 その声と共を聞いた鳥型魔族達、しかし瞬く間に一筋の電光が全ての鳥型魔族を切り裂く。鳥型魔族達の首と体はバラバラに斬られ、その様子を見ていたフェイザーは自身の部下達を斬ったその“相手”を見据える。

 

 

「何者ですか?貴方?」

 

 

「ウィーーーーーーー!!俺っち見参!お前は敵さん?俺様今日もイカしてる!!ウィーーーーーーー!!」

 

 

「……。」

 

 

「……。」

 

 

 なんとも言えない、しんみりとした空気がその場に流れてしまい、互いに見合ってしまう晃とフェイザー。

 

 

「戦闘中にラップをするバカがどこにいる。」

 

 

「あ痛っ!?」

 

 

「り、燐の姐さん、拳骨は無しでしょ!?毎回頭が割れる!?」

 

 

「敵を前にするからだ。あと、姐さん言うなと何回言わせる気だ。」

 

 

「師匠、今のラップイケテましたよ!」

 

 

「あ、あのぉ、皆さん?敵が面食らってますよ?」

 

 

 フェイザーの前に褐色肌と右肩に彫られらた“鋼”の文字が特徴的な青年、礼導 晃と美女、上原燐と美少女、ケイリー・マイヤーズが現れ、その背後から申し訳なさそうに現れた少女……に見える少年、上原 鹿之助がフェイザーを指差すと、そのフェイザーは呆れたようにため息を吐く。

 

 

「……何ですか貴方達は?どこぞの旅芸人の一座ですか?」

 

 

「バカヤロー!コノヤロウ!俺っち「だからやめんか!」いったーーー!?姐さん痛ぇよ!」

 

 

「……質問に答えてください。貴方達は何なん……?まさか、貴方達がこの地を護る対魔忍、ですか?」

 

 

「それを聞くということは……貴様が数日前に米連の施設を襲った者か。ヒクソスとやらで間違い無さそうだな。」

 

 

 燐の言葉にフェイザーは腕を組むと4人を頭から爪先まで見ると、その中でも警戒すべき相手として燐と晃の2人を見て、被り物の下で心底愉しそうに笑みを浮かべる。そして、最高の玩具を見つけた子供のように笑う。

 

 

「くくくっ!対魔忍……ですか。先程の様子からは旅芸人の一座かとも思いましたが、先程の一撃は実に見事でしたよ。」

 

 

「お、おい!こっちは答えたんだから、そ、そそ!そっちも答えろよ!」

 

 

 鹿之助はケイリーと晃の背後に隠れながらフェイザーにそう言うと、これは失礼と返してきた。

 

 

「そうですね、では自己紹介を。私はフェイザー。ヒクソスが幹部の一人であり、エジプトの王……ファラオに仕える天空の戦士にしてホルスの化身。以後お見知りおきを。

しかし残念ながら、私はすぐにこの場所にいる者達を皆殺しにしなければならないので、失礼しますよ。」

 

 

 フェイザーが翼を羽ばたかせて飛び立とうとした瞬間、晃と燐が雷遁を纏わせた刃を奮い、切り裂こうとしたが、その斬撃はフェイザーに当たら無かった。

 

 

「残念。如何に鋭い刃も当たらなければ棒と同じですね。」

 

 

「くっ!」

 

 

「では、失敬……!?」

 

 

 フェイザーはそう言って学園に向かおうとした時、自身に向かって伸びてきた太く長い蛸足を避けて視線を送ると、その蛸足は晃から伸びていた。

 

 

 晃はフェイザーを見ると、自身の獲物である忍刀“雷津(いかづち)”を向けて挑発的な笑みを浮かべる。

 

 

「バカヤロー、コノヤロウ。行かせるかよ。」

 

 

「……良いでしょう。お相手して差し上げますよ。」

 

 

 フェイザーは鋼鉄化した羽で出来た長槍を持つと、地上に降りて晃達に向かって行き、晃も臨戦態勢を整え、戦闘を開始した……。




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