きららとゆきかぜ、2人と交わり、さらにジャグラス・ジャグラーとの邂逅を果たした春輝は翌日、若干疲れた様子で学園に向かっていた。その一方でゆきかぜは艶々しており、その様子に凜子達は首を傾げたが、ある程度の事を察した賢丞は春輝の肩を叩いた。
「春輝、まぁなんだ。……頑張れ。」
「あはは。あ、ありがとう賢丞。」
「「「???」」」
何やら不思議なものを見せられている一同は他の面々は首を傾げるが、2人は固く握手をしている。
そんな中、学園の校門には獅子堂 時松が立っており、生徒達に挨拶をしていた。
「おはよう、お前達。」
「「「「おはようございます!」」」」
「うむ。朝から元気が良いな……?春輝、どうした?やつれた顔をして?」
「い、いいえ!何でもありません!」
「そうか?まぁいい、春輝。少し話せるか?」
春輝は時松に残るように言うと凜子達はキョトンとしながらも、教室に向かっていく。
「あの、時松先生?話とは?」
「うむ。宗一郎がお前に修行を付けたというのを聞いてな。今度の土曜日、獅子堂の屋敷に来い。今度は私が直接相手をしようと思うのだが……どうだ?」
「え!!?は、はい!ありがとうございます!いいんですか!?」
「なに。宗一郎が気に掛けた相手だ。どれ程の力か見ておきたくてな。では、今週の土曜日に来ると良い。」
「は、はい!ありがとうございます!」
まさかの時松からの誘いにウキウキ気分で学園に入る春輝はクラスに行くと、そのウキウキした様子を見た凜子達は不思議に思いながらも春輝に訳を聞いた。
「え!?獅子堂の屋敷に!?」
「あぁ、今週の土曜に行くんだ。しかも時松先生が稽古の相手してくれるらしいんだ。」
「おいおいおいおい!それめちゃくちゃ凄いことじゃねぇか!つうか、獅子堂の屋敷って中々行けないんだぜ!?」
「え?そうなのか?」
「当然だ。獅子堂の教えを乞いたいと思っている者は多くいるが、獅子堂は人を視る。容易く誰かを招いたりなどしない。」
昼食を食べていた春輝は藤孝の言葉にキョトンとしながら、そばを食べていると真がそう言いって春輝は頷く。すると、凜子が尋ねてきた。
「ふむ……。春輝、私たちも行けるだろうか?」
「先輩!それなら私も行きたいです!」
「私も私も!春輝だけじゃなくて私も行きたい!」
凜子の言葉にゆきかぜ、きららもそう言う。
春輝との交わりをしてから ゆきかぜと きららはずんっと前に出るようになっており、彼の行く先に着いていこうとしている。
その時だった。
「面白い話してるな。」
「あ、翔馬。」
春輝達の隣には学食を食べ終えた翔馬がいた。
「春輝、お前時松さんからウチに来るように言われたようだな。そん時は案内するよ。あと、他のみんなも時松さんに頼めば来れるとは思うぞ。」
「「本当!!?」」
「あ、あぁ。」
ゆきかぜときららと言葉に翔馬は退きながらも頷くのを見て、ゆきかぜときららはウキウキした様子になる。
すると、藤孝が翔馬を見る。
「良いのか?獅子堂は人を視るんだろ?」
「確かに人を視るし、簡単には受け入れたりはしないが基本的には来る者は拒まずだ。お前達も来るか?」
「それなら俺も行ってみるかな。真はどうする?」
「俺も行けるなら行ってみる。」
そんな事を話した後、時松に屋敷に行って良いかを尋ねると……。
「うむ。構わんぞ!宗一郎には私からも話を通しておこう。」
と、許可を得て彼らは2日後の土曜日から連休の月曜まで獅子堂の屋敷に行くことになり、春輝、ゆきかぜ、きらら、凜子、達郎(凜子から誘われた)、真、かなめ(真に頼んで着いてきた)、藤孝の8人は獅子堂の屋敷まで用意されたマイクロバスで向かうのであった。
そして、屋敷に着くと巨大な正門の前には翔馬と嫁の桃知 凪とスウ・ジンレイが待っていた。
「よう。よく来たな、待ってたぜ。」
「翔馬、スウさん、桃知さん、3日間よろしく頼む。」
「「「「よろしく/頼む/お願いします!」」」」
春輝達が挨拶すると翔馬は軽く頷いた。
「おう。取り合えず俺らについて来い。部屋に案内する。」
「皆さん、よろしくお願いいたします。」
「ほら、靴は棚に入れて上がって。」
春輝達は靴を脱ぐと廊下を進んでいき、客間へと向かう途中、稽古に励んでいる大勢の弟子達を見て真が頷く。
「凄い弟子の数だな。数えただけで100人以上はいる。」
「凄いですね。」
「ほとんど宗一郎様の人徳だ。あの人は心底腐った奴以外は受け入れる。みんな、あの人の人柄に惹かれたんだよ。」
「確かに。裏表の無い気さくな人だもんな……。」
「夜には宗一郎様に会うから、失礼の無いようにな。」
翔馬はそう言うと客間へと春輝達を案内し、男子と女子でそれぞれの部屋に着くと春輝達は寛ぎ始め、体を休めていると真と春輝の中にいる守鶴と九喇嘛が話し掛けてきた。
【はぁ~、ここは長閑なだなぁ。のんびり出来そうだぜ。】
【てめぇはいつものんびりしてんだろうが。くそ狸。】
【お前ぇ!本当にムカつく野郎だな!お前みたいな奴が相棒で春輝に同情するぜ。このひねくれ狐!!】
【ふんっ。喧しい奴だ……わしはしばらく寝る。起こすなよ春輝。】
「(え、ちょ、九喇嘛?はぁ……。)」
九喇嘛の素っ気ない態度に春輝は戸惑ってしまうが、春輝はそんな九喇嘛にため息を吐いてリンクが切れる。
そんな中で翔馬が部屋を訪ねてきた。
「休めてるか?」
「翔馬?どうした?」
「春輝、藤堂、芳陰、それと秋山の弟。今からお前達と俺達で模擬戦だ。女子もウチの女性陣と模擬戦を行う。ルールは行ってから説明する。ちなみに春輝達と戦う面々は俺と時松さん、そしてあと2人と戦ってもらう。」
「?時松先生と翔馬は分かったけど、あと2人は誰なんだ?」
「それは秘密だ。まぁ、癖のある人達だよ。」
そう言うと翔馬は春輝達と共に自分達の屋敷の中にある演習場へと向かうのであった……。
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