※この作品はR-18です。

対魔忍HARUKI   作:ボルボロックス

16 / 324
特別任務!火遁衆と共に!

Side

 

 

 アタシは今、藤十郎のおっさんや火遁衆の面々、そして今回の任務から初参戦である初等部の水城 春輝を加えて、アタシらは魔族との繋がりがあると報告があった企業の高層ビルを、隣の建物から眺めていた。

 

 

 その会社は表向きは主に慈善事業を行っている会社なのだが、裏では人身売買や武器の製造と密輸を行っており、その武器は全て魔族、ノマドを通じて他国に流れているらしい。

 

 

 アタシらはその証拠を掴み、社長を始末しながら裏で加担している魔族とその仲間の抹殺を行うとのことであった。

 

 

「よ~しお前ら、これから暴れっぞ!敵は殺しても構わねぇ奴だ!魔物もいるだろうから油断すんなよ!」

 

 

「「「「「応!!」」」」」

 

 

「はいよ!」

 

 

「っしゃあぁぁぁ!やったるぜ!!」

 

 

 気合いを込めた面持ちで叫ぶのは、私と同じ火遁衆のメンバーで隊長の神村 舞華だ。

 

 

 舞華は家が退魔の家系であり、姉も別の学園で教師をやりながら退魔師をしているらしい。こいつは火遁の力を持っているが、その力を制御出来ずに暴発する事があり、それを鍛える為に加治が火遁衆に引き入れた。

 

 

 初めは好戦的であったが、何度かぶちのめすと私を姐さんと呼んで慕ってくるが、正直どう接すればいいのか分かんないんだよねぇ。

 

 

 そんな中で春輝の方を見てみると、そこには目標の建物の方をじっと見ながら深呼吸をしている春輝がいた。やっぱりまだ子供なんだろうね。

 

 

「春輝、あんたは舞華や私と行動しな。まぁ戦闘になったら好きに暴れてみると良いよ。

その方が早く慣れるからね。」

 

 

「はい!」

 

 

 そんな時、舞華が春輝に詰め寄る。

 

 

「おい水城!姐さんに認められてるからって、調子乗んなよ!?

まだ俺は認めてねぇからな!!」

 

 

「う、うん?分かった。」 

 

 

「おい舞華、あんまし苛めんなよ。」

 

 

「お前ら!そろそろ行くぞ!!」

 

 

 加治の言葉に頷くと、私らは目標の建物に向かって潜入していった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 対魔忍、火遁衆が潜入した事によって戦闘となった建物、そこにはくすんだ緑色の肌をした魔物、生殖猿と呼ばれている“オーク”が会社内に潜んでいた。

 

 

オーク達は藤十郎達、火遁衆の対魔忍を見つけ次第戦闘になったが、そんなオーク達相手に焔、舞華、そして春輝の3人が先陣を切る。

 

 

 焔は春輝との試合で壊れ、新たに改造した槍を使ってオーク達を貫いていき、舞華は火遁を制御するための銃を使って頭や心臓を撃ち抜いている。

 

 

「火遁、爆炎槍!!」

 

 

「喰らえ!!火遁、愚麗寧怒<グレネイド>!!」

 

 

 舞華の銃から放たれた凄まじい炎がオーク達を焼いていき、焔の強化した槍に貫かれて、オーク達はバラバラに吹き飛んで行く。

 

 

 そんな中で春輝は対魔忍の技術部から渡された忍者刀を使って戦闘をしていた。

 

 

 春輝の扱う忍者刀は一般的な対魔忍が使う忍者刀なのだが、切れ味がイマイチな為、春輝は切れ味を増させるために風遁を纏わせている。その切れ味は厚い鉄板を易易とバターのように切断した。

 

 

「ふっ!」スパンッ!

 

 

「ぁがっ……!」

 

 

「ぐぁっ……!」

 

 

「ふぅ……。」

 

 

首を切断されたオークは前や後ろに倒れていき、首の切断面はキレイに焼き切られている。春輝は構わずに風遁を纏った刃でオーク達を切断していく。

 

 

「おい!水城!!」

 

 

「ん?」

 

 

 春輝がオークを倒していると、舞華が春輝に食い掛かってきた。

 

 

 襟を掴み上げながら睨んでいる。

 

 

「な、何だ?」

 

 

「お前……スゲェな!!どうやったらそんな風に出来んだ?なぁ、どうやるんだ?教えやがれ!!」

 

 

「えっと……気合い、かな?」

 

 

「気合い、気合いかぁ!よっしゃあ、やってやるぜぇぇぇ!!」

 

 

 春輝の気合いという一言に何かを掴んだのか、舞華は気合を入れながら叫び、オーク達を吹き飛ばしていき、それを見ていた春輝は首を傾げながらも残りの魔物達を始末していく。

 

 

 そんな中、春輝は一人の男が隠れながらそそくさと逃げて行く男を見ると、その男はターゲットである会社の社長であった。

 

 

 春輝はその男を追うと、男は駐車場まで逃げていき愛車まで乗ろうとしていたので先回りし、その男が車に乗ろうとした瞬間に扉を閉める。

 

 

「ひっ!?た、対魔忍!?」

 

 

「おじさん、どっか行くつもり?」

 

 

「な、何だまだ子供じゃないか。坊や、悪いんだけどそこを……ん?」

 

 

 男が春輝に話しかけた瞬間、春輝はその男の手を切り裂き、それを見た男は顔を青ざめさせて、追ってきた痛みを感じて倒れ込んだ。

 

 

「んぎゃあぁぁぁぁ!!?う、腕!腕があぁぁぁぁ!!?」

 

 

「悪いけど、逃がすわけには行かないんだよね。ここで捕まってもらうよ。」

 

 

「こ、この!子供だからって調子に乗るなよ!!赤鬼、青鬼!出てこい!!」

 

 

「「御意。」」

 

 

「あれが、赤鬼と青鬼。」

 

 

 男が叫ぶと何もない空間から2体の面をつけた異形の怪物が現れる。その手には薙刀が握られており、禍々しい殺気を放っていた。

 

 

「そ、そのガキを殺せ!!ぐちゃぐちゃの肉塊にしてやれ!!」

 

 

「「御意!!!」」

 

 

 赤鬼と青鬼は薙刀を振って春輝に襲いかかるが、春輝はその攻撃を全て躱していき、そのスキに逃げようとする男を晶遁で動けなくすると、影分身を一体出すと構える。

 

 

「我らを相手に分身で戦うか。」

 

 

「ナメるなよ小僧。」

 

 

「あ、口聞けたんだ。まぁいいや、取り敢えず倒さないと。」

 

 

 春輝は忍者刀を振るって赤鬼と青鬼を攻めていき、2体は春輝の攻撃を薙刀で防ぎながら攻めていき、春輝と肉薄する。

 

 

すると、九喇嘛が話しかけてきた。

 

 

【なにチンタラやってやがる。さっさと倒しちまえ。こんな奴らを相手に様子見するな。】

 

 

「(それも、そうだな。んじゃ倒しますか!)はぁ!」

 

 

 春輝と分身は赤鬼達を押し返すと、即座に術を放つ。

 

 

「雷遁、雷光大蛇(らいこうおろち)!」

 

 

「風遁、風乱刃(ふうらんじん)!」

 

 

「「ぐぎゃあああぁああああっ!!!!?」」

 

 

 赤鬼に電撃の大蛇が巻き付いて感電させ、青鬼に大量のかまいたちが迫っていく。2体は痛みのあまり薙刀を杖にしながら膝を付く。

 

 

「そろそろやるか。雷遁、爆天雷!」

 

 

ゴゴゴゴゴゴッ!!!

 

 

 春輝は体内で雷遁のチャクラを練り、その力を天井に向かって放つ。天井に雷雲が現れ、雷撃の雨を受けた2体は黒炭となり、赤鬼と青鬼は仮面だけを残して、肉も骨も無くなっている。

 

 

 春輝は敵の気配を探るが、他に敵がいない事を知ると結晶の中に封じている男に近付く。すると、遠くから足音が聞こえて振り向くと、藤十郎達がこちらに駆けてきていた。

 

 

「春輝、お前勝手に……その男!?」

 

 

「はい、さっき逃げようとしていたので咄嗟に結晶の中に閉じ込めました。あと、赤鬼と青鬼とかいうのもいましたので、倒しました。」

 

 

「倒したって、赤鬼と青鬼をか!?あいつらは中級クラスの妖魔なんだぞ!?それを倒した!?」

 

 

「はい……これです。」

 

 

 赤鬼と青鬼の残った面を見せると藤十郎も流石に驚いたのか、言葉が出ず、他の面々も言葉を無くしたのであった。

 

 

◆◆◆

 

 

 その後、男の会社は社会から消えていき、男が関わっていた裏の悪行は対魔忍によって阻止され、捕まっていた者達は無事に家に帰る事が出来た。

 

 

そして、その後社長だった男は対魔忍の面々によって拷問を受けてその中で命を落とした。そんな中で藤十郎から報告書を受け取ったアサギと不知火は、報告書の内容が信じられずにいた。

 

 

「これ、本当なの藤十郎?」

 

 

「あぁ、奴は1人で中級クラスの赤鬼、青鬼を倒し、見たことのねぇ結晶の術、晶遁とやらでターゲットを封じてやがった。これは、俺も驚いたぜ。」

 

 

「春輝、あの子はどれほど強いの?どれだけの力を秘めているというの?」

 

 

不知火の言葉にアサギと藤十郎は考え込むしか無かった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 特別任務の翌日、春輝はいつものメンバーと一緒に昼ごはんを食べており、平穏な日常を過ごしている。

 

 

「お兄ちゃん、本当に無事で良かったよぉ。」

 

 

「全くだ。本当に心配したんだぞ。」

 

 

「ごめんごめん、ゆきかぜ、凛子。達郎くんやきららもな。」

 

 

「いえ、僕なんて。でも春輝さんが無事で良かったです。」

 

 

「あたしは春輝なら大丈夫だって思ってたけどね!」

 

 

 5人で他愛ない会話をする中、春輝の中にいる九喇嘛が話しかけてきた。

 

 

【春輝、闘いの中であまり様子見とかするなよ。その間に殺される事だってあるんだからな。】

 

 

「(あぁ、分かってるよ。今回は俺が悪かったよ。次は気を付ける。)」

 

 

【それなら良いがな。お前はもっと闘いを経験しろ!でねぇと本当に死ぬかもしれねぇぞ。】

 

 

「(そうだな、確かに経験不足だよな。また戦闘があったら参加させてもらうか。)」

 

 

 春輝の言葉に九喇嘛が「ふっ」と笑うと、九喇嘛は眠りに付いた……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。