暗躍する者たち
「これまで確認された尾獣は8体。その内の5体、一、四、五、八、九尾の能力者の素性を特定済み。さらにその戦闘能力も確定しております。」
巨大スクリーンに映っているのは九喇嘛と守鶴……春輝と真の中忍試験での試合、さらに今までの戦闘の映像が流れており、それを見ていた高級スーツに身を包んだ10人の政治家達は感心していた。
「いやはや素晴らしい。どれも
「確かに……。どうだろうか、そろそろ引き抜いても良い頃合いでは?一人五億で釣るというのは?」
「良いですなぁ。雌の忍なんぞが持っていて良い戦力ではない。我々が有効活用しましょうぞ。」
日本政府の政治家達による会合。その話題は尾獣によるものである。
彼らは初めは尾獣など信じていなかったが、その能力を持って戦う春輝達の戦う姿を見て、驚きながらも尾獣達が生むであろう莫大な利益に眼が眩んでいた。
「ではこちら側に着くよう「必要ない。」?何故ですか?」
司会進行の男が会議を終わらせようとした時、1人の白髪短髪の老人……しかし眼光は鋭く、肉体は老人とは思えない程鍛えられている身体をした人物がそこへ待ったをかけた。
全員が彼の方を見る。
「奴らは人に在らず。そのような事をやっても無駄だ……それにあの“自称最強”がこんな可愛い部下達を手放すとも思えん。」
「では、どうすると?」
「簡単な事だ。獣相手なら……“捕獲”するだけだ。」
これが後の大きな波乱を呼ぶのであった……。
◆◆◆
怒涛の戦いの日々と出会いを果たした春輝は、久々に学園でのテストを受けたが点数が足りず、高坂静流の授業の下、補習を終えて、家へと帰っていた。
「はぁ、はぁ!遅くなっちゃった!全く高坂先生はいちいち目のやり場に困るよ!」
【なら見なきゃいいだろうが。スケベめ。】
「(なっ!?す、スケベじゃないっての!!)……っ!!」
春輝が九喇嘛に反論しようとした時、上から振り下ろされる刃に反応して後ろに飛びずさると、春輝のいた場所には1人の黒ずくめの忍が刀を持って立っている。
さらに左右や背後からも同じような人物が10人ほど現れ、春輝は臨戦体勢を取り、彼らを見据える。
「なんだお前ら!」
春輝が問い掛けるも彼らは応えない。まるで人形のように立っていて、その雰囲気に春輝は気味悪く思えた。
すると九喇嘛が牙を向いて話し掛ける。
【春輝。こちらは唯の人間じゃねぇ……“意志”をまるで感じねぇ。】
「?(意志を、感じない?)っ!!?」
その瞬間に忍達はそれぞれの忍術で襲い掛かるが、春輝は電光石火を発動して即座に彼らの首を蹴り、術を水鏡の術で跳ね返して倒す。
「?なんだこの感触!?というか、なんだこいつら!?」
あまりにも呆気なく倒せてしまった事に、春輝はさらに違和感を募らせた。
「なんだこの忍達、呆気なく倒せた。」
春輝は倒した忍の顔を見ようと布に手を伸ばすも、九喇嘛に止められる。
【馬鹿野郎、正体も分からないのに余計な真似するな。】
「(あ、それもそうだな。取り敢えず学園に戻って報告しなきゃ。)」
春輝は急いできた道を引き換えして学園に戻っていく。すると、そこへ同じ服装の忍が現れ、倒された忍から何かを採取するとその場から消えた……。
◆◆◆
場所は変わり、豪華な内装の屋敷の一室。そこにいるのは春輝達を捕らえると発言した老人であり、彼の手にある袋を見て笑みを浮かべる。
「さぁ……
新たな魔の手が迫っていた……。
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