※この作品はR-18です。

対魔忍HARUKI   作:ボルボロックス

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出来ました!

読んで下さい!!


六尾の人柱力、蒼影。

 キセルのような道具でシャボン玉を作りながら、屋根で寝そべっているアオザイを着た青年、蒼影は春輝達をつまらなさそうに見ている。

 

 

 そんな彼にヤイバは得物を構えながら眼光を向けていると、蒼影は眠たげに欠伸をした。

 

 

「貴様、何者だ?」

 

 

「名乗る必要があるのか?

俺はたまたま居合わせた市民だ。

殺し合いなら余所でやってくれ。」

 

 

 我関せずとばかりに、屋根に寝そべる蒼影。

 

 

 そんな彼に春輝は何かを察したのか、九喇嘛に話し掛けた。

 

 

「(九喇嘛、あの人って……。)」

 

 

【あぁ、間違いねぇ。“六尾の人柱力(・・・・・・)”だ!

おい!六尾、聞こえてるか!?】

 

 

【ん〜?おぉ、誰かと思ったら九尾かぁ。

久しぶりだなぁ!他のみんなは元気かぁ?】

 

 

【間の抜けたこと話してんじゃねぇ!

あいつらは“冥”っつう連中だ!

尾獣を集めて何かする気らしい。

暇なら手ぇ貸せ!】

 

 

「(九喇嘛!?言い方言い方!?

えっと、初めまして!俺は水城 春輝、対魔忍だ!

俺は2人に会いたくて沖縄まで来たんだ!(火)

敵対する気はない!)」

 

 

【そうなのか?それなら良いぜ~。

なぁ良いだろ、蒼影〜。】

 

 

「(……これ以上騒がしくするのは困る。)

分かった。今回は(・・・)信用してやる。」

 

 

 蒼影は屋根から降りると、春輝の隣に立つ。

 

 

 それを見た荼毘はやれやれといった様子で頭を抱える。

 

 

「ったく、面倒くせぇな。

ヤイバ、恐らくあいつが“六尾の容れ物(・・・)”だ。

それに九尾(狐)と六尾(蛞蝓)、こいつら纏めて半殺しで連れていけば、それこそ丸儲けだ。」

 

 

「そうだな。少なくとも対魔忍の女2人を確実に始末するとしよう……。

少なくとも“幻影”とその娘は確実に始末する。

容れ物である人柱力以外は、死のうが生きようが関係ない。」

 

 

 荼毘とヤイバが殺気を放ちながら、蒼炎と得物の刀を構え、春輝達も構える。

 

 

 しかし荼毘は突然、蒼炎を消すと後ろに踵を返す。

 

 

「?おい、どうした急に?」

 

 

「帰る。どうやら、もう一つの方(・・・・・・)も失敗したみたいだしな。

いくらお前ら相手でも、こっちは怪我したくねぇし。

ヤイバ、行くぞ。」

 

 

「……良かろう。サギーの件、いつか借りを返させて貰う。」

 

 

 そう言うと荼毘とヤイバは影に潜って消え、それを見てゆきかぜが銃を構えるが、2人の気配は完全に消えていた。

 

 

 他に敵の気配ない事を察すると、ゆきかぜは深く息を吐く。

 

 

 そんな中、蒼影は欠伸をすると踵を返して立ち去ろうとする。

 

 

「あ!ちょっと待ってくれ!」

 

 

「……なんだ?もう用はないだろ。」

 

 

「いや、俺らはあんたを探しに沖縄(ここ)に来たんだ!あんた……えっと、名前は?」

 

 

「……蒼影、羅 蒼影だ。

あんたらは、対魔忍か?」

 

 

「うん。俺は春輝、母の不知火と妹のゆきかぜだ。」

 

 

「どうも。」

 

 

「……よろしく。」

 

 

「対魔忍(同業者)……か。一応聞くが、何故俺に用がある?」

 

 

 蒼影が尋ねると、不知火が沖縄に来た理由と目的を話し、その話しを聞いた蒼影は春輝を一瞥すると、シャボン玉を造る。

 

 

「……つまり?俺をスカウトするって訳か。」

 

 

「そうなるわね。それで、どうかしら?

私達と一緒に来てくれる?」

 

 

 不知火に尋ねられた蒼影は、キセルを吹くとつまらなさそうに答えた。

 

 

「……ふぅ~。悪いが断る。

俺は1人が性に合っているんだ。

それに……五車とかいう政府の犬は信用してないんでね。」

 

 

 

「なっ!!?政府の犬って、なによ!!」

 

 

「ゆきかぜ、よせ。……蒼影さん、俺達は別にあんたに何かしようってわけじゃないんだ。

少なくとも、アサギさんの知っている人はまともな人だ。

信じてほしい……。」

 

 

 春輝が冷静に頭を下げると、蒼影は頭を掻き、どうするか考えていた。九喇嘛と犀犬は話をしていた。

 

 

【六尾、お前の人柱力は話を聞かねぇのか?】

 

 

【う〜〜ん、蒼影も色々あったからねぇ~。

ところで他のみんなは?】

 

 

【一尾、四尾、五尾、八尾が味方にいる。

二尾と三尾は“冥”に捕まってる上に、七尾は近くにいるがよく知らん。】

 

 

【又旅と磯撫が!?それは、結構マズイねぇ……。

蒼影ぇ、ここは彼らの話を受けよう?】

 

 

 犀犬の言葉に蒼影はため息を一つ吐く。

 

 

「(犀犬、生憎だが俺はまだ(・・)こいつらを信用出来ない。)……おいお前。春輝、とか言ったな?」

 

 

「?あぁ、うん。」

 

 

「機会があればお前らのいるところに行く。

悪いがそれまでは考えさせてくれ。」

 

 

 蒼影はそれだけ言うと去っていき、その寂し気は雰囲気の漂う後ろ姿を見送った春輝達は、後ろ髪を引かれる気持ちになったが、五車へと戻る事にしたのであった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 2日後、3人が五車に戻ると獅子堂 源一、芳陰 将忠、アサギの3人に任務の結果とその中での“冥”の一人であるサギーを倒した事を報告した。

 

 

「うむ、勧誘には失敗か……。その蒼影という者にも何か有ったのかもしれんな。」

 

 

「確かに……。しかし、冥のサギー。

ショーなどと言って人を惨殺するとは……。

冥の動向にも警戒しておくべきだのう。」

 

 

「はい。」

 

 

「それと、皆さん。冥の荼毘が“もう一つの方《・・・・・・》”と言っていたのですが、冥には尾獣の“居所を探る力”か“感知に特化した者”がいる可能性があります。」

 

 

 不知火の報告にアサギは驚き、源一と将忠は腕を組んで考え込む。

 

 

 “感知する力”か“特化した能力者”がいるとしたら、それは今後の戦いで不利になる可能性を含んでいるからである。

 

 

 対魔忍の中にも感知に特化した力や能力者は少なく、電子機器に頼っている面が多い。

 

 

「こればかりはなんとかしなければな。

……3人共ご苦労じゃったな、ゆっくり休みなさい。」

 

 

「「「はいっ!」」」

 

 

 任務は終わった。

 

 

 しかし、まだ脅威が去ったわけではなかった……。




あと、2回閑話挟んで新章行きます!
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