ズオォォォォォンッ!と宇宙空間が歪み、ジャグラス・ジャグラー達を乗せた戦艦は元居た場所からワープして地球まで来た。ワープする際にナオミとジャグラーに甘えに来たキラやマヤに挟まれながら、2人を撫でていた。
「ねぇジャグラー、なんで地球なんて行きたいの?教えてほしいですね?」
「確かに。何故地球になど……。私達の住む星に比べたら、あらゆる点で劣っているのに。」
そう言うキラ、マヤの頭を撫でながら眼前に広がる、広大な美しい地球を見てジャグラーは蛇心剣を持ちながら言った。
「いやなに。俺は地球にいる“ある奴”に会いたいのさ。んで、出来るなら腕試ししておきたい。」
「「?」」
ジャグラーの言葉に2人は首を傾げる。
そんな中、リエリとキラの母ベアトリスとマヤの姉であるアリシア、そして、ユーリアとエルザも入ってきた。
そして、地球の雲に紛れて目的地の日本の領内に入ることが出来ると、近隣の森の中に着陸してステルスを張って見えなくする、
「ジャグラー。目的地に着いたようだけどこれからどうすの?」
「……みんなは私服に着替えて出掛けてると良い。俺は用事があるから少しぶらついてくる。……キラ、マヤ。絶対に来るなよ?」
「「んぐっ!?そ、そんなぁ……。」」
ハーレムの中でもジャグラーLOVEの2人はショックを受けるが、ジャグラーは構わず艦から降りると、目的地である五車町に向かうのであったが、その中で彼は町を散策する中で目的の人物を探すのであったが……。
「見つけた。」
ジャグラーは人間の姿から本来の姿へと“擬態”を解くと本来の怪人の姿となり、目的の人物……水城 春輝へと向かって跳んでいった……。
◆◆◆
「はぁ、はぁ……!」
ジャグラー達が五車に現れる少し前、春輝は鍛錬の間にて千住 柱間を相手に新しい力、“怒濤水天”の訓練をしていたが、力を使いきった春輝は地面に大の字になって倒れており、肩で呼吸していた。
ヒクソスとの戦いの中で九喇嘛のチャクラと合わせた事で、さらに強い力として新たな術も使おうとしたが、通常時では何故か制御する事が出来ずに倒れ込んでしまう程に疲弊するのだ。
「うむ……。今日はここまでにしよう、これ以上はお前の体が持たんぞ。」
「は、はい……。痛っ……!?」
春輝は痛みが走る体に鞭打って起き上がると、柱間が木遁で造った椅子に腰を下ろし、少し粗めに呼吸していた。すると、柱間が水筒と握り飯を渡してきた。
「少しでも食べておけ。体力とチャクラが回復する。」
「ありがとう、ございます……。あむ……。」
「新しい力……怒濤水天、と言ったか?上手く扱えずに不安に思うだろうが、慌てては損をするだけだ。決して慌てるでないぞ。」
「はい……。あむ……。」
春輝は握り飯を食べながら、手を開いたり閉じたりして感覚を確かめていた。力の流れや感覚は解るのだが、どうしてもその感覚が上手く掴めないことに春輝は少しヤキモキしていたが、柱間に指摘されてしまう。
その後、鍛錬の間を出て春輝が家に帰ろうとした時、春輝の前に奇妙な魔族らしき人物が舞い降りたのであった。
「え?だ、誰?」
「お前が水城 春輝だな。探したぜ。」
「いや、あなた誰?」
「俺のことなんてどうでもいい……。少し相手してもらうぞ。」
「はぁ!?ちょっ、いきなりなに!?」
魔族らしき人物……ジャグラス・ジャグラーは愛刀、蛇心剣を抜くと春輝に襲いかかって行き、春輝はバク転や側転などで避けていくがジャグラーは容赦なく春輝に襲い掛かっていく。
「このっ!いきなり何すんだ!?」
「どうした?来ないのか。なら……はぁ!!」
「ぐっ!?」
春輝はジャグラーの右ストレートを受けて吹き飛び、地面を転がるが春輝も負けじとジャグラーを吹き飛ぶ瞬間に左アッパーで殴り付け、アッパーを受けたジャグラーは後ろにふらつくが、すぐに両者は体勢を整えて互いに睨み合う。
「お前、何者だ……?何で俺に襲い掛かる!?」
「お前……。“何のために戦ってるんだ”?金か?名誉か?それか女のために見栄を張るためか?」
「はい?金?名誉?見栄?いやごめん、何でそんなことを聞かれないと「良いから答えろ。」えぇ?」
春輝は困惑しながらもジャグラーからの問い掛けに答えるために座る。
「う~ん……まぁ、言うなら。お金は任務が終わったら入ってるし……最初は額が高すぎて驚いたけど。あと、名誉?名誉は別に興味ないし。女のために~とか、見栄を張るため~とかは解らない。」
「難しかったか?なら聞き方を変えるぞ。お前にとって
「え?今の俺?……最初は驚く事もあったし、色々ゴタゴタしたけど、成りたい
「ほう……?命を掛けてでも、か。馬鹿みたいな答えだが悪くはないな。」
ジャグラーは蛇心剣を鞘に納めると、怪人の姿から人間の姿に擬態して春輝に歩み寄る。
「悪かったな、いきなり襲い掛かって。俺はジャグラス・ジャグラー、お前に用があって会いに来たんだ。」
「え?」
春輝はジャグラーと話をするために一度その場を離れ、人気の無い森の中に行くことにし、そこでジャグラーは腰を下ろすと、春輝も腰を下ろした。
そしてそこで聞いたのはジャグラーも別世界から転生してきた人物で、同じ転生者ということで襲い掛かったのかと春輝が尋ねると、それは違うと反論してきたので春輝は戸惑った。
「あの、同じ転生者って言ってましたけど……俺の知ってる転生者って言うのは相手のモノを奪って自分が幸せになるために襲い掛かる人が多いとばかり。」
「そう言う人間もいるな。俺が乗っ取ったこいつもそうだったようだが……俺が意思ごと乗っ取ってそういうのは消してある。大体そんな奴は俺の知る連中とは異なる。」
「ジャグラーさんの知る人達?」
「あぁ、俺は昔ある2人の男と一緒に戦ったんだ。1人は風来坊で、もう1人は熱血バカな部下でな。そいつらはみんな“愛”や“平和”とやらの為に命を懸けて戦ってた。どんなに敵が化け物で強大でもな。」
「そうだったんですか。凄い人たちですね?」
「あぁ、今はどこで何してるか知らねぇがな……春輝、覚えておけよ?世の中にはな、糞みたいな奴がいる。目的のためなら平気で嘘を吐いて、相手を騙して、取り入ってくる奴がいる。だから、自分って言う“柱”は持っとけ。その柱が自分を支えるんだ。力や能力じゃないモノがな。」
「力や能力じゃない、柱……ですか。」
「おう。あと、色んなモノを見てきた先輩としてのアドバイスだが……護りたい奴はしっかり護れよ。ダチでも家族でも恋人でも、相棒でもな?」
「は、はい。ありがとうございます!」
春輝が礼を言うとジャグラーは迎えに来た戦艦に飛び乗り、空の彼方へと消えていったのであった……。
◆◆◆
ジャグラーSide
水城 春輝、か。ガイや同じ名前のハルキ……どっちとも違うタイプだったな。
だが、あいつは恐らく成長するだろう。闇に堕ちたり、誤った成長をしなければマトモな奴になるだろうな。
「ジャグラー、目的の人物には会えたのか?」
「ん?ベアトリスか。まぁな……何とか会えて話も出来たよ。」
「そうか。しかしそれだけ気になる相手なら旅に誘えばよかったのではないか?」
ベアトリスが何処か拗ねたようにそう言い、俺にしなだれかかってくる。
少し違うんだよ。
「俺が気になったのは、まぁ何て言うか……老婆心みたいなもんさ。少し気になったから会いたかったんだよ。まぁ、またいつか会えたら良いとは思うがな?」
悪戯っぽく笑い、ベアトリスにキスをすると彼女はそうか。と笑うのであった。
「(春輝、か。いつかまた会ってみたいな。その時は奴の力も見ておきたいな。)」
そんな事を考えながら俺は、宇宙空間を戦艦で進むのであった……。
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