ラムセスによって多大な被害を受けた五車町と五車学園、その活動は一時的に停止にまで追い込まれたが、山本 信繁ら調査第三部<セクションスリー>らと獅子堂、芳陰ら両家、そして、木遁使い達の力によって家屋の建て直しや資材などの輸送は滞りなく行われ、五車町と学園は5日で元通りになった。
その中で春輝はアサギから呼び出され、彼女と2人で話をするために理事長室へと来ており、そこで春輝はアサギと話をしていた。
「……つまり、ラムセスがあなたの首を刎ねようとした時、春輝はあの力に目覚めたってわけね?どんな力か分かってはいるの?」
「それが、何ていうか感覚だけっていうか、よく分かってないんですよね……気付いたら、水に包まれていたって感じなんです。」
「そう。(新しい術?それとも異能?本人は理解してないけど、かなりの力だし鍛えれば武器になるわね。)……まぁ、とりあえず春輝もお疲れさま。授業は明日からだけど必ず来るのよ?」
「はい!失礼します。」ガチャ。
春輝は部屋を出ていくと、家へ帰ろうとしていたがその途中、常森 蓮華が駆け寄って話し掛けてきた。
「春輝さん!」
「ん?あ、常森さん、どうしたの?」
「このあと時間ありますか?時間があれば私に土遁の術を教えてほしいんです!」
「え?それは良いけど。「じゃあ早くいきましょう!!早く早く!」ちょっ!?引っ張らないで!!?」
蓮華に引っ張られて、訓練所に向かう春輝。
そんな、ヒクソスの新たな悪意がじわじわと侵食を始めていたのであった……。
◆◆◆
「土遁、龍撃爪!」ゴゴゴゴゴゴッ!
「拳岩!」
春輝は今、訓練所にて蓮華と実戦の訓練をしており、春輝は土遁、拳岩を纏った拳で蓮華の土塊の龍を殴り飛ばしていた。すると、徐々に龍の動きが鈍くなり、最後にはズシーーーーンッという音とともに地面にめり込んだのを見て、どうなっているのかと慌てる蓮華の顔面寸前に拳岩が止まる。
「ふぅ。今日はここまでだな。」
「あ、あの!春輝さん、何をしたんですか!?何であたしの術が?」
「あぁ、この龍に拳岩で殴る度に加重岩の術を掛けてな。最後の辺りは超加重岩で動けなくしたんだ。加重岩の術は対象に触ると、相手を重く、軽重岩は逆に軽く出来る術なんだ。」
「なるほど……!よしっ!頑張るわよ~!!」
気合いを入れる蓮華に春輝は頷くと、荷物を持って変えることにしたのであったが、その夜に悲劇が起こるのであった……。
◆◆◆
春輝Side
常森さんとの訓練を終えて家に帰った俺は母さん、ゆきかぜ、きらら、凜子、達郎くんと久々に夕飯を楽しんだ。その中で覚醒したあの力について聞かれたが、俺はただ分からないとしか答えられなかった。
その後は部屋でのんびり過ごしていたが、アサギさんから連絡がスマホに連絡してきたのだ。
「はい、水城です。」
『春輝!五車学園に魔族が現れているわ!1人ですぐに来て!』
「!?は、はい!分かりました!」
そう言われて俺は身支度をすると、1人で学園へと向かった。そして、学園に着くとアサギさんが校庭にいて、目の前には巨大な3メートル大の某砂漠の王様の棺に似た何かがあった。
「アサギさん、あれは?」
「あれが魔族よ。あなたの力で倒してちょうだい。」
「え?は、はぁ……(どうしたんだ?あれってただの棺じゃあ?【春輝、罠だ!】え!!?)」
九喇嘛の叫びに反応するよりも早く、棺が開くとそこから伸びてきた包帯に縛られて、棺の中に閉じ込められてしまい、気絶したが目を覚ますと、目の前には天秤があり、左に白銀の羽が置いて大きく下に傾いており、右には小さい黒い石ころの様なものが置いてある。
「これは……。」
『目が覚めたようだな……。』
「誰だ!?」
『我が名はアメプ、欲心と清心の天秤を司りし者。ヒクソスが幹部の1人。』
まだいたのか、ヒクソスの幹部。
「アメプ……?お前、アサギさんに何かしたのか?」
『あやつと幾人もの女達は我が支配下よ。貴様を討つために利用したにすぎん。貴様はここで快楽に飲まれて死ぬのだ。』
「何だと?『春輝ぃ❤❤』っ!?母さん!?ゆきかぜ!?凜子!?きらら!!?」
後ろを振り返ると、そこには、その透け透けのネグリジェを着た母さん、紐みたいな水着(スリングショット)を着た凜子ときらら、スク水姿のゆきかぜがおり、3人は俺ににじり寄ってきて体に抱き着くと、服を脱がしながらペロペロと舐め始めてきた。
『春輝❤凄い締まってる体してる❤。』
『可愛い❤びくびくしちゃって、緊張してるの❤?』
『お兄ちゃん❤ちゅーしよ❤?ちゅー❤』
『ゆきかぜばかり狡いぞ❤❤なら、私は胸を舐めてやる❤❤』
「み、みんな!や、止め!?ま、待って!?」
4人からの愛撫を受けていると、天秤の銀の羽が僅かにくすんで浮き上がっており、逆に黒い石の方が光沢を出して沈んでいることに気付いた。……これってまさか、このまま快楽に流されてると、ヤバいってことなのか!?
そんなことを考えていると、今度はゆきかぜが顔に尻を乗せてきて、更に母さん、きらら、凜子の3人がその巨乳と爆乳を露出させて体に押し付けてきた。ゆきかぜはそれを見てお尻を押し付けてくるが、かなり怒っているようだ。
ヤバイ、このままだと確実に堕ちた上に殺されそう!!
しかもアサギさんやさくらさん、紫さん、他の人たちまで……このままじゃあ……!
【ったく情けねぇ。今回は助けてやるから、んな幻覚振り払え!!】
「(く、九喇嘛!?お願い!!)」
◆◆◆
「そろそろ落ちる頃か?【……おい、棺野郎。】……なんだ、この声は?」
【グオオオオオオオアアアアアッ!!!!!】
「っ!!!?う、うわああああぁぁぁっ!!!?」
キシッ!ミシミシッ!バッキィィィィィンッ!!!!
「っ!?はぁ、はぁ……!た、助かったぁ。ありがとう、九喇嘛。」
「お、おのれ~……!き、きざま……、体の中に何を入れている!?」
「入れているって……九喇嘛はモノじゃないんだ。相棒だ!」
「くっ……!我が力が破られようとは……まぁ良い、貴様の願いを言え。我を倒したのだ。何でも叶えてやる。」
「じゃあ、みんなを元通りに戻してくれ!記憶も消して。」
「……良かろう。」
アメプの体から光が発せられ、その光を浴びたことでアサギ達が気絶して倒れていく。すると、光を出し尽くしたアメプの体は錆びた色になっていき、ボロボロに崩れていったのであった。
「はぁ……。何か一気に疲れた。早く帰って寝るか。」
【だな、わしも寝るとするか……。】
春輝と九喇嘛は家に戻るのであった……。
しかし、そんな時にでも“大きな災い”が迫っているのであった……。
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