春輝達がまだ沖縄にいた頃、先に帰った琴魚を除いた十二宗家の面々は、春輝とその友人である芳陰 真との試験中の映像を見ていた。
『砂遁、口寄せ“
『口寄せ“
ドゴオォォォォォォォッ!!!
『グオオアァァァァァァァァァァッ!!!』
春輝と真を乗せて現れたのは、巨大な砂のような体をした狸と九つの尾を持つ金色の体毛の狐であり、2体はそこから激しい殺し合いを始めた。
その戦闘は凄まじく、地震のごとく揺れているためにカメラの焦点が定まらない。
長く続くと思われていた天変地異の如き戦闘、しかし、終わりに近づくと2人は最大の術を放つ。
「【砂遁“奥義”砂鉄土龍!!!】」
「【風遁、超大玉尾獣螺旋丸!!】」
ドゴオォォォォッ!!!
巨大な鉄の竜と透き通ったビー玉のような巨大な球体、その2つがぶつかり、大量の砂埃が舞う。
砂埃が晴れると、そこには倒れている真と疲労困憊ながらも立っている春輝がいた。
『しょ、勝者!水城春輝!!!』
審判である暁 桜牙が判定を下すと、春輝は真に手を伸ばし、真もその手を取って握手を交わした。
中忍試験の映像が終わると、宗一郎はパソコンの電源を消して、皆の前に振り向く。
「……以上が、芳陰翁から提示された“尾獣”に関する映像だ。尾獣という名は尾の数から来るものと考えられ、現在では1から9……つまり
「あんなヤバいのが9体も……。
それにしても、九尾って……!九尾の狐かよ、大妖怪じゃねぇか。」
「尾獣、ねぇ。あんなのがいるなんて信じられなかったわ。」
「怖いね。」「うん、怖いね。」
「……。」
それぞれが反応を見せる中、宗一郎はこれからの事について話した。
「現在、対魔忍の中で尾獣を知っているのは、この場にいる宗家の面々と俺の祖父、そして芳陰家の面々だ。
政府に知られれば
だからこそ、この件に関しては箝口令を敷くつもりだ。」
宗一郎の言葉に賛成の意味を込めて頷いたのは、射手矢、乙女崎、白羊、天秤院、天牛の5人であった。
「確かに、下手に騒ぎになれば面倒になるな。」
「尾獣を狙う人たちも出てくるだろうし、箝口令には賛成ね。」
「下手に騒ぎになれば、それこそ混乱を招く。」
「私も賛成。」
「後輩に何かあったら危ねぇからな!!」
「他のみんなは?」
宗一郎が蛇蝎、二子、巨蟹、山羊宮、宝瓶に訪ねる。
「俺は基本興味ない。好きにすれば?」
「僕達も蛇蝎さんと同じ。」/「えぇ、興味ないわ。」
「俺もだ。勝手にすれば良い。」
「私は本人達に会ってみなければ、判断はできないわ。」
「わ、私もです。本人達を見てみないと……。」
それぞれの反応を見た宗一郎は、軽く頷く。
「そうか……。いや、話を聞いてくれただけありがたい。今回のことはみんなで周知しておいてくれ。
まぁ、御魚谷には俺から伝えておく。」
「御魚谷さん、聞いてくれるかしら?
彼女、まともに聞くかどうか……。」
「まぁ、聞いてはくれるだろ。……俺だって話すのは気が進まないがな……。」
宗一郎は頭を抱えながらため息を吐くのであった……。
次回も閑話です。