すみません、次回エロです。
真っ黒な黒雲が空を漂う日の夜、人気のなく荒廃した工場跡地に1人の少年が立っていた。その見た目は銀髪赤眼で、褐色肌と右肩に彫られた“鋼”の文字が特徴的な少年。細すぎず太すぎない、所謂細マッチョの彼は“
五車学園に“特待生”で入学した人物であり、雷遁の使い手の名門である礼導家の嫡男であるが、彼は雷遁の上位互換である忍術“
彼の周囲には晃によって倒されたオークや魔族の男たちの死体が転がっていた。ここは魔薬の精製所であり、多くのオークや魔族の男が働いていたが、そこを潰しにきたのが晃であった。
「ウィーーーーー!今日も楽勝♪!俺は快調♪!敵は絶不調♪!!」
ただ、このラップ口調のためか周りから変わり者とも見られているが、本人は気にしておらず、それこそ周りの気を引くために元気よくラップを繰り広げている。そんな晃に対して“彼の中”にいる相棒である存在が声を掛けた。
【おい晃、お前少しは忍らしくしろよ。喧しくて聴いてらんねぇ。特にそのくそ下手なラップ。お前ラップの才能ねぇよ。】
「(オウ!八ッつぁん、辛辣な返答サンキュー!んじゃ【やるんじゃねぇ馬鹿。】オウ……。)」
八っつぁんと呼ばれた存在、それは春輝の九喇嘛、そして真の守鶴と同じ“尾獣”であり、8本の蛸のような足兼尾を持つ巨牛のような存在“八尾”こと“牛鬼”、晃の相棒であるが、九喇嘛や守鶴と違って冷静な面がある。
【ったく、晃。お前才能あんのに何でそんなとこまで真似すんだよ?そのラップ、真似る必要なったか?】
「(これはオレのジンクス♪!ご意見ノーサンクス♪!)」
【喧しい。だいたいお前……ん?】
牛鬼が辺りから気配を感じた時、周囲の瓦礫から20体ほどの武装したオークが現れた。彼らは増援部隊らしく武装がしっかりしており、それを見た晃はニヤリと笑みを浮かべる。
「面白ぇ、これは中々の危機♪これを抜けるには勇気♪」
【意味不明なラップかましてんじゃねぇ。こんな連中、お前が本気になれば一撃だ。とっとと終わらせて帰るぞ!】
「はっ!生意気なご口上♪その厚情に感謝♪お前ら、あの世でハッピータイム♪」
メキメキと晃の体が大きくなり、その体は巨大な牛と蛸を合わせたような姿になり、まさに“牛鬼”となったのであった。
「八尾でチビれ!おチビ共!!俺は《b》八尾がサビだぜ!ウィーーーーー!《/b》」
『う、うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?』
八尾こと牛鬼となった晃が大暴れしてオークや魔族の男達は、その巨漢から放たれる力に潰され、陣形を崩され、勝てるわけもなく逃げようとしたが牛鬼の力に全員が吹き飛ばされてしまったが……同時に建物までも無惨に破壊されてしまったのを見て、晃はしまったと汗を流す。
「(これは……アウト?)」
【あぁ、完全アウトだな。】
その後、晃はあまりに張り切り過ぎたが、対象が持っていた書類類を持って五車へと帰還した……。
◆◆◆
「この大馬鹿が。」
バチイイインッ!!
「いってぇーーーーー!!?り、燐の姐さん、チョップは無しでしょ!?俺は任務」
「黙れ、あと姐さん言うな。“上原”先生だ。」
ごつううぅうううんっ!!
「んぎゃっ!!?」
翌日、アサギらに報告をしに行った晃だったが、報告を聞いていた交流のあった上原 燐の拳骨を落とされ、コブをいくつも作る。その様子を見ていたアサギは苦笑いをし、任務を指示した“獅子堂 時松”はため息を吐くと話を始める。
「まぁ良い、任務も無事達成したんだ。あまり学校でラップをしなければ、問題はないだろう。」
「おいおい、松つぁん!俺からラップ「時松先生だ、馬鹿者!!」『ごつううぅうううんっ!!』んぎゃああああぁぁっ!!!」
燐からではなく時松から拳骨を落とされた晃を見て、アサギと燐は大きくため息を吐いた。
その後、晃は理事長室を出て頭を抑えながら廊下を歩いていた。すると、晃の背後から1人の人物が駆け寄ってきて、背後から抱き付く。
「師匠~~!」
「うおっとい!!?オーー!ケイリー!!イエーーーイ!」
「イエーーーイ!」
晃に抱き付いてきたのは、金髪のロングポニーにエメラルドのような瞳をしたスタイルの良い褐色の美少女、“ケイリー・マイヤーズ”であった。
彼女は晃の事を師匠と呼んでおり、抱き着いたりするなどの一般男子ならドキドキするコミュニケーションを取るが、晃はそれにもう慣れた、というより止めてと言っても止めないので諦めて受けている。
「師匠、今日こそは私と訓練してよ。たまにしか一緒にしてくれないんだもの……一人は飽きちゃった。」
「そう言うなって、俺も色々あるんだ。けど、ケイリーと訓練するのは好きだぜ!」
「え!?師匠、そんな……す、好きだなんて!もう、照れちゃうよぉ!」
なぜケイリーがくねくねとするのか分からずに、小首を傾げる晃……その時、晃の視線は森の方で鍛練をしている1人の少年、水城 春輝へと向けられる。
「(あいつは……。)」
【あいつが、九尾の人柱力か。中々強えじゃねぇか。そういえばあいつ、火遁衆の紅と戦ったらしいぜ。】
「(そうなのな、水城 春輝……ねぇ。)」
晃は春輝を優しげに見つめる。
晃の正体。それは、春輝とは別の管理者により転生した青年。同じ転生者である春輝に興味を持っている。彼は死んだ時に修行空間で、三代目雷影と四代目雷影・エーとキラービーに修行を付けて貰い、三人の忍術を習得した。
始めは苦戦したが、それでも負けない心を見せた事で三代目雷影と四代目雷影・エーとキラービーの3人から認められ、“鋼”の文字と牛鬼を受け継ぎ、晃は対魔忍の世界に転生したのである。
「(水城 春輝か。中々おもしれぇ奴だ……今度一緒に鍛練でも誘ってみるか。)」
「師匠?もしも~し、師匠?どうかしたの?」
「ん?いや、何でもないぜケイリー。んじゃ、今回は俺に勝てたらランチを奢ってやる!負けたらケイリーが奢るんだぜ?」
「ま、負けられないわね……!師匠、沢山食べるし!」
そう言って晃とケイリーは食堂に向かうのであった。
その後、晃は授業を終えると家に帰ろうとした時、一人で鍛練をしている春輝を見つけて話し掛ける事にした。
「よう!水城 春輝、だな?」
「?そうだけど……誰だ?」
「おう!俺は……いや、こっちの方が早いか。拳を合わせろ。」
目の前に現れた晃の拳を見て、小首を傾げる春輝に晃はくいっくいっと拳を出す。春輝はゆっくりと拳を突き出してコツンと当てると、そこには八尾“牛鬼”がいた。
「八尾の、牛鬼!」
【よぅ!九喇嘛の人柱力!それと、おい九喇嘛!さっさと出てこいよ!】
【……喧しい奴だ。わしは寝てるんだ、話し掛けるな八尾。】
【おいおい、冷たくねぇか?こっちから挨拶に来たのによぉ。】
九喇嘛と牛鬼の会話に驚いていると、晃が春輝に自身の正体を明かしたが、春輝は晃に手を伸ばしてきた。
「これは?」
「同じ対魔忍なら仲間だ!色々足りないところもあるが、良かったら仲良くしてほしい!」
「おう、良いぜ!なら、俺と春輝はブラザーか?」
「え?それは……どうなるんだろう?」
「悩むなよ!?」
こうして春輝と晃は仲良くなっていき、休みの日にはセンザキ市へと2人で遊びにいったりもしていたが、2人のお気に入りは稲毛屋のソフトクリームであった。
ヘロヘロになるまで遊んだり、修行した後に食べるソフトクリームは格別に美味しいらしい。
「う~~ん!!この濃厚な甘さに滑らかな舌触り、ここのソフトクリームは最高だな晃!」
「うん!濃厚なミルクのような甘さが引き立って最高だぜ!」
「ほっほっほっ……。あんた達もよく食べるねぇ、けどもう夕暮れだよ。早く帰んな。」
「「は~い!夏婆ちゃん!」」
稲毛屋の店主である稲毛 夏にそう返事を返すと、2人はソフトクリームを舐めながら帰っていったが、その道中で晃が尋ねた。
「そういえば、春輝はなんで五車に?やっぱり夢とかあるのか?」
「う~んっと、まぁ理由としては忍が大好きだからなりたいっていうのと、それと家族を護れる位に強くなりたい!そうすれば、もっと上にも行く気になるし!」
「ははっ!変わった奴だな。まぁでも何かあれば協力するぜ♪!」
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