次回はバラバラに各視点を書く予定です。
「……この先か。」
春輝は今、持てる荷物を持ってから五車町から少し離れた森林地帯にいた。
その際に家事をしていたシアリーに出かけて来る、と言って、家を出た春輝は牛鬼から指定された場所へと向かっていた。
「……。」
【春輝、今回謹慎を言い渡されたのはお前と晃だけじゃねぇ。藤志郎と源太、それに真もだ。
しかも、全員が黒装束の忍の奴らに襲われてるのが気がかりでな。
そこで一度、5人で集まる事にしたいんだが、どうだ?】
「(それは、集まりたいけど謹慎中だから外には……。)」
【春輝、ここは一度集まっとけ。
八尾は“一応”まともな部類だ、こいつが言うのなら大丈夫だろうよ。】
【おい、一応ってなんだよ一応って。
本当に一言余計だぞ、九尾!】
牛鬼と九喇嘛のやりとりに、春輝は苦笑しながらも用意をして指定された場所へと向かっていると、牛鬼が指定した場所、町から離れているがさわぎがあればすぐに分かる山へと到着した。
「(ここか……。九喇嘛、みんなの気配は感じる?)」
【あぁ、どうやらここにいるようだ。
……そろそろ出てきたらどうだ?】
「……来たみたいだな。」
「よぉ春輝!」
「いえーーい!来たみたいだな!オゥイェーイ!」
「無事なようで安心したぞ。」
春輝の前に藤志郎、源太、晃、真が現れ、その無事な様子を見て、春輝は安堵し胸を撫で下ろす。
「藤志郎、源太、晃、真。みんなも無事で良かった……。」
春輝は4人の顔を見て安堵のため息を漏らすが、現状に混乱して頭を抱えて座り込む。
「まさかこんな事になるなんて……。
はぁ、何がどうなってんだ?」
「あぁ、俺達も若干混乱している。」
「何がどうなってるんだよ。馬鹿野郎この野郎。」
春輝の言葉に藤志郎と晃が同意するように頷き、答える。
突然謎の集団に襲われた上に、覚えのない罪で殺人容疑を掛けられた事に混乱していた。
すると、真は冷静に答える。
「…恐らく、この騒動には“
何か、陰謀のようなモノを感じる。」
「っしゃあああああああああああああ!!!
なら、それを突き止めれば良いって事だよなぁあああ!!」
「元気だなぁ、源太は。」
5人がそんな話をする中、九喇嘛達尾獣も何か違和感を感じていた。
【今回の件、何かきな臭い感じがする。
お前らどう思う?】
【だよなぁ?藤志郎達は何か罠にハメられたって感じがするな。】
【あぁ、何か嫌な感じがするぜ。】
【源太達が襲われたのは、5人とも“
これが共通点ですね。】
【だよなぁ。誰の差し金だか知らねぇが、随分と舐め腐った事してくれたぜ!】
5体はそれぞれの考えを述べる中、獣特有の直感から何か
そんな中で悟空が九喇嘛に尋ねた。
【そういやぁ、九喇嘛。お前春輝と沖縄に行ったんだろう?何か収穫あったか?】
【あぁ、六尾の奴にあった。
だが、奴の人柱力は気難しい感じだったぜ。
そっちは何かあったか?】
【それがなぁ……どうやらこの町に“
“冥”の連中が襲撃に来たんだが、結局重明は見つからなかった。】
【ほう?七尾の奴がか。あの野郎は“特殊”だからな。見つけるのは難しいだろうよ。】
牛鬼の言葉に九喇嘛は驚いたように話す。
七尾の尾獣は“
【この事件が終わったら、犀犬と重明も連れて集まって話しましょう。……又旅や磯撫も助けたいですしね。】
【だな?一回話さねぇといけねぇ事もあるし。】
しかし、その時九喇嘛が上を見上げる。
【ん?どうした、九喇嘛。】
【何か来るぞ!!】
九喇嘛のその叫びと同じ瞬間、春輝達5人の周囲を囲むように現れたのは、春輝達を襲ったのと同じ黒ずくめの忍達であったが、その数は1000人程がいた。
「何だぁ、こいつら!」
「俺達を襲った奴らの仲間か?
だが、何だこの数は!?」
「数が多すぎるぞ!?」
5人が臨戦態勢を取ると、黒ずくめの忍達は一斉に彼らに襲い掛かり始めた。
5人は円陣を組んで、互いの背後を守りながら戦っていく。
「ウイイイイーーーッ!!」ダァンッ!!
「オラオラオラオラァ!!!」ダダダダダダダダダッ!!
「ふんっ!!」グッ!!
「はぁっ!!」ズガァァァンッ!!
「シッ!!」ガァァンッ!!
晃が雷遁を、源太は火遁武芸を、真が砂遁で、藤志郎が熔遁で、春輝が晶遁を使って襲い来る黒ずくめの忍達を倒していく。
初めは春輝達が押していたが、忍達は身体の一部を銃や剣などの武器に変形させたり、身体を分裂もしくは肥大化させたり、体を別の生物に変えたりして5人を押していく。
さらにその人海戦術に5人は徐々に押され始めていた。
「ちぃっ!!こいつら数が多すぎる!!」
「はぁ、はぁ……っ!切りがなさすぎる。」
「オラオラオラオラァ!!どうする!?
穆王達を出すか?!」
「いや、ここで守鶴達を出せば、それこそ
「じゃあどうするんだ!!?」
5人が忍達を倒しながら、後退していくが忍達はまるで五車に戻らせない様に動いており、その上でまるで意思のない人形のように向かってくるので、苦戦していた。
そんな中、藤志郎は苦渋の決断をする。
「みんな!一度町を出よう!!」
「「「「え!?」」」」
藤志郎の言葉に全員が驚くが、藤志郎は続ける。
「こいつらはまるで
五車の町で戦闘になれば、それこそ被害が出る。
一度町を出て、また合流しよう!!」
「なら尚更こいつらをぶっ倒せば!」
「源太!こんな馬鹿みたいな数の連中に体力を消耗するな!!
ここは一度冷静になって、下がるぞ!」
【春輝、四尾の人柱力の言う通りだ。
下手に戦うより町を出て、下がるしかねぇ!
体力もチャクラも保たねぇ。】
九喇嘛の言葉に春輝は、忍達を倒しながら悔しそうな顔になると、渋々頷いた。
「(〜〜っ!!分かった……!)みんな、何時でも連絡できるようにリンクはしておいて!!
また会おう!!」
「「「「分かった!!!」」」」
5人は五車の町を出る為に、それぞれバラバラのルートを使って駆け出すのであった……。
◆◆◆
5人が町を出るのを忍の1人の目を通してみていた男、風間 鬼蔵は笑みを浮かべる。
「上手く行ったか……。
今頃五車にも届いているだろう……。
くっくっくっ!!」
そう言うと鬼蔵は、映像を見ながら心底嬉しそうに笑う。
その頃、五車の理事長室にアサギの下には政府から一つの命令が下されていた。
「そんな……!!そんな命令、聞けるわけ!!」
『この命令は絶対だ。逆らえば、五車の存続も危ういと思う。』
アサギはそんな電話の相手の言葉に、悔しそうに拳を握り締めるも、教師たちを呼ぶと一つの指令を出した。
しかし、その指令を聞いた藤十郎はアサギに掴みかかる。
「ぐっ!?」
「なっ!!紅!!やめろ!!?」
「うるせぇ!!!!……アサギ、お前マジでそんな巫山戯た命令を受けたのか……!!
それは正気か?!」
「これは、政府からの命令よ……。」
「ふざけるな!!!!!んなクソみたいな命令に従えってのか!!?」
「アサギ、私も混乱しているのだけど……もう一回言ってくれるかしら?」
憤慨する藤十郎と拳を握り締める不知火、そんな中、アサギは政府から下された指令を、再度伝えた。
「政府からの緊急指令……その内容は聞いての通り、水城 春輝、芳陰 真、礼導 晃、犬塚 源太、甲河 藤志郎の5名の捕縛よ。」
対魔忍達に“闇”が迫る……。
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