※この作品はR-18です。

対魔忍HARUKI   作:ボルボロックス

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閑話 初の違反!

 魔都東京キングダム、そこは魔族の住む闇の楽園……。

 

 

 その楽園には闇の存在、エドウィン・ブラックの配下である魔族達が経営するホテルや娼館、バーなどがあり、表では決して出回らない薬や武器の取引などが行われている。

 

 

 そんな魔都の外れにある路地裏では、スーツ姿の女性が灰色の肌をした魔物、オークに襲われそうになっていた。すると、背後から拍手する音が聴こえ、オークが振り向くとそこには軍服姿の女性が笑みを浮かべていた。

 

 

「なんだてめぇは!?犯されてぇなら順番守れよ!!」

 

 

「ふふふっ……流石はオーク、頭が性交で一杯のようですね。あなたに用はありません。

死んでください。」

 

 

 女性は指を鳴らすと、オークは次の瞬間にはサイコロのようにバラバラになって絶命し、スーツの女性は悲鳴を漏らすが彼女の前に、軍服の女性が舞い降り、アゴに手を添えて優しく慈愛を持って言葉をかけた。

 

 

「怖かったでしょう。大丈夫、もう大丈夫です。」

 

 

「あ、はい。あの、あなた『プスッ』えっ?───あぐっ!!!?」

 

 

 軍服の女は微笑みながら、女性に針を差し込む。すると、女性の体が熱くなるのを感じて苦しみだし、その姿を見て女性は楽しそうに口元を歪めて笑みを浮かべる。

 

 

「貴女は生まれ変わるのです。私の“駒”として存分に役に立ちなさい。“ヘルドック”。」

 

 

「う……!!うぅ……!!ヴヴヴぅうううううっ!!!」

 

 

スーツの女性は体が醜い化け物“ヘルドック”と成り果て、人としての名残が無くなった顔からよだれを垂らして、目の前の主に頷くのであった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 火遁衆との特別任務から翌日、春輝はいつも通りゆきかぜ達と五車学園に通い、共に授業を受けてから食堂で昼御飯を食べた後、春輝は五車学園の忍獣の住む森へと来ており、そこで尾獣モードのコントロールの修行をしていた。

 

 

「すぅーー!はぁーー!……っはぁ!!」

 

 

 呼吸を整えて九尾のチャクラを衣のように体に纏わせていく春輝、足首、膝、腰、胸、喉、そして頭の天辺まで纏うと“バージョン2”になり、今度はその尻尾に当たる部分を動かそうとするが、制御が上手く行かずに暴れまわる。

 

 

「くっ!?このっ!!?うおっ!!?……どわっ!?……どうしたんだ?紅さんとの戦闘の時は出来てたのに、何で急に。」

 

 

【戦闘の時は“無意識”で動かしてたんだよ。いわば勘で使ってたんだ、制御できねぇのは慣れてねぇのに出来るかよ。】

 

 

「(無意識?う~ん、無意識かぁ。考えずにやれってことなのか?)」

 

 

【ん?春輝、誰か来るぞ。】

 

 

 九喇嘛の言葉に春輝はチャクラを戻して、人の気配を探ると、その気配がした方から現れたのは……戦闘教官である蓮魔 零子であった。

 

 

 零子は辺りを見渡すと、様子を見てため息を吐く。

 

 

「水城、ここで何をしていた?また反省文書くつもりか?」

 

 

「え!?いや、これは修行をしていたんです。中々制御できなくて……けど、扱えるコツさえ掴めば何とかなります!」

 

 

「何とか、か。水城、制御できない力など考えるな。お前は雷遁を含めた4つ以上の忍術を使える。それをコントロール出来るようにしてから考えろ。それにお前の場合は基礎的な能力は高いが、些か無茶をしすぎだ。」

 

 

「無茶、ですか?」

 

 

「あぁ、お前はどこか力を入れすぎているからな、下手に力み過ぎるな。

……午後の授業が始まる、早く戻れ。」

 

 

 零子に言われ、午後の授業に向かう春輝であったが彼の中では彼女の言葉が残っており、何度も考え込んでしまっていたが、ゆきかぜや凜子、達郎に心配をかけまいとしていたが、それを見ていた藤孝が春輝を図書室に呼んだ。

 

 

「何だよ、藤孝。」

 

 

「お前なぁ。なんでも一人で考え込みすぎ……。」

 

 

「え?考え込みすぎ?」 

 

 

「俺はこう見えて医療忍者だぜ?仲間のメンタルくらい分かるつもりだ。

誰になに言われたか知らないが、少なくとも考え込む位なら吐き出せ。

何のための仲間やダチだ、相談くらい乗る。」

 

 

「……ありがとうな、藤孝。」

 

 

「おう。」、とだけ返事をすると藤孝は帰っていき、春輝も帰ろうとしたが職員室が騒がしくなっているのを気付いて、聞き耳を立てた。

 

 

『蓮魔が拐われた!?しかも、任務に出てた黒田を助けに行ってだと!?』

 

 

「……え?!」

 

 

クラスメートの巴と教官の零子が拐われたと聞いた春輝は詳しく話を盗み聞きし、春輝は一人で2人を助けに向かったのであった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 魔都東京キングダム、その一画にある娼館では捕まった巴と零子に薬を媚薬を投与した魔族が2人を改造しようと彼女達に拷問をしていた。しかし、中々屈しない所か睨み付けてくる零子を見た魔族は、徐にノコギリを出してきたのである。

 

 

「何を、する気だ?」

 

 

「お前らの手足を切り落として、そのまま改造するんだよ!!媚薬が効いてるから、何されても気持ちいいんだぜ!!」

 

 

「く!?この、恥を知りなさい!!」

 

 

「うるせぇ!!デケェ乳とケツしか取り柄のねぇてめぇらに、立派な役割をーーーがはっ!!!?」

 

 

「「っ!?」」

 

 

 魔族の男の首が切り落とされたのを目の前で見た零子と巴。その視線の先にいたのは、対魔スーツを着た春輝であった。

 

 

「「水城」くん!?」

 

 

「すんません、勝手に飛び出して来ました!!」

 

 

「まったく……勝手なことをしたものだ。だが、救援感謝する。」

 

 

「水城くん、ありがとうございます。」

 

 

 2人を共に助けた春輝が帰ろうとした時、ヴヴヴ……と獣の声らしきものが聴こえて後ろを振り向くと、そこには血に染まった皮膚が丸出しになったような人間ほどの大きさの怪物“ヘルドック”がおり、3人は即座に臨戦態勢を取ると、ヘルドックは3人に襲いかかった。

 

 

「水城……いや春輝、お前は忍術で奴を抑えろ!!巴はその隙に攻めろ!!」 

 

 

「了解!」

 

 

「はい、蓮魔先生!」

 

 

 零子は媚薬で疼く体を鞭を打って立て直し、2人に指示をすると春輝は土遁の術、土流壁で壁を作るとヘルドックに巴が刃を振るうが媚薬に犯された体で太刀筋がぶれてヘルドックを仕留め損なう。

 

 

その隙にヘルドックが巴に噛み付こうとしたが、彼女の周囲を即座に春輝が晶遁で防ぎ、追い打ちを掛ける。

 

 

「晶弾!」

 

 

 春輝の手から放たれた結晶がヘルドックに突き刺さると、硬さと衝撃に怯んだ隙に零子が刃の付いた鞭でその四肢を切り裂いていく。

 

 

「(今なら出来る!九喇嘛、借りるよ!)」

 

 

【おう、好きにしてみな!】

 

 

「蓮魔先生、黒田さん!これ、みんなには内緒にしといて!」

 

 

「「!?」」

 

 

春輝は体に尾獣チャクラを纏うとバージョン2になり、尻尾を腕に変えるとその手でヘルドックを拘束する。

 

 

「蓮魔先生、今です!!」

 

 

「!?あぁ、抑えていろ!!」

 

 

 零子の鞭がヘルドックのアゴと頭を貫通し、完全に動かなくなったのを確認した春輝はバージョン2から人間体へと戻ると、その場で額から伝わる汗を拭う。

 

 

 すると、零子が春輝に歩み寄った。

 

 

「水城、お前……あの力は。」

 

 

「あれが昼間言ってた力です。すみませんが、まだ制御できなくて……あ!これ、友達が作った薬です!俺はこれで失礼します!」

 

 

「なっ!おい待て!!」

 

 

「み、水城くん!?」

 

 

 春輝はその場を足早に去ると、それとすれ違いに救出部隊が到着し、2人は保護されたのであった。

 

 

 その様子を遠くから見ていた軍服の女性は、物言わぬ死体となった元人間だったヘルドックを見ながらため息を吐く。

 

 

「はぁ、使えない子。」

 

 

◆◆◆

 

 

「水城くん!」

 

 

 その翌日、春輝が一人で図書館で本を読んでいると、巴が春輝に声を掛けた。

 

 

「なに?黒田さん、てか体平気?」

 

 

「はい、治療も終わりましたので!それより、一緒に来てください!蓮魔先生が呼んでます!」

 

 

 巴の言葉に首を傾げながらも、本を片付けて彼女の後を追うと訓練所に着くと、そこには零子が立っていた。

 

 

「蓮魔先生?なんでここに?」

 

 

「いやなに、春輝よ。お前の修行を付き合ってやると言っているんだ。

昨晩の力はかなりのモノだったが、制御が上手くいってないらしいからな、私が出来る範囲で手伝ってやる。扱きに扱いてやろう。」

 

 

「私も手伝いますよ!水城くん!!一緒に、蓮魔先生の下で頑張りましょう!!」

 

 

「え、そ、それは……あ、ありがとうございます。」

 

 

 ニヤリと笑う零子と目を輝かせる巴に春輝は戸惑いながらも、お礼を言うのであった……。

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